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【医師監修】子どもの便秘、受診の目安は? トイトレが便秘の原因になる場合も【子どもの「病気・けが」教えて!ドクター 第2回】

Woman.excite / 2020年3月17日 14時0分

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出典:『マンガでわかる!子どもの病気・おうちケアはじめてBOOK』


何日もうんちが出なくて、子どもがつらそうにしていると、心配になってしまいますよね。おうちでどんなケアをしてあげられるのかわからないというパパやママも多いのではないでしょうか。

なかなか病院には行きづらく、聞きづらい「子どもの便秘」。今回は便秘の予防法や対処法について書籍『マンガでわかる!子どもの病気・おうちケアはじめてBOOK』からご紹介します。

■赤ちゃんも便秘になる?受診の目安とは

便秘とは、排便の回数や排便の量が少ない状態のこと。排便が週2回以下(3~4日に1回というお医者さんもいます)、排便時の肛門の痛みやいきみが強い、などの症状があります。

生後数ヶ月以内の赤ちゃんの時期には、便を出す力が弱かったり、踏んばり方が上手でなくて便が出にくいこともあります。必要な量の栄養が少ないために排便回数が少ないこともあります。便の回数が減っていても機嫌がよく、おなかが張らずに体重増加も順調であれば問題はありません。ただ、1週間以上の頑固な便秘を繰り返す場合には、生まれつきの病気が隠れている可能性もあるため、病院でご相談ください。


▼受診の目安:診療時間内に受診


便秘が気になる場合には、診療時間内に受診をお勧めします。早めに受診し、治療を始めることで、予後を改善することができます。

病院に連れて行くかどうか迷ったら、次の項目に当てはまるかどうか確認しましょう。当てはまる場合には受診をお勧めします。

●食欲がなく、食事量(母乳やミルクも含め)が減っている
●腹痛やおう吐などの症状がある
●1週間以上の頑固な便秘を繰り返す
●排便痛があるために排便を我慢してしまう
●排便時に出血する


■子どもの便秘はどうやって防げばいいの?

普段から便秘になりやすい子の場合、予防を心がけましょう。効果的なのは、食生活の改善です。

食生活についてのポイントは、食物繊維が多い食品をたくさんとること。食物繊維は、消化できないため、便の量を増やし、腸の中で水分を含んで便を柔らかくする便通改善効果があります。

▼食物繊維の多い食べ物




出典:『マンガでわかる!子どもの病気・おうちケアはじめてBOOK』



●緑黄色野菜(ホウレンソウ、ニンジン、カボチャなど)
●イモ類(サツマイモ、ジャガイモなど)
●豆類(納豆、きなこなど)
●海藻(ワカメ、寒天など)

ただ便が詰まった状態で食物繊維を含む食べ物だけ増やすと、腹痛がひどくなることがありますので、治療中の場合には医師と相談しながら進めましょう。


■便秘の治療、どうやって進めるの?

もしも便秘になってしまったら、病院では次のような治療を受けることができます。

▼便秘の治療



1、つまった便の除去(下剤の内服、肛門からの浣腸、座薬など)
2、維持療法(食事療法と薬物療法)

ところで、排便習慣を確立する過程で行う「トイレトレーニング」ですが、トイレトレーニングを始めたことをきっかけに便秘になってしまう子も少なくありません。トイレトレーニングの中で嫌なことやつらいことに出会うと、トイレに行くこと自体を嫌がるようになり、排便を我慢して便秘になってしまうという場合もあるのです。

一方、トイレトレーニングを始める前にすでに便秘がある場合、まずは便秘を治療してからトレーニングに入ることになります。

トイレトレーニングを始める際は、次のポイントに注意しましょう。

▼トイレトレーニングのポイント



●保護者の精神的・時間的なゆとりのある時期に行う
座った状態で足が安定するよう、必要ならフットサポートを置く
●排便できなくても座っていられた努力にご褒美
早寝早起きして登園、登校前にトイレに座る習慣をつけられると効果的
●まずは1日数回、5~10分トイレに座る練習から

