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見知らぬ男が私のスカートに…幼いころ性被害に遭った私が大人にして欲しかったこと【コソダテフルな毎日 第179話】

Woman.excite / 2020年12月8日 13時0分

見知らぬ男が私のスカートに…幼いころ性被害に遭った私が大人にして欲しかったこと【コソダテフルな毎日 第179話】

※今回の内容は、具体的な描写が含まれます。トラウマやフラッシュバックの可能性がある方、不快に思われる方は閲覧をお控えください。

ザワッとするような性犯罪のニュースを見かけます。

小さな女の子が公衆トイレに連れ込まれたとか、歯の治療中に胸を触られたりとか、ニュースを目にするたびに犯人への憎悪が沸くとともに、被害に遭った女の子はさぞかし怖かっただろうな…と同情せずにはいられません。

ただその一方で、「明るみに出ているだけ凄いな」と思う気持ちも。。
表面化しているのはほんの氷山の一角で、多くの事件は被害者の胸の内に秘められているのではないかと思います。

何故かというと、私もかつてそうだったからです。

■小学生の時、知らないお兄さんに話しかけられて…

当時、小学校低学年でした。
あの日は下校後、お友達と遊ぶ約束をしていて、自転車に乗って出かけているときでした。

細い坂道の下に差し掛かった時、



向かいの細道から男の人が自転車でこっちに向かってきたのです。

低学年の私から見たら大人の男の人の年齢は正確には分からないけれど、おじさんではありませんでした。
20代ぐらいのお兄さんのように見えました。

てっきりすれ違うものかと思っていたら、お兄さんが私に声をかけていました。

「ねぇ」



「虫がついてるよ」と言ってきたのです。

…虫?? どこに??

自転車を停めて洋服を確認しましたが見当たりません。

そして男は言いました。

「取ってあげるよ。こっちへおいで」

自転車を停めて死角になっている建物の影へ連れていかれました。

どうしてこっちまで行かないといけないのかな?
7歳の頭でも違和感は覚えました。

でも、「こういう所に行かないと取れないものなのかな?」と判断がつかなかったんです。

言われるままに建物の影に移動すると、今度は優しい声で、
「ほら、ここについてるよ。取ってあげる。じっとしてて」と言いました。

そして、スカートの中に手を入れてきました。



ここでもやはりおかしいと思いました。

でも、判断がつかないんです。

大人になった今なら明らかにおかしいって分かるのですが、7歳の経験値では「そういうこともあるのかな?」って思うしか出来なくて、じっとしてるしかありませんでした。

そして手はさらに下着の中に伸びました。

痛い!

痛いし怖いし、気持ち悪いし、どうしていいかわかりません。

学校や幼稚園や、そして親からも、「怪しい人にはついて行かない」とか「危ない目に遭ったら大きな声を出しましょう」とか「キケンから身を守る方法」は聞いてきましたし、頭には入っていました。

