【医師監修】妊娠33週の胎児やママの様子やこの時期の特徴とは
Woman.excite / 2019年10月29日 20時0分
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妊娠や出産は人それぞれとわかってはいても、やはり気になってしまうもの。それはきっと胎児が大きくなることで、妊娠33週ごろのママの体や心にはさまざまな変化が訪れるからでしょう。
ここでは、妊娠33週という時期がどのような状態なのかを知って不安を解消するとともに、出産に備えて準備をはじめましょう。
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成城松村クリニック院長 松村圭子先生
婦人科専門医。1995年広島大学医学部卒業、同年広島大学付属病院産婦人科学教室入局。2010年、成城松村クリニックを開院。女性の「体の健康」「心の健康」のために、一般の婦人科診療だけではなく女性のあらゆる面をトータルにケア。講演、執筆、TV出演など幅広く活動。
著書に、『女30代からのなんだかわからない体の不調を治す本』(東京書店)、『医者が教える女性のための最強の食事術』(青春出版社)など多数。
■妊娠33週の胎児の様子
▼赤ちゃんの成長度合い
33週ごろの胎児は、生まれたあとの生活のために準備中。おなかの中で羊水を飲んでは排泄し、生まれてから母乳を飲んでおしっこをするための練習をしています。正期産(妊娠37週~41週)前とはいえ妊娠33週の胎児はおなかの外の環境でも生きていけるほどに成長しています。
妊娠33週の胎児の体重は、1,509gから2,451g。平均1,980gです。おなかの中の赤ちゃんは直接体重を測ることができないことから、体の一部から体重や体の大きさを推定します。そのため、推定胎児体重には少なくとも±10%程度の誤差が出ることも。
体重の重い・軽いや、体が大きい・小さいは気になるところですが、妊婦健診で赤ちゃんの体重が増えているのなら、少しずつでもきちんと大きくなっている証拠。焦らずに過ごしましょう。
参考サイト:
日本産婦人科学会「胎児計測と胎児発育曲線について」
日本産婦人科学会「推定胎児体重と胎児発育曲線」保健指導マニュアル
▼未熟児無呼吸発作になる可能性が減る時期
出産予定日より4週以上早く赤ちゃんが生まれると、体の機能が未熟である場合も。2,500g未満の体重で生まれた低出生体重児は医療ケアが必要です。
低出生体重児には病気になったりトラブルが起こる可能性もあり、そのひとつに呼吸が止まり心拍数が低下してしまう未熟児無呼吸発作という症状があります。
これは32週以下で生まれた赤ちゃんに多く見られるもので、呼吸中枢が未熟なために起こるもの。33週に入った胎児は外の世界に適応できるほどに成長しているので、未熟児無呼吸発作になる可能性が低くなると考えられています。
▼五感が発達する
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視覚や聴覚、触覚、味覚、嗅覚がしっかりと発達するのも33週ごろ。外からの刺激に対して、感情を表情で表すこともあるのだとか。ママやパパの声を聞いて反応してくれるかもしれませんね。
おなかの中にいても光を感じることもでき、目を閉じたり開いたりと、光の強弱にあわせて反応します。33週ごろの胎児の瞳にはまだ色素が沈着していないので、たとえ日本人のパパとママの子どもであってもブルーなんですよ。
■妊娠33週のママの様子
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▼ママの変化
妊娠33週に入るとさらに子宮が大きくなり、みぞおちのあたりにまで上がってきます。胃が圧迫されて胃もたれや胸やけを感じることも。
出産に合わせて赤ちゃんの位置が下がるまでもう少しの辛抱です。食事がとりづらくなったら、1日の食事量はそのままに、回数を4~7回に増やしてみましょう。
食事を少しずつとることで、食べ物の逆流を防ぎ、胸やけしづらくなります。血糖値の上昇もゆるやかになり、便秘になりにくいというメリットもありますよ。
▼尿もれや頻尿が出てくるかも
大きくなった子宮が腸や膀胱を圧迫。そのせいで便秘や頻尿、尿もれといったマイナートラブルに見舞われることも。あまり尿がたまっていないのに、トイレに行きたいと感じることもしばしばでしょう。
しかし、尿がさほど出ないことがわかるとトイレに行くのを控えたくもなりますが、がまんして膀胱炎になると大変です。尿意を感じたらトイレに行きましょう。
また、頻尿だからと水分を控えるのは考えものです。尿の色が濃いときは水分不足の可能性が。こまめな水分補給が大切です。
