【医師監修】セックスで出血! 排卵日なら妊娠? それとも病気?

Woman.excite / 2019年10月29日 21時0分

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パートナーとのセックス中に突然の出血! 楽しいセックスだったはずが体のことが気になって、それどころではなくなってしまいますね。行為の最中で出血があった場合、どのようなことが考えられるでしょうか。詳しくみていきましょう。


【監修】
成城松村クリニック院長 松村圭子先生


婦人科専門医。1995年広島大学医学部卒業、同年広島大学付属病院産婦人科学教室入局。2010年、成城松村クリニックを開院。女性の「体の健康」「心の健康」のために、一般の婦人科診療だけではなく女性のあらゆる面をトータルにケア。講演、執筆、TV出演など幅広く活動。

著書に、『女30代からのなんだかわからない体の不調を治す本』(東京書店)、『医者が教える女性のための最強の食事術』(青春出版社)など多数。



■セックスでの出血=不正出血
セックス中の出血は不正出血と考えられます。月経以外の出血には必ず原因があります。そのなかには、あまり心配のないものから、病気によるものまでさまざまです。

▼不正出血とは


不正出血は病気やホルモンの異常など、月経ではないのに性器から出血することをいいます。新しい血液は赤い色をしていますが、古い血液は茶色っぽく見えます。わずかな血液は黄色のように見えることもあります。

ほんの少量の出血だとしても、何かの病気のサインかもしれません。見逃すことなく、チェックしておくことが大切です。不正出血があったときは、病院で検査することをおすすめします。

参考サイト:日本産科婦人科学会「不正出血」



・茶色のおりものも不正出血?


おりものは腟(ちつ)や子宮から出る分泌物ですが、通常は半透明から白、またはクリーム色をしています。もし茶色っぽい、または黒っぽいおりものが出た場合は不正出血と考えます。

▼セックスで出血する原因


では、セックス中に出血した場合、原因は何が考えられるでしょうか。まず、その行為中に性器を傷つけてしまったケース。

例えば手指を使った女性器の愛撫行為は気をつけなければなりません。パートナーは良かれと思って行ったとしても、「手マンで出血」など困りもの。強い摩擦を加えてしまえば、誤って女性器を傷つけてしまうこともあるでしょう。

また、セックス後に出血するケース。これは、何かの病気による可能性も考えられます。例えば、不正出血を伴う病気の中で20~30代の女性に最も多く見られる「子宮腟部びらん」のように子宮の入り口がただれている場合、性交の刺激で出血することもあるでしょう。

また、「子宮頸がん」のように、不正出血は重大な病気のサインのこともあるため、注意しなければなりません。

■セックス後の出血と妊娠の可能性


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▼セックス後の排卵日に出血したら…


セックス後の排卵日に出血したケースはどうでしょうか。排卵日とは、卵巣のなかで成熟した卵胞から卵子が飛び出してくる「排卵」が起きる日のことです。

排卵日の前後はおなかが痛くなるような「排卵痛」が起こることもあります。そして、排卵痛のみではなく、少量の出血を伴うことがあるのです。

これは排卵期に女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が一時的に少なくなることが原因と考えられています。

排卵日の出血は生理的なもののため、過度な心配はいらないかもしれません。しかし、出血が長引いてしまった場合などは排卵出血ではない可能性もあります。

出血が1週間続く、または月経くらいの量が出る、などの場合は注意が必要です。排卵痛が強かったり、排卵出血が毎月あったりする場合も、一度産婦人科に相談したほうがいいでしょう。

ちなみに、排卵日から1週間後の少量の出血は、「着床出血(月経様出血)」かもしれません。これは、受精卵が子宮内膜に着床するときに起こるもので、「妊娠」の可能性があります。赤い血が月経のように出たり、茶色っぽいものがおりものにまじって少量出たりと個人によってさまざまです。

■不正出血があった場合に疑われる病気


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では、不正出血があった場合に疑われる病気はどのようなものでしょうか。主に考えられる6つをみていきましょう。