トイレトレーニングを行う際には、失敗しても怒らないことが重要です。場合によっては「しかられるから便をしない」方向にいってしまうこともあるため、保護者がゆとりを持てる時期に始めましょう。

そして、排便ができなかったとしても、トイレに座っていられたという努力に対して、特別なおもちゃやシールや塗り絵などのご褒美をあげましょう。

食後の腸の動きは朝食後がもっとも活発なので、登園・登校前にトイレに座る習慣をつけるのがいいですが、朝は時間がなくて余裕がない場合には、夜でも大丈夫です。



■【赤ちゃん、子どもの便秘】教えてドクターQ&A

最後に、「教えて!ドクタープロジェクト」に便秘にまつわる心配事について、聞いてみました!

――毎日うんちが出ていないけど、とっても元気。これって便秘ですか?

便秘とは便が腸にたまって出にくく、排便が週に2回以下のことを指します(3日以上出ない、とするお医者さんもいます)。

排便に苦痛を伴うことも多いですが、案外けろっとしていることも少なくないです。ただ、1週間以上出ない状況が何度も続くと、「便秘の悪循環」というサイクルに陥ることがあります。



イラスト:江村康子


これは
1、便が腸に長く停滞し、水分が吸収されてより硬くなる
2、排便時に肛門の痛みを伴いやすくなる
3、排便を避け、さらに便が硬くなる
4、常に腸に便がたまると、直腸に便があっても便意を感じにくくなる
5、さらに便秘がひどくなる

というサイクルです。便秘治療の目的はこの悪循環を解消することです。気になった場合には一度医療機関でご相談ください。

――綿棒浣腸の加減がわからず、出血させてしまいました。病院に行った方がいいですか?

とくに乳児期には、まだいきみ方がよくわからず、便を出すのが難しいことがあります。このようなときには綿棒浣腸でサポートしてあげると出やすくなるといわれています。

一方で小児の便秘に関するガイドライン(*)では綿棒浣腸の効果について、医学的根拠による裏付けはないとされています。ただ日本の現場ではよく行われており、私たちもお勧めすることはあります。ときどき質問のように傷をつけてしまう場合もありますので、その場合は一度病院でご相談ください。

――保育園や学校に行きだして便秘がちに。放っておくとどうなってしまうの?

便秘になりやすい時期は、主に3度あると言われています。

1、離乳食の時期
2、トイレトレーニングの時期
3、入園や入学で自宅外での排便が必要になる時期

人前でトイレに行くのが億劫になるのはよくあることです。「たかが便秘」と思われがちですが、便秘を放っておくと、先ほど述べたような「便秘の悪循環」に陥ってしまうリスクがありますので、便秘が気になったら、一度日中に医療機関でご相談ください。

※本連載で紹介する情報は、2020年2月25日時点のものです。


*日本小児栄養消化器肝臓学会,日本小児消化管機能研究会(編):小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン、診断と治療社,東京,2013


『マンガでわかる!子どもの病気・おうちケアはじめてBOOK』


(佐久医師会 教えて!ドクタープロジェクトチーム/KADOKAWA ¥1,430)
赤ちゃん・子どもの病気、ケガ、事故…突然の「どうしよう」この1冊があれば安心!
病院に行く?  行かない? こういう時は様子を見ても大丈夫など、子どもの体の心配ごと、 マンガと解説でわかります。突然起こる子どもの病気、ケガで不安になるときに、親が慌てずに対処するための常備本。



●「教えて!ドクタープロジェクトチーム」とは?

長野県佐久医師会・佐久市による、子どもの病気、ホームケア、地域の子育て支援情報などを発信するプロジェクトチーム。地域の子育て力向上事業としてだけでなく、SNS発信により「医師による確実な情報」を、リアルタイムで全国に発信している。
公式HP:教えて!ドクタープロジェクトチーム



(高村由佳)

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