33週になると尿もれを経験する妊婦さんも多いようです。市販の尿もれシートやパッドを使って対応しましょう。下着が濡れたときの不快さを軽減してくれるだけではなく、消臭機能もあるので安心ですよ。
▼手根管症候群にも要注意
人差し指や中指から始まり、最終的には親指や薬指までもがしびれたり痛くなる手根管症候群。原因は不明なのですが、妊娠中に経験する女性が多いため、女性ホルモンの乱れから起こるむくみが原因ではないかと考えられています。そのためか、出産を終えたら自然と治ることが多いそうです。
手を振ったり、指の曲げ伸ばしをすると痛みが楽になることも。重いものを扱うときは両手で持ったり、パソコンを使うときは手首の下に丸めたタオルなどを敷いて手首をまっすぐに保ったりと工夫すると楽に過ごせます。
また、スマホの使い過ぎにも気をつけたいところ。がまんできないほどの痛みであれば整形外科を受診しましょう。
参考サイト:
日本整形外科学会「手根管症候群」
しまだ病院「手根管症候群のリハビリテーョン」
▼胎動が激しく感じられる人も
33週ごろになると、出産に向けて赤ちゃんの頭が下になります。そのため、胃や胸のあたりを蹴られることが増え、これまでとは種類の違う激しい胎動を感じることも。
この時期を過ぎると赤ちゃんの頭が骨盤に入るため、胎動を感じる回数が少なくなる人もいます。ときには痛みを感じるほど激しい胎動もありますが、このときだけのことですから思う存分胎動を味わっておきたいものですね。
▼前駆陣痛でおなかが痛くなり始める
そろそろ出産のことが気になってくる時期。ときどきおなかが痛くなってドキリとすることもあるでしょう。でも、軽い痛みで間隔が不規則であれば、それは前駆陣痛かもしれません。いざ出産! という陣痛とはまた別のもので、一時的なものです。
▼万一破水してしまったら…
陣痛が始まり、子宮口が開いてから破水するのが一般的ですが、ときには「前期破水」といって陣痛が来る前に破水することも。
破水したあとは細菌感染のおそれや陣痛が起こることがあります。破水に気がついたら、すぐに病院に連絡するのが鉄則です。入浴はせずに、ナプキンをあてて病院へ向かいましょう。
■妊娠33週になったらやっておきたいこと
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▼そろそろ入院準備を始めましょう
前駆陣痛でおなかが痛くなると、いよいよ出産が迫ってきたと感じますね。いつ陣痛が始まってもいいように、33週のうちに入院時に持っていく荷物をそろえておきましょう。
臨月になってからの外出は問題ないとはいえ、外出先で陣痛が始まったらと思うと不安になる人もいることでしょう。病院でもらった持ち物リストを確認し、足りないものがあれば早めに準備しておいたほうが安心です。
▼入院中の生活についてパパと相談しよう
病院にはどの荷物を持っていくのか、陣痛が起きたらどこに連絡するのかなど、パパにお願いしたいことは前もって伝えておきましょう。
また、入院にかかわることだけではなく、ごみ出しの曜日やルール、日用品のストック場所など、ママにとっては当たり前のことでも、パパにはわからないことも…。出産後は安静が必要なので、パパに家事をお願いすることもあるでしょう。練習をかねて、いっしょに家事をしてみるといいかもしれませんね。
▼適度な運動やマッサージをしよう
出産は体力勝負! 分娩にかかる平均時間は初産婦で12~15時間ともいわれます。出産を乗り切るためにも、今のうちに体力づくりをしておきましょう。
33週ともなればおなかも重くなるため、足がつったり、つけ根が痛んだり、むくんだりと足に不調が生じることもあります。そんなときはふくらはぎの下から上に向けてマッサージを。足首を回したり、お風呂につかって血行をよくしましょう。
また、妊娠中の運動は簡単にできるウォーキングがおすすめです。お財布やスマートフォンに加え、いざというときのために母子手帳や健康保険証、病院の診察券も忘れずに持って出かけてくださいね。
■まとめ
おなかが大きくなると、横になっていてもつらいもの。「早く産んで楽になりたい!」なんて思うことだってあるかもしれませんね。
でも、33週ともなれば、おなかの赤ちゃんといっしょに過ごすのもあとわずかです。正しい知識を身につけることで不安やマイナートラブルを取り除き、残りわずかなマタニティライフを楽しんでくださいね。
参考資料
・日本産婦人科学会
・日本整形外科学会
・『おなかの中を可視化する! はじめての妊娠&出産』(大泉書店)監修者 竹内正人
・『はじめてママの「からだとこころの悩み」お助けBOOK』(世界文化社) 監修者 竹内正人
(河野能子)
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