育児に正解はあるの? 「理想のお母さん」になれない自分がつらい…
Woman.excite / 2019年10月8日 20時0分
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あなたが理想とするのは、どんなお母さんですか?
家事も仕事も完璧で、おしゃれな家に住み、子どもとはいつもニコニコ接し、夫とは恋人同士のように仲良く…。
「理想は理想、自分にはとても無理…」と思いつつも、こうなりたいという気持ちと現実とのギャップが少しつらくなる時もあるでしょう。
「理想のお母さん像」は、どうしてママたちを追い詰めてしまうのでしょうか?
■どうして「理想のお母さん」を目指してしまうのか?
厚生労働省が発表した2018年の人口動態統計によると、1人の女性が生涯に出産する子どもの数にあたる合計特殊出生率は1.42と、前年から0.01ポイント下がっています。
その数字が語るように、今は昔と違い、子どもの数は1人か2人の家庭が多く、多くても4〜5人でしょう。そのため、お母さんは育児の経験値があまり積めず、「失敗してはならない」という思いが強くなるのではないでしょうか。
さらに、お母さんは子どもを守ろうとする保護本能が強まっているうえ、子どもの教育や習い事、しつけなども考えて実行していかなければいけません。
そうすると、「こうでなければならない」という子育ての理想、お母さんの理想像を作り上げてしまうのでしょう。
そういう時、私はあえてネットの情報にたくさん触れることをおすすめしています。ネットには、相反する情報がいっぱい氾濫しているからです。
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例えば、離乳食はなるべく早く始めた方がいいという意見もあれば、食物アレルギー予防のためになるべく遅くした方がいいという意見もあります。英語学習も、早期教育がいいという説もあれば、ある程度日本語ができるようになってから始めた方がいいという説も。
そうすると、育児には絶対の正解がないと実感できますよね。自分の正解が、ほかの人の正解とは限らないのです。
例えば、東京なら私立小学校への入学はそれほど特別ではないけれど、地方では公立が主流ですよね。生育環境や住んでいる場所、タイミングが違えば、育児に対しての考え方や常識も違って当たり前。
結局、育児はその子にとっての正解しかないし、そのお母さんにとっての正解しかないことがわかるわけです。正解は人それぞれですから、違うからといって自分が間違っていると不安になることはありません。
もし、自分が「理想のお母さん」を追い求めすぎていると感じた時は、あえてネットの情報に触れてさまざまな意見に耳を傾けてみませんか。
■ほかの人の目、ほかの人の言葉が気になったら?
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例えば、「母乳じゃないの?」と義理のお母さんから聞かれたとしましょう。そこで「母乳で育てられないのは母親失格?」と落ち込む必要はありません。
母乳で育てるのが義母の常識であって、あなたの常識ではないだけ。義母も間違っていませんし、あなたも間違っていません。「この人の正解はそれなのね」と受け止めるだけで、気にすることはありません。
そう言われたなかで、自分が「いいな」と感じたものは取り入れればいいですし、ちょっと違うと思ったものは取り入れなければいい、無理と感じたら無理と言えばいいのです。
判断ポイントは、取り入れてみて「うれしい」と思うか「え?」と思うか。「あの人が言ったから」とか「世間ではそうだから」という理由でやらなければいけないと思った時点で、それはあなたや子どもの「正解」ではないでしょう。
育児に関しては、快感か不快かで判断していいと思います。それは一人ひとり違うものですし、自分に当てはまるものもあれば、そうではないものもあります。
そこは、子どもやママ中心で考えていいでしょう。自分がいいなと思ったものだけやって、違和感を覚えたらやめればいいのです。
■夫から「理想のお母さん」を押し付けられたら?
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あなたの理想と夫の理想が違った場合は、快・不快で判断するのは難しいでしょう。一緒に育児を担う2人ですから話し合わなくてはいけません。
ほかの人でしたら「そうですね〜」と流せるところでも、夫には「私は違うことを考えているから、どうしようか?」と話す必要があります。
できれば、長い時間子どもと過ごす、面倒を見る方に合わせるのがベストですが、お互いが自分の理想を主張して平行線のままの場合、どうすればいいのでしょうか?
例えば、自分は必要ないと思っている習い事を、夫がやらせたいと言い始めたら? 「その時だけ、あなたがサポートして」と頼めばいいのです。そうやって妥協点を見つけてはいかがでしょうか。
男性の場合、「じゃあ、やってよ」と言うと、大抵やらないですよね(笑)。妻が折れてサポートしてくれるのが前提で「やらせたい」と言っているからでしょう。
でも、口を出すのに手は貸さないというのはおかしいですよね。ですから、「俺はできないよ」と言われたら、「じゃあ、あきらめるしかないね」でいいと思います。
夫とは、話し合える関係、理解し合える関係がまず大切。でも、話し合う余地もなく、育児は何もやらないのに「理想のお母さん像」を押し付けてくる夫も少なからずいます。その場合は、「丸投げ」がおすすめ。
例えば、夫は娘を小学校から女子校に通わせたいけれど、あなたは地元の公立小で十分と思っている場合。「私は公立小でいいと思っているけど、あなたがそう考えるなら検討してみるから、どこの学校がこの子にとってどのようにいいのか調べて教えて」と丸投げするのです。
そこで夫が動かないなら、彼の理想はその程度なのです。「自分以外の人がお膳立てしてくれるなら」の理想であって、本気でやりたいことではないということでしょう。
■「理想のお母さん」は存在しない
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誰にでも共通するような「育児の正解」はありません。あなたと子どもの正解は、ほかの親子の正解ではありませんし、その逆もしかり。
育児に正解がないのであれば、みんなが同じ理想を目指さなくてもいいのではないでしょうか。「理想のお母さん」も存在しないといえるでしょう。
ほかの人の意見を参考にするのはいいけれど、必ずしも同じようにする必要はありません。育児の正解や常識は人それぞれで、親子の数だけあります。
もし、「理想のお母さん」像に押しつぶされそうになったら、相手の言うことが絶対だとは思わないこと。なぜなら、ほかの人はあなたの子どもの成長に責任をとってくれるわけではないのだから。
まずは自分の子どもをよく観察し、あわせて自分の現状を鑑みてベストと思われる方法を選べばいいでしょう。
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自分と我が子にとって正解があるとしたら、次の2つ。
・「あなたが大事」というメッセージをお母さんが子どもに伝えられること
仕事が忙しくて家事がうまく回っていなかったり、ほかのお母さんと比べて「できていないな」と思うことがあったりしても、最優先すべきは上の2つ。
もし、ほかの人から何か言われてモヤモヤするのであれば、それは相手の主張が少し正解だと感じているからかもしれません。でも、それは自分ではできないと感じている…。
それもまた事実であって正解だと認めることです。ほかの人と自分は別の人間だから、正解もまた別。「できない」と思ってやらないことも、あなた自身にとって正解で、ほかの人と違っていいのです。
それが、あなたと子どもの正解ですから。
(佐藤栄子)
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