ぺこ&りゅうちぇる「子育ては、他人と比べないと楽になれる」<後編>
Woman.excite / 2019年4月20日 6時0分
ぺこ&りゅうちぇる
4月19日公開の映画『クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 〜失われたひろし〜』で、ゲスト声優を務めるぺこさんとりゅうちぇるさんにインタビュー。
前編「ぺこ&りゅうちぇる『個性的な親だから、子どもを丸ごと愛せる』」では、親になって気づいた『クレヨンしんちゃん』への想い、そして家族になることで生まれた“愛のカタチ”について語っていただきました。
後編では、2018年に誕生したリンクくんとの生活と、おふたりの“育児観”について伺いました。家族を心から愛するぺこさんと、一本芯の通ったりゅうちぇるさん。育児のヒントがたくさん詰まった、心温まるインタビューをお届けします。
■自分を削るのではなく、“赤ちゃんとの生活”を足す
©臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2019
――映画では、みさえとひろしの関係が家族になって変化したという内容も描かれています。おふたりの関係は、結婚後も変わりませんか?
ぺこさん(以下、ぺこ):2年間一緒に住んでからの結婚ということもあって、全然変わらなかったですね。変わらなすぎて、逆に「ちょっと変えたほうがいいのかな」と思ったくらいです(笑)。
りゅうちぇるさん(以下、りゅうちぇる):僕も全然(笑)。
ぺこ・りゅうちぇる:(目を合わせて大笑い)
――リンクくん誕生後は、いかがでしょう?
りゅうちぇる:それは、すごく変わりましたね。何か発言するときにもリンクのことが頭に常にあるし、お仕事に対しての向き合い方も変わりました。
いままでは僕とぺこりんの責任だったけど、“リンクのお父さん・お母さん”と言われるわけだから、言動はすごく責任感を意識するようになりました。でも、ぺこりんが一番変わったと思います。料理も家事も、すごくがんばってくれています。
――ぺこさんの生活は、激変しましたか?
ぺこ:そうですね。でも、もっともっと激変すると思っていたので、いい意味でそこまで自分を犠牲にしていない気がします。いままでの生活から何かを削って“赤ちゃんとの生活”を入れ込んだわけではなくて、もとの生活に“赤ちゃんとの生活”をプラスしたような感覚です。
――ハッピーが上乗せされた感じですね! それは、パートナーがりゅうちぇるさんだからというのも大きいですよね?
©臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2019
ぺこ:120%、そう思います。
――とくに、どんなときにそう感じますか?
ぺこ:ふだん、りゅうちぇるは夜泣きでは起きないんですけど、いつも「何かあったら起こしてね」と言ってくれます。まさに今日も、夜中にリンクが起きちゃって、泣くわけでもなく、なぜか超テンションが上がってしまい、どうがんばっても寝てくれなくなってしまって…。私がちょっと頭が痛くなってきちゃったのでりゅうちぇるを起こしたら、すぐに対応してくれました。本当に協力的なんですよ。
お風呂も私ひとりで入れるのは大変で、上がるときにリンクをりゅうちぇるにパスするだけでもめちゃくちゃ楽なんですよね。お仕事のときは別ですが、自分の都合で出かけているとき、りゅうちぇるはお風呂の時間までに帰って来るよう努力してくれます。
“リンクがハッピーでいるためには、私がハッピーでいることが大切”と思ってくれているので、そのためにいろんなことをやってくれるんです。
■ぺこりんがつらいと思うことは、僕でもつらい
――いま現在、具体的にはどんな生活を?
ぺこ:私はいま、ほとんどお仕事をしていないので、リンクと一緒にりゅうちぇるを送り出して、離乳食を食べさせたり、お散歩に行ったり。りゅうちぇるはお仕事から帰ってくると、自分も疲れているはずなのに、私に「疲れているはずだから、ちょっと休んで」と言って、リンクと遊んでくれたりもします。
――泣けるほど素晴らしいです。そんなりゅうちぇるさんの優しさは、一体どこから来るものなのでしょうか?
りゅうちぇる:ぺこりんだけに“家事や育児はお任せ”という気が、そもそもないんです。パパ・ママの得意分野という考えがないので、“ママだから、大抵のことはぺこりんに任せておいた方がいいよね”とも思わないんですよね。
同じ人間だから、ぺこりんがつらいと思うことは、僕でもつらいと思う。いまはリンクが小さくて、すぐにいろんな物を口に入れちゃうし、気を張る時期。ぺこりんは、僕がお仕事に行っている間、そんなリンクのことをずっと見てくれているんです。僕が外でしているのはある意味“慣れているお仕事”ともいえるので、また違う疲れじゃないですか。僕にとっては、子どもとの時間がリフレッシュだったりもしますしね!