でもこのお兄さんは全然怖そうな人じゃないし、優しそうだし、虫を取ってくれるって言うし、でも感覚的に怖いし逃げたいしどうしたらいいかわかりません。

とうとう怖くなった私は泣きだしてしまいました。



すると男は「ごめんごめん!!」と言ってそそくさと立ち去っていきました。

1人建物の影に残された私。

しばらくは男が戻ってくるのかもしれないと思ってそこから動けませんでした。

怖くて…何が起こったのかわからなくて、その場でしばらく泣いて、状況を頭の中で少し整理すると、今度は不安が襲ってきました。

「どうしよう、お母さんにバレたら怒られる…」
そう思うようになったんです。



「怪しい人にはついていかない」「危ない目に遭ったら大声で助けを呼ぼう」
そう教えられてきたのに、自分は何も出来なかった…

私がダメなんだ、私がいけないんだ。

この頃、性的な知識は一切ありませんでしたが、感覚的にこれは絶対に誰にも言っちゃいけない事だと思いました。

そして、服を整えて、何事もなかったかのようにお友達の家に遊びに行き、決して悟られないようにしました。



ふぅ…よかった。

誰にもバレずに済んだ。

怖かったけど、バレたくない。

平静を必死で装って次の日学校に行くと、思わぬ事態が起こりました。


■昨日の出来事が、学校に知られている…?
朝一番で担任の先生がみんなに呼び掛けてきたのです。

「昨日近隣の住民の方から学校に連絡がありました。昨日の午後、○○町周辺で怪しい男の人に1・2年生ぐらいの女の子が絡まれていたそうです。心当たりのある人いませんか」

すぐに私の事だと思いました。



とてもじゃないけど名乗り出る勇気はありませんでした。



親に絶対に知られたくないんだから、クラスメイトの前で知られるなんてとんでもありません。

誰も手があがらなかったので、先生は「危ない目に遭った時の対処法」を伝えて朝の会は終わりました。

・誘われてもついていかない
・大声で助けを呼ぶ
・逃げる


あああ…やっぱり私のせいだ。

私がちゃんと習った事をできなかったから、いけなかったんだ。



自分の落ち度を責める気持ちと同時に、



異変に気付いていた大人がそばにいたということに驚きました。

真っ先に思ったのは「よかった! バレてなくて…」でした。

が、一方で、



どうして大人の人は助けてくれなかったんだろう、おかしいと思っていたのにどうして追い払ってくれなかったんだろう…という気持ちも芽生えました。

結局この事は大きくなるまで誰にも言わず自分の胸にしまっておきました。

■わが子が被害に遭う前に、私が子どもに伝えておきたいこと
そして私も子の親になり、胸が痛む性犯罪のニュースを目にするたびに、表に出ないだけで私と同じような思いをしている女の子は今もきっとどこかにいるはずだと思うんです。

昔は低学年でも自転車に乗ってあちこち遊びに行っても何らおかしくない時代だったので、今とは危機管理能力がそもそも違うかもしれませんが、

被害に遭った当時の私が教えてほしかったことは

「危ない人に出会った時の対処法」ではなく、
「危ない目に遭った時に、報告してね」っていうこと。

「絶対に怒らない、あなたが悪いわけじゃない、責めたりしないから親や先生に報告してほしい」と今子どもには伝えたいです。

被害に遭った女の子たちの心境が私にはどことなくわかります。
自分がいけなかったんだと自分のせいにしてしまったり、なぜか「怒られてしまうんじゃないか」という気持ちになったり、また「大事になったらイヤだな」っていう気持ちもあります。

ただ、誰にも報告しなかったことを今とても後悔してるんです。

何故なら「私が誰かに報告していたら、同じ被害に遭う女の子を1人でも減らせたかもしれないから」。

その後、またあのお兄さんに道で会ったんですよ。
そしてまた同じように声をかけられました。

前回の事があるので顔を見ただけで氷りつきました。
そして男が言葉をかけ終わらないうちに大急ぎで逃げましたが、今思うと、かなり高い頻度で小学生が帰る時間帯にうろついて物色していたと思うんです。

被害者は絶対私1人じゃないはずです。
私が誰かに報告していたら、被害に遭う女の子が1人でも2人でも減っていたかもしれない…。

これ以上、犯人の思い通りにさせないという意味でも、私は「おかしいな…と思う事が起きたらママに報告してね」ということ、「悪い大人に絡まれても絶対にあなたは悪くない」ということを子ども達に伝えたいです。

そしてあの時「どうして誰も助けてくれないんだろう」と思っていた私と同じ思いをさせないためにも、道端で泣いている子どもを見かけた時には声をかけてあげたいし(普通に素通りする大人いっぱいいます)
少しでも「?」と異変を感じたら声をかけたいと思っています。

以上私の経験から思う「子どもを性被害から守る術」でした。
(オギャ子)

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