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子どもを伸ばすママたちがやっていること【ボーク重子の親子で幸せになる最強ルール 第2回】

Woman.excite / 2020年1月8日 8時0分

子どもを伸ばすママたちがやっていること【ボーク重子の親子で幸せになる最強ルール 第2回】


© yamasan- stock.adobe.com


「子どもにはやりたいことを見つけてほしい!」と考えているママ自身が、なかなかやりたいことが見つけられなかったり、時間がなくて諦めたり……ということは珍しくないですよね。

「誰かのために」「社会のために」という、外向きのエネルギーに子どもを向けるために、親が意識して声がけするといいと話すボーク重子さん。そんなボークさんに、ママの生き方についてお話を伺います。

『子どもの「やりたいこと」の見つけ方」』の続きです。


■ママが打ち込む姿が子どもの非認知能力を伸ばす


© taka- stock.adobe.com


――子どもには本当にやりたいことを見つけてほしい。そう考えるママ自身、なかなか自分のやりたいことができずにいることも多いです。そうした現状をどう見ておられますか?

ボーク重子さん(以下、ボークさん):子どもの非認知能力を育む秘密兵器は、「ママがやりたいことを見つけて、取り組むこと」なんですね。

「何かやりたいことを見つけなさい」と言うよりも、身近にいる大人がどう生きているかを見せることが、子どもたちにとって一番のロールモデルになります。

私は、母親が「子どものお世話をする人」から、「子どもを導く存在」に変わっていくべきだと考えています。ママ自身が、子育てをしながらでも、自分のやりたいことを諦めずに両立させている、その姿こそが子どもたちにとって最高のお手本となるからです。

――子どもに見せるのは、具体的にどのような姿がいいのでしょうか。

ボークさん:かっこいい姿だけじゃなくて、失敗をたくさん見せてあげてください。ママは失敗もするけどその度に立ち上がっている、失敗なんてどうってことないと気づかせてあげることができます。

私は、子どものお手本になるのは、かっこいい正しい人のことではなくて、自分自身の成長過程を見せられる人だと考えています。そのためにも、ママがやりたいことを見つけて、取り組んでいる姿というのは、子どもにとても大きな影響を与えると思います。


「自分がやりたいことは、朝起きて『今日もがんばるぞ』って思えるような小さなことでいいんです。仕事はやりたいことではなくても、そのおかげでほかにやりたいことができていると思えると、そこにも意義が見いだせますよ」(ボーク重子さん)


■母親としての「罪悪感」との付き合い方

――ただ、子育てに家事に仕事にと、ママたちのやることは多くて、自分の時間が持つことに対して罪悪感を抱く人も少なくないと思います。

ボークさん:どうしても「完璧な母親」のイメージにとらわれて、家事も育児も、そしてさらに仕事まで「完璧にやらなくては」と、自分を追い込んでしまうお母さんは多いですよね。

でも、子どもは「ダメなママでこめんね」と悲しげなママより、「ママは今日もがんばったよ!」と話す笑顔のママといる方が幸せなはずです。ママ自身が自分の人生を広く探し求めることが、子どもを導くロールモデルとして、おおいに役出つということを踏まえると、罪悪感を持つ必要はまったくありません!

――忙しい日々の中でどうやって自分の時間を作ればいいのでしょうか。

ボークさん:家事が完璧にできていることってどれだけ重要なのでしょう。

たとえば誰かが靴下を丸めたまま洗濯カゴに出していたら、そのまま洗ってそのまま干せばいい。自分が重要だと思わないのなら別にしなくてもいいんです。

「ToDoリスト」ではなく「いたしませんリスト」を作って、やらなくていいことは徹底的にやらない。そうすると、自分の心に余裕ができます。

あとは、「ママは行方不明」の時間を作るのもオススメです。たった15分でもいいので、「これからママは行方不明なので、自分のことは自分でやってください」と家族に言うんです。最初は文句を言われるかもしれないけれど、続けるうちにきっと慣れてきますから。




