「子どものいじめ」調査は正しい!? 親はいじめ実態を把握できているのか【パパママの本音調査】 Vol.346

Woman.excite / 2019年9月1日 10時0分

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イラスト:鈴木し乃



子どもが成長するに従い、子どもたちだけの社会が形成されていきます。そういったなかで、残念ながら時としていじめが起きてしまうことも。

わが子には被害者にも加害者にもなってほしくないいじめ問題。今回はパパやママたちの体験談をもとに、親にできることを考えてみます。

■3割以上が「いじめの被害者になったことがある」

アンケートで、子どもがいじめに巻き込まれたことがあるかどうか聞いたところ、「被害者になったことがある」と答えた人が3割を超えて、もっとも多い結果となりました。

また、「両方ある」、「傍観者または加害者になったことがある」とあわせると47.5%となり、約半数の親が子どもの何らかのいじめを経験したことがあるようです。

Q.子どもがいじめに巻き込まれたことある?
いじめの被害者になったことがある 32.8%
ない 29.8%
わからない 20.6%
両方ある 7.2%
傍観者になったことがある 4.1%
いじめの加害者になったことがある 3.4%
その他 2.2%


■幼稚園や学校で…いじめの実態


イラスト:鈴木し乃


全体の3割以上が「いじめの被害を受けたことがある」と回答したアンケートには、具体的ないじめのエピソードがたくさん集まっていました。まずは、どのようないじめが起きているのか見ていきます。

「小さい頃から仲良く遊んでいたお友だちが、幼稚園に入った途端にグループで うちの子をたたいているのを見たときは凍りつきました。その後幼稚園に行きたくないと言うようになり、夫が相手の家に話をしに行ったら、『 いじめられる方が悪い』とピシャリ」(滋賀県 40代女性)

「2年生のときに6年生にいじめられていました。学校に相談に行き、なるべく先生や支援員さんがいてくれる環境で対処してくれました。今年になって、息子は 1年生をいじめています。やめるように言ってもなかなかやめません。今はどうしたら止められるのか試行錯誤しているところです」(静岡県 30代女性)

「4月に小学校に入学したばかりですが、さっそく いじめのターゲットにされてしまいました。最初は様子見していましたが、階段で押されたり足を後ろから踏まれたり危険を伴ってきたので、担任に話していまは解決済みです。 低学年でもいじめがあるという現実に驚がくしました」(三重県 40代女性)

「娘が高校1年の時、 部活でいじめにあいました。先輩や同級生から暴言、目配せして笑われる、仲間外れにされる。先生に相談しても『弱いおまえが悪いんや』って怒鳴られた。ようやく退部できて落ち着いたが、我が子がいじめにあうなど考えてもいなかったし、私が進めてしまった高校だったので責任を感じた」(埼玉県 40代女性)


そのほかにも、「小学2年でいじめを受けた息子は精神的にダメージを受け、中学生になったいまでも通院治療中。 心の傷は長期の戦い」とか、「子どもが 『悪口ノート』を作られた」など、つらいいじめの告白が集まっていました。

幼稚園や小学校低学年でもいじめがあるとは聞いていましたが、現実的にそこまで いじめの低年齢化が進んでいるのかと驚きです。また、 いじめの連鎖やいじめの後も続く 心のケアについて訴える声もあり、いじめの深刻さがより身近に伝わってきます。



■いじめと遊びの境目とは


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いじめ問題の難しいところは、何をもって「いじめ」とするかというところ。コメントでも、その難しさについての悩みの声が寄せられていました。

いじめといじりは紙一重。長男はすごく体が小さかったので、担いで女子トイレや更衣室に投げ込まれたりして、先生からは『 いじられキャラです』と説明されました。しかし家では、『つらい』と泣いてました」(大阪府 40代女性)

「小3の息子が、よく消しゴムを粉々にされたり、鉛筆を折られたり、ノートや筆箱に落書きされたりして帰ってきます。相手はふざけてやっているのか、 いじめや嫌がらせの分類なのか、難しいところ」(福島県 30代女性)

「いじめまで発展してはいませんが、小3の息子がちょくちょく同じ子から ちょっかいをかけられているみたいです」(岩手県 30代女性)


いじられキャラ」や「 嫌がらせ」、「 ちょっかい」などというキーワードからは、「いじめ」との明確な違いを見つけることの難しさを実感させられます。

また、している方とされている方との間に、 意識の違いが生じている場合もありそうで、「いじめ」の判定が簡単ではないことがよくわかります。

■勇気ある行動に出る子どもたち


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親たちから寄せられたエピソードのなかには、いじめをみずから解決したり、仲裁したりという子どもたちの勇気ある行動がいくつも集まっていました。

