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【医師監修】妊婦に必要な水分はどのくらい? おすすめの飲料は?

Woman.excite / 2019年11月25日 17時0分

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妊娠中は母体とおなかの赤ちゃんのために、バランスの良い食事を心がけている人も多いことでしょう。でも、それだけでは不十分。水分補給も意識することが大事だと言われています。

その理由は? 飲むときの理想的なタイミングなどもまとめて理解しておきましょう。


【監修】
イシハラクリニック副院長 石原新菜先生


小学校は2年生までスイスで過ごし、その後、高校卒業まで静岡県伊東市で育つ。2000年4月帝京大学医学部に入学。2006年3月卒業、同大学病院で2年間の研修医を経て、現在父、石原結實のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。クリニックでの診察の他、わかりやすい医学解説と、親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。

著書に、13万部を超えるベストセラーとなった『病気にならない蒸し生姜健康法』(アスコム健康BOOKS)をはじめ、『「体を温める」と子どもは病気にならない』(PHP研究所)等30冊を数える。


■妊婦は水分補給が大切と言われる4つの理由
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人は体の半分が水分でできています。妊婦はさらにおなかの中にもう一つの命を宿っているのですから、水分がいかに必要か納得できますね。水分が大切と言われる代表的な理由は下記のとおりです。

理由1:羊水にも水分が必要だから


子宮の中の羊水には、赤ちゃんの成長を促し、赤ちゃんの体を衝撃から守る役割があります。この大切な羊水は、水分が不足すると足りなくなる原因になります。羊水が足りなくなると、赤ちゃんと子宮が触れてしまい大変危険なので、水分はこまめにとる必要があります。

理由2:血液をサラサラにするから


水分が不足すると、血液がドロドロになり、血栓ができやすくなります。また、赤ちゃんに必要な栄養や酸素は、血液を通して送られるのですが、血液がドロドロでは、十分な量を送ることができません。しっかり水分をとることで、サラサラで健康的な血液を、母体とおなかの中の赤ちゃんに送ることができるのです。

理由3:新陳代謝が活発になるから


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© naka- stock.adobe.com


妊娠すると体温の高い状態が続くうえに、新陳代謝が活発になり、汗がかきやすくなります。つまり意識していないと脱水症状を引き起こす可能性がありますから、常に水分補給を心がける必要があります。

理由4:便秘を予防できるから


特に妊娠初期は、つわりによって運動不足になりがち。またホルモンの影響なども起因して、妊婦さんは便秘に悩むこともしばしば。便秘は肌トラブルや、場合によっては痔(ぢ)を引き起こす可能性もあるので、水分不足は避けましょう。

■妊婦は水分補給のために何をどのくらい飲んだらいい?
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© Stanislaw Mikulski- stock.adobe.com


母体のためにも、おなかの中の小さな命のためにも、水分がいかに必要なのかがわかりました。でも、1日にどれくらい飲むのがベストなのでしょうか? 早速ご紹介です。

1日1.5〜2.5リットルは水分をとりましょう


成人女性が必要とする1日の水分量は1〜1.5リットル。妊婦さんはさらに多く、1日1.5〜2.5リットルを目安にします。大量の水分をがぶ飲みするよりも、ちょこちょこと、こまめにとるのが理想的な飲み方です。

おすすめはノンカフェインの飲料


ジュースやコーヒー、お茶など、さまざまな“水分”がありますが、妊婦さんには体に負担のかからない、麦茶やほうじ茶などのノンカフェイン飲料がベストです。

また、妊娠中は体を冷やさないためにも、常温か温かい飲み物を選ぶようにしましょう。とくに夏場などは冷たいものを飲みたくなりますが、なるべく常温のものを口にするように心がけて。

水ももちろんOK!


ノンカフェイン飲料のほかにおすすめなのが水です。水は体に吸収されやすく、またカフェインなどの余分なものが入っていないので、安心して飲むことができます。

ただ、つわりがひどい時は、水などの水分をとるのもつらい場合がありますが、このようなときは氷のかけらをなめるのも手。少量ずつではありますが、水分補給につながります。

▼水は軟水と硬水、どっちがいいの?


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水を飲む際、市販のミネラルウォーターを選ぶ人もいると思いますが、ミネラルウォーターは大きく分けて「軟水」と「硬水」の2つがあります。見た目は同じ水ですが、成分が異なるため、妊婦さんは目的に合わせて選ぶ必要があります。
軟水……日本の天然水のほとんどが該当。飲みやすく、内臓への負担も少ないので、日常的に飲むならこちらがおすすめ。
硬水……ヨーローッパの水の多くが該当。ミネラル分が多いのが特徴で、しっかりとした口当たり。腸をほどよく刺激してくれるので、便秘が気になるときや、リフレッシュしたいときに◎。1日にコップ1杯が目安。


︎▼ウォーターサーバーは使っていいの?


