【医師監修】よだれはいつから出る? 垂れる理由と要注意なケース
Woman.excite / 2019年11月21日 21時0分
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慣れない子育て中は、小さなことでも気になってしまうのがママというもの。赤ちゃんがよだれを垂らすのはごく自然なことですが、それでもよだれの量が多かったり、反対に少なくて心配になることもあるでしょう。
赤ちゃんのよだれはなぜ垂れるのか、そしてよだれが出る時期や量について知り、不安を解消しましょう。
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赤坂ファミリークリニック院長 伊藤明子 先生
小児科医師、公衆衛生専門医、同時通訳者。東京外国語大学イタリア語学科卒業。帝京大学医学部卒業、東京大学医学部附属病院小児科入局。東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻修了。同大学院医学系研究科公衆衛生学/健康医療政策学教室客員研究員。2017年より赤坂ファミリークリニック院長、NPO法人Healthy Children, Healthy Lives代表理事。
著書・共著に『小児科医がすすめる最高の子育て食』など。テレビ番組「林修の今でしょ!講座」などに出演中。二児の母。
■赤ちゃんのよだれはいつから出る?
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赤ちゃんのよだれが出始める時期と原因
実は、赤ちゃんのよだれは生まれた直後から多く出ているわけではありません。赤ちゃんの唾液腺が発達するのは生後4~5カ月ごろ。それに伴って、生後5~6カ月ごろになると唾液の量がぐんと増えるのです。
しかし、唾液腺が発達したからといっても、唾液を飲み込む力はまだまだ未熟。そのため、飲み込めなかった唾液がよだれとなって出てくるのです。
逆に、よだれが少なくても心配することはありません。よだれの少ない赤ちゃんは上手に唾液を飲み込んでいる証拠。よだれが多くても、2歳を過ぎる子どもになると自然に止まるので安心してくださいね。
ただし、6歳近くになってもよだれの量が多い場合は何か原因がありそうです。医療機関で相談しましょう。
参考サイト:日本歯科医学会「小児の口腔機能発達評価マニュアル」
よだれかけはいつから使える?
最近では、よだれかけというほかに「スタイ」として売られていたり、呼んだりします。よだれかけのことを英語でスタイというのかと思いきや、実はそうではないようです。よだれは英語で「drool(ドゥルール)」、よだれかけは英語で「bib(ビブ)」といいます。
スタイは英語ではなく、もともと商品の名前だったそうなのです。この呼び方が一般的に普及し、今や多くのママがよだれかけといわずにスタイと呼んでいます。ひょっとしたら、今の子どもたちが大人になるころには、また呼び名が変わっているかもしれませんね。
さて、スタイこと、よだれかけはいつから使えるのでしょうか。
よだれの量が増える生後5~6カ月ごろに活躍するのはもちろんですが、よだれかけは新生児期にも便利なアイテムです。生まれたての赤ちゃんはよだれの量が少なくても、母乳やミルクをはき戻すことが多いもの。よだれかけをつけていれば、洋服がぬれるのを防げます。
授乳のたびにぬれた洋服を着替えさせるよりも、よだれかけだけを取り換えるほうが手間が省けます。1日に何度か交換することを考えて、多めに用意しておくとよさそうです。
また、窒息事故を防ぐためにも、赤ちゃんが寝ているときにはよだれかけを外し、近くに置かないようにしましょう。
参考サイト:厚生労働省「睡眠中の赤ちゃんの死亡を減らしましょう」
大人でもよだれは出る
おいしそうな料理を見て「よだれが垂れる」とは言いますが、実際に料理を目の前にしてよだれを垂らす大人はいませんよね。でも、朝目覚めたときに枕をよだれでぬらしていた経験ならあるかもしれません。
よだれは赤ちゃんだけではなく、大人だって出るもの。しかし、大人は唾液を飲み込む力はもちろん、口のまわりの筋肉も発達しているので、普段はよだれとして垂れてくることはありません。それが寝ている間に口呼吸になっていると口もとが緩み、大人でもよだれが出るというわけです。
■よだれが垂れる理由
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よだれの役割とは
むだなもののようにも思えるよだれですが、実はちゃんとした役割を持っています。
唾液には消化酵素が含まれており、食べ物の消化を助けてくれます。よだれが出始めたら離乳食を始めるサインといわれているのは、このことから。母乳やミルク以外の食べ物を体に取り込み、消化できるほど成長したということです。
また、細菌から守ってくれる役割もあります。口から入ってくる細菌やウイルスの繁殖を抑えてくれるのです。さらに、風邪をはじめとする病原菌だけではなく、食べかすを洗い流してくれるので虫歯からも守ってくれます。
よだれが出る理由
よだれが出るのは、赤ちゃんの飲み込む力が発達していないから。これは自然なことなので、よだれが多いからといって病気を疑ったり心配する必要はありません。
ただし、よだれが急に増えたときには、飲み込む力が未発達であるほかに理由があるかもしれません。
例えば、溶連菌をはじめとする病気で喉に痛みがあったり、手足口病で口の中に発疹ができていたり、口内炎があったりすると、いつもよりよだれがうまく飲み込めないこともあります。
急によだれが多くなったと感じたら、口の中をチェックしてみましょう。
■どんなよだれは注意が必要?