「中2の息子は 平和主義で、いわゆる『いじめ』を嫌います。性格的にも、男女を問わず嫌がらせを受けている友人を無視することができず、『やめとけ!』と言えるような子です。親としては、『ターゲットが息子に向けられるのでは?』と心配もしましたが、『放っておけばいいから!  オレは大丈夫!』と、強く逞しい内心を聞き安堵(あんど)しました」(広島県 40代女性)

「いじめられている子、いじめている子、分け隔てなく仲良くしていたら 『あいつと仲良くするんだったら仲間はずれにする』と言われた。無視されたりしながら、それでも『どんな子でも 差別したくない』と、どちらとも変わらず接することをやめなかった」(北海道 30代女性)

「小学生のときに、『1つ解決しても、また違う子からいじめにあう』と言ってきたことがありました。その場で相手に、『なんでそんなことするのか聞いてみなさい』と言ったら、娘はそのとおりに加害者の子に直接聞いてこれまで解決してきました。いまでは、誰かがいじめていたら『 そんなことはしちゃいけない!』と言える子になりました」(茨城県 30代女性)


大人でもなかなかできないような 勇気ある行動の数々に、子どもたちの持つ力の大きさを感じます。

ただいじめの仲裁に入ることでみずからが標的になってしまうこともあるため、親としてはどのように伝えればいいのか、本当に実行して大丈夫なのか悩みどころではあります。

でも子どもたちが勇気を持ってみずから起こした勇気ある行動には称賛を送ってあげたいですよね。

■加害者がわずか「3.4%」に疑問の声も

アンケートによると、「いじめの加害者になったことがある」のは わずか3.4%。いじめは1対多数となることが多いことが考えられ、本来は被害者の数よりも多くなるはず。この結果からはどのようなことが読み解けるのでしょうか。

「被害者率が高いが、加害者側は ただ知らないだけなんじゃないかって思うほど、子どもの世界を親は知らないものです」(滋賀県 30代女性)

「加害者が少ないことにビックリ。わが子が学校でどうなのか、親子での話し合いをしてる家庭が少ないのかなって感じました」(茨城県 40代女性)

「加害者にも被害者にもなってもらいたくないし、いままでもいじめはないとは思う。でも本当に 『ない』とは言いきれない。他人がさ細なことだと感じるようなことでも当事者が『いじめ』だと受け止めれば、それは『いじめ』。『ない』と自信を持って答えている方々、大丈夫ですか?」(神奈川県 40代女性)


たしかに、被害者だけではなく、子どもが「いじめの加害者になっている」ことにも、親としては気づきにくい現状があるかもしれません。アンケートでも「わからない」と答えた人が2割以上いることから、子どもたちのなかで、どのようなやり取りがあったのか、どんな関係性なのか、すべてを把握するのは至難の業です。

筆者の小学1年生の長男も、最近友だちと帰宅中にもう一人の友だちを走って置き去りにしてきたことがありました。本人が帰宅後、「逃げてきた!」とうれしそうに言ってきたことで発覚。親同士も仲が良かったのですぐに謝罪して事なきを得ましたが、悪気のなかった長男の態度に驚き、反省させられました。

その後、あらためて「なぜしてはいけないのか」「されたらどんな気持ちになるか」について、親子で話し合い、長男自身も涙目になって反省しましたが、「いじめの加害者」と相手には映った可能性もあった出来事でした。

こうしたことは日常で頻繁に起こっているのかもしれません。そうだとすると、だれもがいじめの被害者にも加害者にもなりえるといえそうです。ではそんなとき、親としてはどのようなことができるのでしょうか。



■子どもが加害者にならないために


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いじめの加害者にどうしてなってしまうのでしょうか?

「家では良い子の親こそ、学校ではおとなしい下級生に対して弱い者いじめをしているのに、『わが子は優等生だ』と思っている気がする。圧力を親からかけられてる子どもは外で弱い者に圧力をかけるのでは? ある意味 子どもも犠牲者」(三重県 40代女性)

「いじめをしてしまう子は、 家庭で精神的な問題があるのだと思う。発見した場合は、いじめる側の子の心の問題も見つけてあげないと、ずっと変わらないのではないかと思います」(三重県 30代女性)


たとえば家庭や習い事、そして学校などで、別の問題を抱え、そのストレスによっていじめを始めてしまう…、コメントにもあるように、こういったストレスなどがいじめる側が抱えている可能性はあるかもしれません。でもだからと言って、いじめはけっして許される行為ではありません。

ただ家庭の対応が無力だとも思いたくない。もし家庭でそのストレスを少しでも受け止められれば、いじめの加害者が一人でも減らせるのではないか? そう信じたいものです。

それでは、そのとき親は子どもにどのようなメッセージを伝えればいいのでしょうか。

「『やられたらやり返せ』という教育はダメだと思う。人にやられて嫌だったことは誰かに対してもやっちゃいけないと教えるべき。我慢できないストレスを受けたら、 やり返す以外の対処法を教えるべき」(千葉県 30代女性)

