モノが多くて片づけが大変なのは当たり前! 子育て期を大らかに過ごすための考え方
Woman.excite / 2019年7月7日 14時0分
10数年前の我が家のリビング。敢えて何も置かずオモチャだらけにして、めいっぱい散らかして遊んでもらっていました。
リビングには洗濯物やオモチャが散らばっていて、郵便物やプリント類はテーブルやカウンターの隅にどっさり、キッチンまわりはお菓子や食材の買い置きでいっぱい…。これが子育て期の一般的な家庭の様子ではないでしょうか。
もちろん洗濯物も家族の人数ぶんすることに。お天気がよい日はまだいいのですが、悪い日は手間もかかって大変ですよね。
家族が増えると「モノ」がふえるのは避けられませんし、炊事や洗濯、掃除や片づけ、お風呂などなど日々の暮らしでなされる「コト」もふえます。当然そのぶん家事の量もふえるので、おのずと時間は自由にならなくなります。
自分のやったことでなくても、後始末をしなくてはならないことだっていっぱい出てくる(涙)。子育て期はある意味、不自由の連続ですよね。
■人の一生には「小さな12の人生」がある
こちらを見てください(別ウィンドウが開きます)。 これは人生を12のフェーズ(相)で捉えた図です。簡単に説明すると、一生というのはひと連なりのものではなく、12の小さな人生がある。それぞれの小さな人生を生き終えて、次の新しい人生へ移っていく、というものです。
例えば、就職や結婚を節目に「自立」のフェーズにひょいっと移る。子どもが生まれたら「子育て」のフェーズにひょいっと移り、「子育てするフェーズを生きる私」に生まれ変わる。移ったあとは、それぞれのフェーズをしばらく生きる。
「子育て」のフェーズにいる感満載の壁面デコレーション。今思うと、この時期にしかあり得ないインテリアな気がします。
この「移る」というのは、今いる場所のまわりにフワフワと浮いている島に、えいやっと飛び移るような感覚、あるいは位相が変わる感じというのが、分かりやすいかもしれません。
■子育て期は関わる「コト・モノの量」がハンパない!
図を見ると、子育て期は人生初の繁忙期に突入し、しかも「関わるコト・モノの量」が他のフェーズに比べて圧倒的に多い!!ということが分かります。
目の前のことを終わらすのに必死、同じことの繰り返しなのに手が追いつかない、モノがどんどんふえる、片づけても片づけても散らかる、すべてがエンドレスに感じる…という状況になるのは、このフェーズを生きる人たちはみんな同じ。
「関わるコト・モノの量」がこんなにも多いのだから、ある意味仕方がないことなんだ!と納得できるかと思います。
散らかったオモチャを片づけ、また散らかっては片づけを繰り返す日々。いつまで続くの?とウンザリしたことは数知れず。
12のフェーズをすべて経験することが「正しい人生」というわけではありません。これは「だいたいこういう感じ」という見取り図です。
でも、この「だいたいこういう感じ」を知っておくと、なんとなく安心ですよね。エンドレスに感じる子育て期も、子どもが成長して家を出る頃には「関わるコト・モノの量」もガクッと減って終わりを迎え、次のフェーズに移るのです。
■生まれ直した気分で「小さな人生」を生きよう
節目を迎えてフェーズが変わると、「なんだか今までとは違う」というズレを感じるもの。結婚して新婚生活が始まると「今までとは違う毎日だなぁ」と思ったり、子どもが生まれてからは「急に思い通りにいかなくなった」「今までできたことが、できなくなった」という感覚を抱くものです。
病気の時などは外出すらままならない子育て期。ふと、世の中から取り残されたような気分になることも何度もありました。
人生の節目は今までと状況が変化するときなので、このように感じるのは当然です。原因は自分の努力が足りないわけでも誰かの責任でもなく、状況が変わったから。
「気ままに過ごしていた私」は前のフェーズで終わり、今は「妻としての私」「母親としての私」に生まれ直して新しい自分になったのだから、「前の私ができていたこと」ができなくなっても仕方がない!と、きっぱり考えるようにしましょう。そのほうが今を楽しめるはずです。
■「片づけ」作業で、今、必要なものだけにする
危ない!を減らすために家具は子ども仕様に。やっちゃダメ!も減らしたかったので壁の落書きOKにしたら、すごいことに...。
節目を迎えるごとにモノの見直しもしましょう。子どもが生まれたから角のある夫婦仕様のテーブルはいったん片づけ、安全なものに買い替えるなど、前の人生では必要だったけれど、次の人生に必要ないモノはきっぱり捨てる、片づける。
そして次の人生でも必要なモノは残し、新しく必要になるモノを見つけていく。このような「片づけ」という具体的な作業をしているうちに、いつの間にか節目を乗り越え、新しい次の人生を生きる軸ができあがっていきます。
絵本もたまにはチェック。もう読まないよ、手放してもいいよ!という本のうち、比較的キレイな本は寄付していました。
どれだけたくさんのモノを一生で得られるのか、ではなく、節目節目でどれだけ捨てていけるのかで生きやすくなる。そう考えると、なんとなく気持ちが軽くなるのではないでしょうか。
■同じことの繰り返しにも「終わり」はやって来る
現在、我が家には高2と中1になった子どもがいるのですが、あれほどリビングに散乱し、頭を悩ませていたオモチャも、今はもうほとんどありません(その代わりマンガやゲームがふえました)。
赤ちゃんの頃は毎日が必死だった記憶がありますが、それも振り返ってみると数年間でした。そして今は、子どもが家を出て独立する日もそう遠くはなくなってきたなぁと感じています。
狭いベランダ での水遊びは、片づけが大変だったー。ついこの間のことのように思えるのですが、今では幸せな思い出です。
子育て期のいちばん大変な時期というのは、本当にあっという間。いつまでも続くものじゃない、数年先には終わるんだという少し先の見通しをもって、今の人生を満喫したいですね。
私はこの考え方を恩師である辰巳渚さんから教わりました。もっと詳しく知りたい方は、辰巳さんの著書『人生十二相 おおらかに生きるための「捨てる!」哲学』(イースト・プレス)を読んでみてください。
(石野祐子)
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