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よだれでかぶれてしまう
赤ちゃんがよだれを出すのは自然なこと。しかし、よだれを垂らしたままにしておくのは赤ちゃんのためによくありません。口のまわりがぬれたままだったり、よだれでぬれたスタイや洋服を長時間身につけていると、湿疹(しっしん)が出たりかぶれてしまうことも。
授乳や離乳食のあとにはぬれたタオルでよだれや汚れをきれいに拭き取って。肌荒れが気になるようであれば、ワセリンを塗ってケアしてあげましょう。
変なニオイがするよだれ
食べもののカスを洗い流したり、酸を中和したりと、よだれには口の中を清潔に保つ役割があります。唾液の分泌量が少ないと、これらの働きがうまく機能せずドライマウスになってしまうことが。
ドライマウスになると、口の中には嫌なニオイが漂い、それがよだれとなって出てくるのです。ドライマウスを解消するために、十分な水分を与えましょう。
赤ちゃんなら泡立っていても大丈夫
泡立ったよだれを見ると、口から泡を吹いて倒れるなんてシーンが思い出されてヒヤリとするかもしれませんね。でも、赤ちゃんのよだれに関しては泡立っていても心配ありません。
赤ちゃんは唾液を飲み込む力が未発達であるだけでなく、口の周りの筋力もまだまだ未熟。よだれを垂らしながら口を動かしていると、泡立ったよだれが出てくることがあるのです。唇をふるわせて遊んでいるときにも、よだれが泡立つこともあります。
筋力が発達するにつれ、泡をふいたようなよだれはだんだん減ってきます。
よだれが出ないのも注意が必要
よだれが出ないのは、赤ちゃんがよだれを上手に飲み込んでいる証拠。多くの場合は心配ありません。
しかし、水分不足になっている可能性も捨てきれません。いつもは出ているよだれが少ないなと感じたら、赤ちゃんの口の中を指で触って湿り具合をチェックしてみて。口の中が乾いているようなら水分が不足している疑いがあります。
また、泣いたときに涙が出ているか、おしっこの回数や量がいつもと比べて減ってはいないかも水分不足の判断材料になりますよ。
睡眠中のよだれは口呼吸になっている可能性も
口呼吸をする哺乳動物は1歳以降の人間だけだと知っていましたか? このことから、寝ている間によだれが垂れるのは、赤ちゃんよりも子どもや大人のほうが多いかもしれませんね。
横向きやうつぶせ寝をしていると鼻で呼吸がしづらくなり、どうしても口呼吸になりがち。すると、緩んだ口元からよだれが出てくるというわけです。寝ている間の口呼吸を防ぐには、仰向けで寝ること。さらに、枕は限りなく水平に近い高さ1cmのものがおすすめです。
■まとめ
よだれは赤ちゃんの健康を守るために必要で、赤ちゃんの成長を知ることができるもの。よだれの量が多いからといって、心配することはありません。
よだれで洋服をぬらしたりと、ときにはお世話が大変なときもありますが、負担を減らすためによだれかけを活用しましょう。単なるよだれ対策としてではなく、よだれかけをファッション感覚で取り入れると育児の楽しみがまたひとつ増えそうです。
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