「相手が嫌だと思ったらその 相手にはそれをしないことを心がけることだと思います。言葉や行動で誰しも相手を陥れることがあることを、大人も子どももしっかり認識すべきだと思います」(神奈川県 30代女性)

「どんな場合でも、 大勢対一人は卑怯(ひきょう)。大勢で一人をいじめるのは絶対あってはならないことだと、親は厳しく教えていかなきゃいけないと思います」(佐賀県 40代女性)


たしかに、「 相手が嫌がること」を想像できたなら、「 相手が嫌がることをしない」と子どもたちが立ち止まって考えられるかもしれません。さらに、あたり前のことではありますが、「大勢対一人」という構図は絶対にダメだということを伝え続けることも重要なポイントになりそうです。



■子どもをいじめの被害者にさせない


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最後に、子どもがいじめの被害者にならないためにすべきこと、また、いじめの被害者になってしまったら親としてどう対処すればいいか、考えてみたいと思います。

●子どもの出すSOSを見逃さない
「いじめの被害者になったとき、子どもの 目に覇気を感じなかったので問いかけました。自分から言えない子どもが多いので、『わが子は大丈夫』じゃなく、基本的に信じるべきですが、疑うべきでもあります」(徳島県 40代男性)

「何でも話しやすいように小言はぐっと我慢して、子どもの学校の話を聞いてます。子どもも自分からいじめの話をしたくないんですよね。ふさぎ込んでたり、変なテンションだったりしないか、いつも気にかけます」(東京都 40代女性)


●子どもに寄り添い守ってあげる
「いじめまでとは言わないけれど、仲良くしていた子とギクシャクしていた。大切にしていたお友だちだったので、メンタルが心配でしたが、 できるだけ寄り添って話を聞いてあげました」(岩手県 40代女性)

「息子が幼稚園の頃、毎日のように意地悪されていた。幼稚園も学校も、先生がいるとは言え、大人の目が届きにくい子どもたちだけの社会。自分の子どもの声を拾い、 子どもを守るのは自分しかいないのだと親は認識すべきでしょうね」(東京都 50代女性)


●子どもを見守る


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「息子が一度いじめられてると話してきました。びっくりしましたが、本人は『 自分で解決する!』と勇気ある一言。息子には『どうしてもうまくいかないときは相談してね』と伝えました。今では人の気持ちをくみとれる優しい息子になっています」(石川県 40代女性)


●相手や学校に相談して連携する


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「深刻なからかいではなくふざけ合いの延長みたいな感じでしたが、どうしても許せないことは、話を聞いた上で相手の子に話をしました。学校の先生には恵まれたので、よく相談もして、 学校、家庭、本人の連携で問題は乗り切っていたと思います」(山梨県 50代女性)


●学校をやめることも視野に入れる
「いじめられている友だちを助けて娘が標的に。下駄箱の上履きに画びょう、クラスに机がない、物がなくなるなど散々でした…。その後、 学校を転校しました」(千葉県 50代女性)


ここまで、子どものいじめについて、加害者、被害者どちらにもならないための方法について考えてきました。最後にこのようなコメントも紹介したいと思います。

「いじめに関わらない人間なんていないと思うんです。見て見ぬふりもいじめだと思います。いじめられてつらい思いをしても、今度はいじめる側。大人になってもいじめはなくなりません。もっと 相手を思いやる気持ちを持たないといけないですよね」(福島県 40代女性)

「いじめがニュースになる度に、子どもに『あなたはどう?』と いじめについての話し合いをして『傍観者になるな』って言っています」(茨城県 40代女性)



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もしかしたら、「傍観者になる」人たちが一番多いのかもしれませんね。いじめられるのが怖くて、見て見ぬふりをしてしまうということは、親の私たちにも身に覚えがある人は多いでしょう。いじめていた子が、次の日にはいじめられる側になるかもしれない。どんなときにも、 「相手を思いやる気持ち」が必要だと感じます。

「あなたは大切な存在」と親が子どもに伝え、子ども自身もそう思えたら、自分のことも相手のことも大切にしていこうという気持ちが芽生えるのかもしれません。そのことだけは、できる限り親から子どもに、言葉だけではなく行動でも示していきたいなと思います。

「大人になってもいじめはある」というコメントも多く目にしました。実際に、いじめ問題は子どものものだけでなく、大人間でも問題となることがたびたびあります。親である自分たちが、お手本となれるように、相手に思いやりを持ち、普段から「いじめは絶対にしてはいけないことだ」と行動で示していきたいものですね。


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Q.子どもがいじめに巻き込まれたことある?

アンケート回答数:5222件
ウーマンエキサイト×まちcomi調べ


(高村由佳)

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