■何をしたいか忘れてしまったママたちへ


© One- stock.adobe.com


――「何をしたいのか」。あらためて問われると難しく感じるのですが、どのような観点で見つけていけばいいのでしょうか。

ボークさん:私は、“楽しいパッション(情熱を持てること)”とは、結局は自分と社会とのつながりだと思うんです。

自己満足で終わる内容も、悪くはないですが、家族がいるのに「一人でホールケーキを全部食べちゃう」ようなものですよね。家族や友だちと分けたら、自分の取り分は減るけれど、幸せは何倍にもなります。

自分のやりたいことで、だれか1人でもいいので、役に立つとか、幸せにできていると思えたときに、自分自身の幸福度も高まると思います。人生100年という長い時間を、楽しく過ごすためには重要な考え方だと思います。

――なかには、「子育てこそが私のやりたいことだ」というママもいると思いますが、それではダメなのでしょうか?

ボークさん:もちろん、「子育てが私のパッションだ」というのは、素晴らしいことですし、それも大いにありです。ただ、子どもは高校を卒業すると、ほとんどの場合、巣立っていってしまうんですね。だからこそ家庭の中という内向きの視点に自分と社会の接点というもう一つの視点を取り入れることが大切だと思います。

私自身50代で、ちょうど周りも子どもが巣立ち始めたのですが、「自分の人生これからだ! 」という人と、「何をすればいいのか…」という人との二つのグループに分かれてしまっている。何が二つを分けたかと考えてみると、「自分の人生を止めたか、止めていないか」なんです。

専業主婦をしていても、意識を変えることで社会とのつながりを保つことができるでしょう。たとえば、自分の好きなパンを作って、それをご近所さんに配ること、それも社会とのつながりなんですよね。

――母親という役割だけではなく、「自分自身がどんな人間か」という視点が大切なんですね。

ボークさん:そうですね、「子どもを育てている」だけでは、その人がどんな人間かはわかりません。何に関心を持ち、どんなことを考えているのか。やりたいことは何か楽しいと思うことは何か、そうしたことを聞いて、初めてその人に対する興味がわいてきますよね。

母親としての役割には、責任が非常に重くのしかかってきますが、大切なのは、自分はどんな風に生きたいのか、何のために生きるのか、ということを忘れないことかもしれません。

■十分に頑張っている自分をほめてあげる


© blanche- stock.adobe.com


――今、がんばっているママたちにメッセージをいただけますか。

ボークさん:今の時代は本当に過渡期で、女性の生き方も多様化しているし、教育改革も動いています。そんななか、ママたちは仕事もして家事もして子育てもして、大変なことも悩みも多いことと思います。

そうした時代であったとしても、心に余裕を持って生きることはとても大切です。そのためにも、自分ができなかったことではなく、できたことを思い出して、毎日自分をほめてあげてほしい。そして、自分を見つめる時間もぜひ作ってほしいと思います。

その子の子育てはたった1回しかないし、自分の人生もたった1回しかないからこそ、心の何処かに余裕を持って楽しんで欲しいなと思います。

――ありがとうございました。

ここまで、ボーク重子さんにママの生き方についてお話を聞きました。子どもに対して親自身が、何か打ち込めるものを見つけて取り組む姿を見せることに大きな意味がある、それを思うとママ自身もがんばる力がわいてきそうですよね。

ママのタスクは多く、その中で自分のやりたいことが何か見つけて、実践するのは簡単ではありませんが、自分自身の人生についても、ぜひ考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

■今回お話を伺ったボーク重子さんのご著書
『「パッション」の見つけ方: 「人生100年ずっと幸せ」の最強ルール』


(ボーク重子/小学館 ¥1,400(税抜))

ボーク重子(ぼーく しげこ)さん


作家、ICF会員。米・ワシントンDC在住。2004年、アジア現代アートギャラリーをオープン、2006年、ワシントニアン誌上でオバマ前大統領(当時は上院議員)と共に「ワシントンの美しい25人」のひとりとして紹介される。2017年、一人娘であるスカイが「全米最優秀女子高生コンクール」で優勝、多くのメディアに取り上げられた。現在は、日米で講演・執筆活動中。著書に『世界最高の子育て』(ダイヤモンド社)、『「非認知能力」の育て方』(小学館)のほか、近著に『「パッション」の見つけ方: 「人生100年ずっと幸せ」の最強ルール』がある。
Instagram:@shigekobork


(高村由佳)

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