【素材別】煮沸消毒の正しいやり方・注意点!瓶からプラスチック・布まで
Woman.excite / 2020年9月13日 11時0分
目に見えない外敵・細菌やウイルスが知らず知らずのうちに家のいたるところに潜んでいるなんて、考えただけでもゾッとしますよね。「煮沸消毒」は、特別な器具も使わず、家庭でできる安全かつ経済的な昔ながらの消毒方法です。効果や手順などの正しい知識を身につけて、これからの時代をタフに生き抜いていきましょう!!
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■煮沸消毒は必要なの?
ジャムやピクルスなど自家製の保存食は、長期保存するための添加物が入っていません。そのこと自体は、健康的でたいへんよいのですが、自家製の保存食をただ洗っただけの瓶で保存した場合、瓶に付着していた雑菌が増殖してしまう可能性があります。
免疫力の低い赤ちゃんや抵抗力の落ちたお年寄りは、食中毒を起こすと症状が重くなるケースも多いです。すべての細菌やウイルスをなくすのは並大抵のことではありません。しかし、そんな危険から家族を少しでも守るためにも、家庭で手軽にできることからはじめてみるのはいかがでしょうか。
・煮沸消毒とは
煮沸消毒とは、対象のものをお湯でグラグラと煮て熱のチカラを使って消毒する方法です。必要なものは、煮るための鍋や消毒したものを取り出すためのトングくらいなので、ご家庭でも簡単にできる消毒方法といえるでしょう。
自家製の保存食を入れる容器には強い消毒液は使いたくないですし、赤ちゃんやペットなどがいるご家庭ではアルコールで除菌も難しいですよね。そんなときに役に立つ消毒方法です。
・煮沸消毒の効果
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あらゆるすべての菌が殺菌できるというわけではありませんが、食中毒やノロウイルスなどの一般的な菌には効果があります。私たちの健康を脅かすほとんどの菌は、100℃以上の熱に耐えることができません。水は沸騰すると100℃になるので、沸騰したお湯の中である一定時間煮沸すれば消毒できるということですね!
・熱湯消毒との違い
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一般的には、80℃以上のお湯に10分以上浸けることを煮沸消毒といい、80℃以上のお湯を10秒以上直接かけることを熱湯消毒と呼びます。どちらも熱のちからで消毒する方法です。
ですが、熱湯消毒は煮沸消毒より熱にさらされる時間が短いぶんその効果も薄いので、鍋に入る大きさのものは煮沸消毒がおすすめです。
・煮沸消毒に最適な時間や温度は?
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前述のとおり、煮沸消毒とは、80℃以上のお湯に10分以上浸けることを指します。
鍋に消毒したいものとそれがしっかり浸かるくらいの水を入れ、火にかけ、沸騰後約5分そのままぐらぐらと煮て、自然乾燥させれば消毒完了です。
より高い温度で長い時間消毒した方が効果が得られそうですが、そのぶん素材に負担をかけてしまいます。まず、耐熱温度が100℃以上であることが絶対条件ですが、それでも長い時間熱にさらしてしまうと思わぬ変形を起こすことがあるので時間は守りましょう。
■煮沸消毒をする際の注意点
素材によっては熱に弱いものもあるので注意が必要です。また、汚れがついたままだったり、煮沸消毒後の乾燥が不十分だったりすると効果が半減してしまうので気をつけましょう。
そして、熱湯を使うので、くれぐれも火傷には注意してください。
・耐熱温度表示のチェック
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煮沸消毒は水を沸騰させて行うので、耐熱温度表示が100℃以下の素材でできているものはこの方法では消毒できません。耐熱温度表示が100℃を超えているかどうか必ず確認してください。
また、耐熱温度表示が100℃を超えたガラス製品なども、冷えた状態のものをいきなりお湯に入れてしまうと、急激な温度変化によりヒビが入ってしまったり、最悪割れてしまったりする可能性があります。煮沸消毒するときは、火にかけるまえに鍋に入れて、常温の水から煮るようにしましょう。
哺乳瓶などに使われているプラスチック製品も耐熱温度さえクリアしていれば、煮沸消毒できます。しかし、「ポリカーボネート樹脂」が含まれているプラスチック製品は、熱によって人体に害を及ぼす物質が出るので、煮沸消毒には向いていません。
布に関しては、素材が綿か麻のものに限ります。
・中性洗剤で洗ってから行う
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中性洗剤というのは、ふつうの食器洗剤や洗濯洗剤などのことです。煮沸消毒するまえに、まずしっかり洗剤で洗って汚れを落としてください。汚れが残ったままだと、消毒効果が薄れてしまいます。
・素材別に入れる時間を変える
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熱による変形が心配されるプラスチック製品などは、耐熱表示が100℃を超えてたとしても沸騰後5分くらいで様子をみるようにしましょう。また、小さな素材も注意が必要です。
・しっかり乾燥させる
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水が残ったままだと、またそこから菌が繁殖してしまったり、カビが生える原因になってしまったりします。また、ふきんやタオルを使って拭いてしまうと、そこから菌が付着してしまう可能性があるので、しっかりと自然乾燥させることがポイントです。
■煮沸消毒のやり方~素材別~
煮沸消毒をするには、大きな鍋とトングが必要です。逆にいえばこれだけでできます。特別な薬剤は必要ありません。素材別に気を付けるべき点があるので、方法とともにご紹介します。
・耐熱性のプラスチック製品
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- まず、食器用洗剤でしっかり洗います。パーツが分かれるものはこの時点で分解しましょう。
