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学習の遅れ、学校トラブル…ママができることは?【ママのイライラは当たり前 Vol.3】

Woman.excite / 2021年4月3日 10時0分

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イラスト:koyome


■前回のあらすじ
「『良いお母さんをやろう』と思うから辛くなる。自分は、自分でいればいいんです。良いお母さんである前に、自分自身を大切にできていますか?」と問う高濱先生。

良いお母さんである前に、「あなたは人として、自分を大切にできていますか?」…そんな問い、考えたことあるママはいるでしょうか?

どうしても「良いママ像」に縛られがちなママたちに高濱先生は、「自分は、何をしている時が楽しいか?」をママには絶対考えて欲しいと話します。

■「自分は何をしている時が一番楽しいか?」を考える

――「良いお母さんであらねばならない」みたいな呪縛は強いと思います

わかります。ママ友の目だってあるだろうし、住んでいる地域によっては、お姑さんや、御近所の目がうるさいということもあるでしょう。「あのお母さん、子どもを放っているよね」みたいなね。でも、やっぱり、そこでも「人目」を気にしている…。

もう、そういう時代じゃないんですけれどね。「誰に何を言われようと気にしない」みたいな人たちの時代が来ているというか。いま、勢いがある企業のトップの方というのは、そういう人々が多いですよね。

――でも思い切るのは、なかなか難しいと思います

でもね、お母さん自身が「自分でいること」に焦点を当てられるようになりさえすれば、「何が起こっても、人生、楽しんだけどな!」みたいな感覚は得られるんです。まぁたしかに、かなり勇気が必要です。

やっぱり周りに言われちゃうから。「本当は働きたい」と思ったから、実際に働いてみたら、じつのお母さんに、「子どもがかわいそうじゃない」と言われてしまったりしてね。

――言われちゃったら、どうしたらいいんですか?

言わせておけばいいんですよ。「そういうことを言う人も、いる」ということですよね。でも一方で、働くことへの理解者や仲間もたくさんいますよね。

やっぱり、お母さん自身が、「自分は、何をしている時が楽しいか?」を考えてみることが、こんな時期だからこそ、本当に、本当に、大切なんです。

■子どものために、ママ自身が自分を楽しく生きればいい


『メシが食える大人になる! よのなかルールブック』(日本図書センター)より


――「自分は、何をしている時が楽しいか?」を考える…。それ、難しい!!

難しいけれど、ママたちには絶対に考えて欲しいんです。では、私の場合をお話ししましょうか。私の出身は熊本です。父は医者で私は長男なので、「当然、親父の後を継ぐもの」と周りは思っていたんです。

でも、私はその環境から逃れたかった。「東大だったら、文句は言われないだろう」と東京に出てきて、さきほどお話ししたとおり、本当にいろいろなことをやった挙句、「やっぱり、俺は子どもが好きだ」という結論が出たんです。

映画が好きでたくさん見ましたが、子どもが主人公の映画に5つ星をつけている自分がいる。バックパッカーをやった時も、タージマハルに行って、建物ではなく、その横にいた子どもたちと遊んだことを10ページくらいノートに書き綴っていました。

「俺は間違いなく子どもがすごい好きで、子どもと一緒にいるとワクワクするんだな」ということを自分自身で捉えることができたので、「子どものことを仕事にすれば、一生楽しめるな」と、思ったんです。

――お母さんが好きなことをしていれば、その姿を見て子どもは育つんですものね


©Monster Ztudio- stock.adobe.com


お母さん自身が輝いて生きていれば、子どもはそれが一番うれしいものなんです。お母さんが、仕事が大好きで、仕事を頑張っていれば、きっと、「私も早く働きたいな!」と思うんです。

子どもは学校で嫌なことがあったとしても、家に帰ってきてニコニコしたお母さんを見ると、「世界には、いいものがある」みたいな気持ちになるものです。嫌なことなんて、浜辺に書いた文字のように、波ですうっと消える感じですよ。


©Paylessimages - stock.adobe.com


だからこそ、お母さんたちには、好きなことを主軸に生きて欲しいのです。子どものために、自分が楽しく生きればいいんです。それが、もっとも子どもに良い影響がある「良い母親像」です。

私が「子どもを放っておけ」と言ったとしても気にかけてしまう母親が多いと思います。だったら、「今日、私、何が楽しかったかな?」ということを、まずは自分に聞いてみてあげてください。

■「今日、楽しかったこと」を子供と会話してみる


©milatas - stock.adobe.com


――そんな質問、自分にしてみたことないかもしれません

じゃあ、もう一つお伝えしておきます。自分の人生観として、最近、「確信」が出てきたことがあるので。

――どんなことでしょう?