でも、ピーリングに行ったり、スパに行ったり、自分のためだけに費やす時間もあります。そういうところにもぺこりんは理解してくれるので、お互いさまだと思えるんです。
■「わが子は想像以上にかわいい!」がなぜ広まらないのか?
©臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2019
――育児をしていて、想像と違ったことはありますか?
ぺこ:想像より大変ではないし、すごく楽しいです。リンクが離乳食中にコップを振り回して投げちゃって、拾ったと思ったらまた投げて…そんなときには「もう、何で落とすのよ~」とは思います。
でも、“これがしたい”という感情が芽生えていることがかわいいと思えるので、爆発はしていません。プンプン! となるけど、そのイライラも一瞬で愛に変わる。大変で大変でどうしようもないということは、まったくないです。
りゅうちぇる:リンクが生まれる前、「大変」とか「思っているよりもキツイ」とか、マイナスな話ばっかり聞いていました。そういう話は回りやすいのに、「想像以上に自分の子どもはかわいい!」という話は、全然回らないんですよね。ぶっちゃけ大変なことやつらいこともあるけど、想像以上にかわいいから、全然がんばれちゃいます!
――たしかにそうですよね。それでも実際には、産後に我慢が増えてしまうママも多いと思います。
ぺこ:私はほぼ我慢をしていないので、申し訳なく思うほどです。でも“赤ちゃんにイライラすること”よりも、“赤ちゃんにイライラしてしまう自分が嫌”という気持ちはすごくわかります。
言葉にするのは難しいけれど、ママももっと甘えてもいいのかなとは思います。私は、りゅうちぇるにも、母にも、友だちにも、どんどん甘えさせてもらっているので。
りゅうちぇる:プライドとはちょっと違うけど、ぺこりんには良い意味で「こう見られたい」とか「しっかりしたママだと思われたい」というところがないんです。「大変だから来て」とか「お願い、手伝って」と素直に言ってくれるのは、すごく良いことだと思います。
――必要以上に、人の目を気にしてしまうママもいる気がしますからね。
ぺこ:そこを気にして悪循環になるくらいなら、最初から甘えた方がみんなハッピーになれるかもしれないな、と。
りゅうちぇる:人の目を気にしたら、子どものことも他の子と比べちゃうと思うんですよ。だから、比べグセは終わらせた方が楽になれると思います!
©臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2019
■“ふたりの子ども”だから、ふたりで向き合って育てたい
――りゅうちぇるさんの育児に対する姿勢は本当に素敵だと思います。
りゅうちぇる:いやいや、そんなことないですよ。休日に抱っこ紐をしているパパを見かけると、僕もちゃんとしなくちゃなって思います。でも、根本には“ふたりの子どもだから”という気持ちがあります。
ふたりの子どもだから、ふたりで育てていく。何かあったら、しっかり責任を半々にしなくちゃいけないと思うので、将来についてもふたりで向き合っていく。良いところだけ急に入ってきて意見を言うのではなくて、ちゃんと一瞬一瞬、ふたりの子どもとして育てていくことが大切なんじゃないかなとは、常に思っています。
――子育てについて、意見がぶつかることもありますか?
りゅうちぇる:育った環境も違うから、ぶつかることありますよ。でも、お互いが大切という気持ちは変わらないし、僕は話し合いが大好きなので、これからもいっぱい話し合っていきたい。怒ったり、叱ったりすることもあるかもしれないけど、どんなときでも愛が伝わる向き合い方をしたいと思っています。
――それでは最後に、ウーマンエキサイトの読者でもある働くママへのメッセージをお願いします。
©臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2019
ぺこ:働きながら育児をしているって、とにかくすごいなと思います。いまの私には想像もできないことなので、純粋に尊敬するし、パワフルだし、かっこいい! でも両立って本当に大変だと思うんです。つらいときには、なるべく人に甘えるようにしてくださいね。
りゅうちぇる:働くことに充実感を覚えていれば、素敵だしかっこいいですよね。それでも、つらいときには、自分の素を出せるという居場所があるといいなと思います。旦那さんに心配をかけたくないから、逆に相談できないという人もいると思うし、そういう気持ちもすごくわかるんです。
でも、自分が壊れちゃったときには遅いんですよね。そのときに一番悲しむのは子どもなので、親として“自分を甘やかすこと”や“自分を守ること”も大切。いろんな人に甘えていいと思います。そして、応援しています!
©臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ ADK 2019
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原作:臼井儀人(らくだ社)
監督:橋本昌和
脚本:うえのきみこ、水野宗徳
声の出演:小林由美子、ならはしみき、森川智之、こおろぎさとみ
声のゲスト出演:木南晴夏、小島よしお、ぺこ、りゅうちぇる
公開日:4月19日(金)全国ロードショー
公式サイト:https://www.shinchan-movie.com/
(nakamura omame)
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