- 鍋にプラスチック製品を入れ、完全に浸る量の水を注ぎます。
- 火にかけて沸騰させましょう。沸騰後、5分程度様子をみながらぐつぐつ煮てください。
- 時間が経ったら、火をとめてトングなどを使って取り出しましょう。
- 清潔な場所で十分に乾燥させます。
プラスチック製品は、熱が加わりすぎると変形のおそれもあるので、様子を見ながら行ってください。
・瓶・哺乳瓶などのガラス製品
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- まず、食器用洗剤でしっかり洗います。
- 鍋の底にふきんなどの布を敷いてから、ガラス製品を入れ、完全に浸る量の水を注ぎます。
- 火にかけて沸騰させましょう。沸騰後、5分程度ぐつぐつ煮てください。
- 時間が経ったら、火をとめてトングなどを使って取り出しましょう。
- 清潔な場所で十分に乾燥させます。
鍋にあらかじめ布を敷いておくのは、ガラス製品が鍋とぶつかって割れてしまうのを防ぐためです。もし、複数個のガラス製品を一度に煮沸消毒する場合は、1つ1つ布に包むとより安全です。
・ふきん・タオル・マスク・スニーカーなどの布製品
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- まず、ふだんどおり洗剤で洗います。
- 鍋に布製品を入れ、しっかりと浸る量の水を注ぎます。
- 火にかけて沸騰させましょう。沸騰後、ときどきかき混ぜながら2〜3分程度ぐつぐつ煮てください。
- 時間が経ったら、火をとめてトングか菜箸などを使って取り出しましょう。もし、難しい場合は鍋ごと下ろして、水を入れて冷まします。
- 風通しのいい場所で十分に陰干ししましょう。
水1Lに対して大さじ1程度の重曹を入れると洗浄効果が高まるので、臭いや汚れがひどい場合におすすめです。乾いたあとにアイロンをかければ、さらなる殺菌効果が望めます。
スニーカーなどは乾きにくいので、乾かすときには中に新聞紙を詰めるなど乾きやすいように工夫をしましょう。
・包丁・アクセサリーなどの金属製品
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- 金属製品を入れ、完全に浸る量の水を注ぎます。
- 火にかけて沸騰させましょう。沸騰後、5分程度ぐつぐつ煮てください。
- 時間が経ったら、火をとめてトングなどを使って取り出しましょう。
- 清潔な場所で十分に乾燥させます。
包丁やカトラリー 、陶器、磁器などの食器類の煮沸消毒が可能です。瓶と同じく鍋の底に布をあらかじめ敷いておくと、割れや欠けを防いでくれます。
イヤリングやピアスなどアクセサリー小物を煮沸消毒する場合、小さな洗濯ネットに入れておくと、安心です。
・鍋などの調理器具に煮沸消毒は必要?
結論からいえば、煮沸消毒に使う鍋の内側は、常に高温にさらされているため、特別な煮沸消毒は本来必要ありません。しかし、鍋自体が油などで汚れていては汚れを広げてしまうので、まず洗剤を使ってきちんときれいにしておくことが絶対条件です。
トングや金属のザル、ピーラーなどはときどき煮沸消毒してもいいでしょう。
■煮沸消毒が出来ないものはどうすべき?
熱に弱い素材のものは、煮沸消毒には向きません。また、鍋に入りきらないような大物も無理です。なので、そういったものを消毒したい場合は、ほかの方法を試してみましょう。
・煮沸消毒が出来ないもの
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- 耐熱性のないガラス製品
- 耐熱性のないプラスチック製品
- ナイロンやポリエステルの布製品
- 漆や木製品
- 革製品
これらの製品は、基本的に煮沸消毒できません。
プラスチック製品や漆や木製品は、ものによって煮沸消毒できるものとできないものがあるので、事前にその製品を調べておきましょう。
・『アルコールスプレー』を使う
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梅を漬けたり、梅酒を作ったりするための瓶は、大きすぎて鍋には入りませんよね。そんなときは、「アルコールスプレー」を使って消毒もできます。
- まず、食器用洗剤でしっかり洗います。パーツが分かれるものはこの時点で分解しましょう。
- 清潔な場所で十分に乾燥させます。
- 消毒用のアルコールを瓶の内側に吹きかけ、清潔なふきんで拭きます。
アルコールスプレーで消毒するときは、事前に手ををひじまでしっかり石けんで洗っておきましょう。
また、乾きが不十分なままアルコールを吹きかけても効果が半減してしまうので、しっかり乾いたことを確認してから、消毒を行ってください。
・『漂白剤』を使う
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加熱が不向きな普通のガラス製品や漆、まな板などは、漂白剤を使って消毒ができます。漂白剤を使っての消毒は、煮沸消毒より効果がある場合があります。
- まず、しっかり洗って汚れを落とします。
- タライなどに規定どおりに希釈した消毒液(おおよそ0.02%溶液)を作りましょう。
- 消毒液に10分以上浸します。
- さいごに水洗いをして、清潔な場所で十分に乾燥させます。
使う漂白剤によって濃度や浸す時間が異なる場合もあるので、事前にしっかり確認してから行いましょう。また、布製品などは、色落ちする可能性もあるので気をつけてください。そして、混ぜると有毒ガスが発生するおそれのある酸性洗剤とは絶対に混ぜないように注意です!
■家族みんなで助け合おう!
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菌やウイルスは目に見えないぶん、気になりだすとキリがありませんね。しかも、それを家族の誰かひとりが請け負うのも荷が重すぎます。煮沸消毒なら、難しくないので、方法を共有して家族で分担して行ってもいいですね! 正しい知識を持って、日々の安全な暮らしを守りましょう。
《参考》
・「福岡市西区の公式ホームページ」より「食品衛生だより(PDF)」
(AYA)
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