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【医師監修】じんましんの原因は?「症状、特徴、治療、予防」<パパ小児科医の子ども健康事典 第20話>

Woman.excite / 2019年6月7日 12時0分

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イラスト:ぺぷり


お風呂に入って出てきたら急に全身が赤くなったり、蚊に刺されたようなぶつぶつがたくさん出てきてびっくりして、救急受診する人は多いです。

受診する頃には、ちょっと赤みがひいていたり、あるいはもっとひどくなって全身がかゆくなったりと、時間とともにどんどん状態が変化するものの多くは「じんましん」です。

子どもにじんましんが出たら、どうすればよいでしょうか?

■じんましん「症状、特徴、原因」

まずじんましんは、膨疹が出現して、それが24時間以内消失することが特徴です。

膨疹とは、その名の通り膨らんだ発疹で、蚊にさされたようにぷっくりしたり、いくつかがつながって線状になるいわゆるミミズ腫れの状態になったり、まぶたがぷっくりと腫れたりします。ほかの発疹とは異なり、比較的短時間、数十分や数時間のうちにみるみる発疹の状態が変化することが特徴です。

あせもなどの湿疹や、突発性発疹などの感染による発疹であれば、一度出現すれば数時間のうちに急激に状態がかわることはありません。しかし、じんましんであれば、30分前に顔に出ていたものが、次に見た時には消えていたり、また数分後には足に発疹が出ていたり…といったことが起こります。

じんましんの代表的な原因としては、食物アレルギーが挙げられ、食べてから数分~数時間のうちに発疹が出現します。皮膚の症状だけのこともありますが、時にはせきや鼻水、腹痛や下痢といった症状を伴ってくる場合があります。

はじめての食材を試した時や、普段大丈夫でもいつもより多量に摂取した時に、このような症状が出たら食物アレルギーが疑われますので受診が必要です。

また、頻度は多くありませんが、お薬によって症状が出る場合もありますので、じんましんが出た時にはどんなお薬を使っているかも医師に伝えてください。

このように、じんましんの原因が明らかな場合もありますが、ほとんどの場合は「原因不明」です。






■原因不明のじんましん「治療や予防」

はじめてのものを食べたり、動物や植物と接触した後に症状がでたなど、状況的に原因が明らかな場合を除いて、アレルギーの血液検査をしても原因ははっきりしないことが多いのです。

明らかな原因があれば、それを避けることで予防をしますが、実は「原因不明」であっても治療や予防の対策はとることができます。

じんましんの発疹やかゆみは何らかの原因で体内に生じた「ヒスタミン」という物質によって起こります。

治療はまず、このヒスタミンの作用を抑えるために、抗ヒスタミン薬という種類のお薬を内服したり塗り薬を塗ったりします。ときにステロイドが入ったお薬も、これらに有効なため使用する場合があります。

一般的に体があたたまって血流がよくなると、かゆみを感じやすく、じんましんも広がりやすくなります。お風呂あがりやお昼寝後には体が温まっているので、発疹が出やすくなるのはこのためです。夜の救急外来にも、お風呂のあと突然発疹が出てきて、あわてて受診する人は多いです。

受診した時には症状がある程度ましになっている場合が多いのですが、これは温度が下がったり、時間が経過したためと考えられます。

濡れタオルやアイスノンなどで冷やしてあげるとかゆみや発疹もましになりますので、症状が出た時には一度試してみてください。


イラスト:ぺぷり


じんましんは数時間~数日間出たり引いたりしますが、多くは1カ月以内には出なくなります(ときに1カ月以上続く慢性じんましんに移行します)。

■じんましんが出やすい子ども「刺激に強い体作り」

ストレスや疲れがたまっていたり、体調不良で体温があがった時にも症状は出やすくなります。風邪をひいて熱が出た時は、体もあたたまっていて体調も悪いので、なおさら発疹は出やすい状態といえるでしょう。

そのほか頻度は多くありませんが、ひっかいたり、圧迫したり、日光などの刺激が加わることで症状が出ることもあります。じんましんがよく出る子は、まずは日頃の体調や皮膚の状態を整えていくことが対策になります。

せきや鼻水、腹痛など、明らかにほかの臓器症状を伴う場合は緊急受診が必要ですが、軽い皮膚症状だけであれば時間経過とともに改善したり、冷やすだけでもましになるので、じんましんの特徴に合致するものであれば自宅で対策することもできます。

もちろん判断が難しい場合や、たとえ皮膚症状だけでも発疹がどんどん広がったり、かゆみが我慢できないような状況であれば受診しましょう。

夜の救急外来には、発疹にびっくりしてあわてて受診したり、かゆみがひどくなってパニック状態になっている子どももみかけます。状態によっては上に書いたような対策で改善することもありますので、まずは落ち着いて冷やしたり、時間とともに改善するかどうかをみてください。



(パパ小児科医)

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