私は、人から感謝された時が、一番いい「ポカポカ」を感じるんです。「誰かの役に立つ」ということが、人間にとってもっとも幸せだということです。そしてそれは誰にでも同じことが起こるんだ、ということを確信したんです。

2021年の前半の今は、まだ「外付けの枠組み」で生きている人も多いでしょう。でも、今こそ自分の心だけ見るべきだと思いますね。私は、社会で活躍している人たちにお会いする機会も多いですが、みなさん、そこの部分がシンプルに整理できています。

――「今日、お母さん、こんなこと楽しかったんだ」などと、子どもと会話するのはどうでしょう?

すごくいいですね。実際に、それをやっている人もいます。寝る前など、布団に入った時に、みんなで「今日、良かったこと」を言い合うみたいなね。



■コロナ渦での学習の遅れは?


©kazu - stock.adobe.com


――最後に、「コロナでの学習の遅れ」についてのご意見をお願いします

「コロナでの学習の遅れが心配」という声は、たしかにあります。けれども、コロナだっていつかは収束するでしょう。そうしたら、何だかんだと追いつきますよ。コロナの間の学習の遅れは、ちょっと「やる気」になれば取り戻せるレベルです。そんなに深刻に悩まなくても大丈夫です。

それよりも、コロナ禍だからこそ、「発見できること」がたくさんあると思うのです。夏目漱石が、「眺めて楽しむ」と言っていましたが、目の前で起こっている事象のすべてを面白がることができる気持ちが持てるかどうかが大切です。

危機の時にこそ、そういう気持ちが大切です。同じ事象でも、認知の仕方でまったく違ってきますよね。たとえば、「コップに半分水が入っている」というニュートラルな状態も、捉え方次第でまったく異なった見方になります。

コップに半分「も」水がある。コップに半分「しか」水がない


今の時期は、どうしてもネガティブな方向に気持ちが持って行かれてしまうから、ここは大人たちの頑張りどころだなと思うんです。親がガックリしていれば、子どもは不安になりますから。勉強の遅れは、コツコツやれば取り戻せます。それよりも、「今の危機にしかないこと」をキャッチして、「経験値貯金」にしておけば面白いと思います。

――オンライン授業については、どうお考えですか?

オンラインで困るのは、やっぱり低学年ですよね。私たちもやってみて、1年生までは、正直、お母さんが横にいないと厳しいかなとは思うんですよね。

低学年のお子さんがいる方には、「基盤力に絞ってください。簡単に言えば、字の練習と計算です。そこだけは、学年相応のことをやっておく。それぐらいで十分です」とお伝えしています。

字の練習と計算は反復練習なので、保護者でも対応できると思うんです。その際、多少声を荒げるようなことがあっても、大丈夫です。子どもは、お母さんたちが心配しているほど、傷つかないものです。

でも、お母さんが少し欲を出して文章題を教え始めると、危ないです。お母さんが魔物に変身して行きますからね(笑)。文章題は、(教えることの素人である)お母さんたちが指導しない方が良いエリアかもしれません。

大丈夫ですよ。たとえば1、2年生でまったく文章題をやらなくても、4年生で4年生の文章題をやるようになれば、できるようになります。「1、2年生の頃、しっかり文章題をやったから」という理由で、高学年で伸びるというものでもないんですよね。

――高濱先生にそう言っていただけると、ホッとするママもいると思います

ただ、これからの保護者は、ざっくり大きな見通しとして、「授業がオンラインになることもある」ということは、視野にいれておいた方が良いですよね。今までだってインフルエンザで学級閉鎖などはしていましたが、これからは「インフルエンザ期間は、2週間オンライン授業です」ということがあるかもしれません。そうなること前提の準備は、しておいた方が良いというのはありますね。だからといって、「学校的なもの」がなくなるということは、ないと思います。子どもは、他の子どもの声を聞きたい生き物ですからね。


いかがでしたか? 取材で高濱先生とお会いすると、「元気をいただく」という気持ちになります。なかなか難しいですが、「自分は、自分でいればいい」にトライしてみようと原稿を書きながら思いました。自分を尊重することで、子供に寄り添うといった気持ちの余裕が生まれる予感がします。

高濱先生のメッセージが、一人でも多くのママたちに届くことを心より願っています!

(楢戸ひかる)

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