「水道水は心配だし、かといって市販のミネラルウォーターをいちいち買うのも面倒」と思っている人には、ウォーターサーバーという選択肢もあります。

ウォーターサーバーには各メーカーの厳しい水質検査をクリアした安全性の高い水が使われているため、妊婦さんはもちろん、赤ちゃんが生まれた後も安心して使うことができます。

また、おなかの大きい妊婦さんにとっては、スーパーでペットボトルを購入するのも一苦労。そんなとき、自宅まで届けてくれるウォーターサーバーは頼もしい存在です。






■妊婦が水分補給する時に気をつけたほうがいいこと

妊娠したら、水分をたっぷりとればOKというわけでもありません。体に刺激の少ない飲み物を、適切なタイミングでとることで、母体にも、おなかの赤ちゃんにも好影響を与えるのです。

ポイント1: アルコールはNG。カフェインも量に気をつけて!


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妊娠が発覚したら、まず避けるべきはアルコールです。ビールやワインなどのアルコール類は、赤ちゃんの成長や発達に影響を及ぼす危険性があるので、飲まないのが鉄則。同様の理由で、カフェインにも注意が必要です。

世界保健機構(WHO)では、1日に摂取するカフェインの量は300mg(コーヒーの場合2〜3杯)を上限としています。ただ、この300mgという数字はあくまでも目安であって、個人差があります。

おなかの中の小さな命のことを考えて、なるべく少量で楽しむようにしましょう。ちなみに、カフェインを多く含む飲み物には、コーヒー、紅茶、ココア、緑茶、ウーロン茶、コーラ、栄養ドリンクなどがあります。

参考サイト:
食品安全委員会「食品中のカフェイン」
厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~」



ポイント2: 水分はとりすぎても大丈夫


前述のとおり、妊婦さんは1日に1.5〜2.5リットルの水分をとるのが理想ですが、この量よりとりすぎても問題はありません。逆に、むくみを気にして水分を控える人がいますが、「むくみ=水分のとりすぎ」というわけではないので、勘違いしないように。

ずばり、むくみの原因は塩分のとり過ぎです。むくみ予防に控えるべきは塩分であって、水分はしっかりとるようにしましょう。

ポイント3: 飲むタイミングも大事!


ただ、やみくもに水分をとればいいわけではありません。就寝前や入浴後など、適切なタイミングで水分を摂取することで、効率よく体内に吸収させることができるのです。ポイントは以下の4つ。

1)就寝前・起床後すぐ


睡眠中は皮膚や呼吸をとおして水分が失われ、血液中のミネラル濃度も高くなります。水分不足とミネラル濃度の上昇を防ぐためにも、就寝前と朝起きてすぐにコップ1杯程度の水を飲みましょう。

2)食事前後


食事前後に大量の水分をとると、胃酸が薄まり、消化不良などを起こす恐れがありますので、食前なら30分前までに、食後は3時間後ぐらいにそれぞれコップ1杯程度を飲むようにしましょう。

3)入浴前後


お風呂に入ると、体温の上昇で発汗し、体内の水分が蒸発します。入浴前後にもしっかり水分をとって、体内の水分不足を防ぎましょう。

4)気付いた時にこまめに飲む


普段何気なく生活していると、水分の摂取も忘れがちに。1〜3のタイミング以外にも、意識してこまめに水分をとることが大事です。
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© igor_kell- stock.adobe.com


妊娠後期に水を飲むだけで太る時は、飲まなくていの?


妊娠後期に入ると、ますます太りやすくなり、なかには水を飲んだだけでも体重が増える人も。太りたくないあまりに水分を控える妊婦さんがいますが、これは大きな間違いです。

水分は母体にもおなかの赤ちゃんにとっても大切な存在。こまめな水分補給は徹底しましょう。その代わり、普段の食事内容を見直したり、軽い運動を取り入れるなど、別の手段で過度な体重増加を防ぐのが賢明といえます。

■まとめ
妊娠生活を健やかに過ごすためにも、また大事なおなかの赤ちゃんのためにも、水分はとても大切なのですね。水分補給の方法は超シンプル! 水やノンカフェイン飲料を日々意識して飲むだけでOKなのです。

ぜひ今から実践してみてはいかがでしょう。

参考資料:
食品安全委員会
厚生労働省
・『はじめての妊娠・出産 安心百科』(主婦と生活社)監修 杉本充弘、木戸道子
・『初めての妊娠・出産』(ベネッセコーポレーション)監修 笹森幸文
・『すべてがわかる妊娠と出産の本』(アスペクト)監修



文/長谷部美佐



(ライターチーム123)

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