「あなたが娘でよかった」ウザい連発の反抗期娘に贈る“嫌がらせ弁当”
Woman.excite / 2019年6月27日 10時0分
© 2019「今日も嫌がらせ弁当」製作委員会
篠原涼子主演の映画『今日も嫌がらせ弁当』が、6月28日(金)に公開されます。
子どもの手を握りながら、親子で将来の夢を語る時が過ぎ…やってくるのが反抗期。本作で描かれるのは、母親の嫌がること(=反抗)をする娘には、母親も「嫌なことをする」と始めた、あまりに強烈なキャラ弁を通した母娘のバトル(!?)の記録です。
物語の原作は、アメブロランキングで総合1位を獲得(「kaori(ttkk)の嫌がらせのためだけのお弁当ブログ」)、エッセイが累計発行部数20万部を突破した、ある実話。
親子だからこその複雑な感情や距離感をみごとに映し出した本作には、不器用にそれぞれを思う母娘の愛があふれていました。
■反抗期の娘には“嫌がらせ弁当”で対抗!?
© 2019「今日も嫌がらせ弁当」製作委員会
舞台となるのは、東京都八丈島。夫を事故で亡くしたシングルマザーの持丸かおり(篠原)は、面と向かって会話してくれない反抗期の娘・双葉(芳根京子)との距離感に頭を悩ませていました。
その状況を打破する秘策として思いついたのが、娘が嫌がる“キャラ弁”を作ること。
かおりは「どうだ!ウザいだろ?」と、目には目を、歯には歯を、嫌がらせには嫌がらせをと言わんばかりに、娘が反抗的な態度をあらためるまで“嫌がらせ弁当”を作り続けることを決意するのです。
どんなに嫌がられてもキャラ弁を作り続ける母と、それを嫌がりながらも完食を続ける娘。互いに折れることない飽くなきバトルは、“ほほえましい”を飛び越えて、思わず口を押さえてしまうほどの笑いに満ちています。
とはいえ、ただのキャラ弁作り&戦いの記録ではないのが本作。昼間はお菓子工場、夜は居酒屋勤務、家では内職までして生計を立てるかおりには、シングルマザーとしてのある思いがありました。
■育児の後悔が生んだ、母の強い意志
© 2019「今日も嫌がらせ弁当」製作委員会
個性的なキャラ弁ブログが大人気となったかおりのもとに、ひとりの男性からメッセージが届きます。それは、妻を亡くし、幼稚園に通う息子のお弁当作りに悩むシングルファザー・岡野信介(佐藤隆太)からでした。
初めはキャラ弁作りについてアドバイスをしていたかおりでしたが、やがて岡野から子育て相談を受けるように。一方かおりも、女手一つで娘を育てることに必死だったからこそ生まれてしまった、育児の後悔と本音を明かします。
かたや実生活では、恋愛や進路に悩む、多感な娘を抱える母としての葛藤が尽きない日々。それでもかおりは強い意志を胸に、どんなに忙しくても、疲れていても、イライラしていても、欠かすことなく“嫌がらせ弁当”を作り続けます。
言葉では「ウザい」連呼の娘ですが、そんな母の姿に心が動かされないはずもなく…。まるで我慢比べだった“嫌がらせ弁当”は、いつしかこれ以上ない“愛情弁当”となり、本音で語ることができない母娘にとって、かけがえない“意思疎通の手段”となっていくのです。
■子どもの反抗期に、母親としてできること
© 2019「今日も嫌がらせ弁当」製作委員会
ウーマンエキサイト読者世代の多くのママが、これから経験するであろう我が子の反抗期。
よくわからないけれど親がムカついてたまらない、何があったわけではないのに口答えしてしまう、感謝しているのに素直になることができない。そんな反抗期がママ自身にもあったはずなのに、親の立場としてそれを迎えるとなると、どうしても構えてしまうものです。
その不安をパワフルに吹き飛ばしてくれるのが、この作品。ずっと見守り続けてきたかわいい我が子のことだって、わからないこともたくさんある。そのとき、母親としてできるのは「なぜだろう」「何を考えているんだろう」と頭を抱えて思い悩むことばかりではないのかもしれません。
子どもの気持ちがわからなくても、たとえ一方通行に思えても、ドーンと構えて自分なりの愛を送り続ける。“愛情”だけを武器に挑んだ母のガムシャラな戦いは、あとあと「あの頃は大変だった」と、笑いながら反抗期を振り返るためのヒントになるのではないでしょうか。
■個性豊かなキャラ弁の数々は必見!
© 2019「今日も嫌がらせ弁当」製作委員会
また、劇中に登場する“嫌がらせ弁当”のクオリティの高さには、感嘆するばかり。木工用ボンドから貞子、ダンディ坂野まで、インパクト抜群のキャラ弁の数々は、原作者・ttkk(Kaori)さんの手を借りて作られたもので、物語の大きな見どころとなっています。
バラエティ豊かなおかずのごとく、子育ての苦労と楽しさがめいっぱい詰め込まれた『今日も嫌がらせ弁当』。親に反発する娘の言葉は、リアルだからこそグサッと胸に来るものがありますが、「生意気でも、反抗期でも、あなたが娘でよかった」。そんなかおりの思いがあふれ出すラストには、涙が止まりません。
ウザいけど愛おしい娘と、ウザいけど大切な母親による、笑って泣ける壮大なバトル。自身の反抗期を思い起こして懐かしい気持ちが込み上げる一方で、「次はあなたの番!!」と、不安を抱えるママの背中をバシッと叩いてくれるはずですよ。
© 2019「今日も嫌がらせ弁当」製作委員会
自然と人情が豊かな八丈島で、次女の双葉と暮らしているシングルマザーの持丸かおり。幼いころは「大人になったらお母さんと一緒にレストランをやる」と言っていた双葉も、最近ではすっかり反抗期に突入し、生意気な態度で何を聞いても返事すらしない。そんな娘への逆襲にと、かおりは双葉の嫌がる「キャラ弁」を作り続けているのだが、やがてそのお弁当は、会話のない娘への大切なメッセージへと変わっていく。
原作:「今日も嫌がらせ弁当」ttkk(Kaori)(三才ブックス刊)
監督・脚本:塚本連平
出演:篠原涼子、芳根京子、松井玲奈、佐藤寛太/佐藤隆太
公開日:6月28日(金)全国ロードショー
公式サイト:http://www.iyaben-movie.com/
(nakamura omame)
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