1.子宮腟部びらん


子宮腟部びらんは子宮の入り口が赤くただれている状態です。病的なものではないため心配いりません。

女性ホルモンが活発なときに多くみられるため、性成熟期の女性ではめずらしくないでしょう。不正出血やおりものが増える場合がありますが、治療しなくてもよい場合がほとんどです。

参考サイト:日本産婦人科医会「『子宮腟部びらん』とはどのようなものですか。」



2.腟炎


腟炎(ちつえん)は腟が炎症を起こす病気です。種類は複数あります。
・細菌性腟症
大腸菌やブドウ球菌、溶連菌などによって炎症をおこします。かゆみや発赤、おりものが多くなったり、色が灰白色や黄緑色になったりします。

・カンジタ腟炎
カンジタは真菌の一種で体内にいる菌ですが、抵抗力が弱まっていたり、ホルモンバランスが崩れたりすると増殖して炎症を起こします。おりものがカッテージチーズのような形状になります。

・クラミジア感染症
クラミジア・トラコマチスという微生物によって発症する感染症です。3~4週間ほどの潜伏期間のあと、子宮頚管炎などを引き起こし、おりものが増えたり不正出血がみられることがあります。

・トリコモナス腟炎
トリコモナス原虫が寄生して炎症を起こします。黄色いおりものが増えて、悪臭がします。排尿時やセックスのときに外陰部が痛むこともあります。






3.子宮筋腫




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子宮筋腫は30代女性の約20~30%に見られると言われる良性の腫瘍です。がんとは違いますが、月経痛や過多月経、腰痛などの症状があり、筋腫が子宮内腔に向かって発育する「粘膜下筋腫」の場合は不正出血が起こることがあります。

治療が必要かどうかは、できた場所や個々の症状によって変わります。妊娠しにくくなったり、流産しやすくなったりする場合があるため、注意が必要です。

4.子宮頸がん


子宮頸がんは性交や性交後に出血をすることがあります。初期ではほとんど自覚症状がないですが、進行すると性交時に関わらず不正出血の量が増えて、悪臭のある茶色いおりものなどが出ます。早期発見するためには、定期的に子宮頸がん検診を受けることが大切です

この病気はセックスのときに感染する「ヒトパピローマウイルス」が原因とされています。性交渉の経験がある人は誰でもかかる可能性がある病気です。


5.子宮頸管ポリープ


良性の腫瘍で、子宮頸管の細胞の一部が増殖して起こります。大きさは3mmから1cm程度で、痛みはないのですが、出血しやすくなります。

ポリープががん化することはありませんが、まれにポリープではなくて悪性腫瘍の場合があるため、必要があれば切除し、病理診断をすることが必要です。


6.卵巣機能不全


卵巣機能不全とは、卵巣が正常に機能しなくなり、月経不順や無排卵、無月経など、いろいろな障害を招いてしまう状態です。

思春期から中年女性まで幅広い年齢で発症します。原因としては、過度のダイエットや激しい運動、精神的なストレス、身体的ストレス、過食、拒食などが考えられます。

また、卵巣ガンなどの病気やガン治療、甲状腺機能異常、一部の薬剤服用でも卵巣機能不全を引き起こす場合があります。


■おかしいな、と思ったら病院へ


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月経時以外に起こる不正出血の原因は、今回紹介してきたようにさまざまです。

例えば、排卵日から一週間ほどたっての出血は、妊娠の可能性もあるでしょう。しかし、不正出血が体の不調のサインだったり、見逃せないような病気のしるしであったりします。きちんと検査をして、原因を知っておくほうが自分も安心して生活できますよね。

少量でも不正出血があり、不安を感じたなら放置しないことが大切です。近所の行きやすい産婦人科で良いので、必ず受診をするようにしましょう。

参考資料
日本産科婦人科学会
日本産婦人科医会





(斉藤カオリ)

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