子どもと一緒に楽しみながら動物愛護を学べる「いぬねこなかまフェス」を開催! ~坂本美雨さんインタビュー
Woman.excite / 2021年9月16日 11時0分
坂本美雨さんのインスタグラムより。坂本さんに甘えん坊モード全開のサバ美ちゃん。
2014年より毎年9月の動物愛護週間(9/20~26)に開催され、今回で8回目となる「いぬねこなかまフェス」。動物好きの著名人や専門家によるイベントで、犬や猫との接し方や関わり方、動物と暮らすための正しい知識を楽しく知ることができます。昨年に続き今年もオンラインで、9月21日に開催されることになりました。
株式会社ミグノンプランが主催するこのイベントに、初回から出演している坂本美雨さん。「いぬねこ うちのこ。」では毎年お話を伺っていますが、今回は最近坂本さんが考えている動物と暮らすことの素晴らしさ、一生一緒にいるための覚悟などについてお話を伺いました。
1980年生まれ。幼い頃からノラ猫たちと触れ合いながら過ごし、7歳から猫を飼いはじめる。これまで実家で飼っていた猫は4匹。10代はニューヨークで暮らし、16歳で音楽家としてデビュー。シンガーソングライターのおおはた雄一氏とのユニット「おお雨」としても活動し、ニューアルバム『birds fly』をリリースしたばかり。
音楽活動に加え、執筆活動、ナレーション、演劇など表現の幅を広げ、ラジオ番組「ディアフレンズ」(TOKYO FMほか全国ネット)のパーソナリティーも担当。児童虐待を減らすための「こどものいのちはこどものもの」の発起人の1人でもある。動物愛護活動をライフワークとし、著書『ネコの吸い方』(幻冬社)や、愛猫”サバ美”と娘との暮らしをインスタグラムで日々綴っている。
Instagram:@miu_sakamoto
Twitter:@miusakamoto
http://www.miuskmt.com
■成長した娘と、歳を重ねた愛猫のこと
昨年の「いぬねこなかまフェス」の際にお話を伺ってから、ちょうど1年。最近の娘さん(通称“なまこちゃん”)、愛猫のサバ美ちゃんは、相変わらずつかず離れずの関係のよう。
「家にいる時間が長いので、サバ美は隙あらば私の膝に乗ってきます。でも娘に近づくことはほとんどないです。
ついに先日、娘から『猫よりも犬が好き!』という発言が! 私の娘がまさかの犬派……(笑)。街中ではよく犬に近寄って行くので、動物好きなのは間違えないですけど。夫が猫アレルギーで娘は犬派。猫吸いとしては、腑に落ちないところもあります(笑)。
最近も、ミグノンのボランティアには週一で通って動物たちのお世話をしています。コロナ禍ということもあり、譲渡会を定期的にできていないのですが、最近はうさぎが増えましたね。
サバ美は推定13歳、老いを少し感じるようになりました。食も細くなったこともあり、痩せて軽くなりましたね。病院でも定期的に検査をしていて元気ですが、何をしてもすぐ食べなくなってしまうので試行錯誤中。少し寂しさを感じます。
でもサバ美は人の気持ち、言っていることがわかるような気がするというか、お互いにわかり合っている気がする瞬間もあって、穏やかさを感じます。さらにやさしくしたいと思いますね。
老猫の良さはすごくあります。私は子どもの頃に一緒に暮らしていた最初の猫は、子猫で拾ったのですが、それ以降の猫はずっと出会ったときには大人。子猫から飼ったことがほとんどないんです。
サバ美の子猫時代に出会いたかったな、サバ美の子どもも見たかったなとも思いますが、老猫との成熟した関係は本当に豊かな関係だなと思います。
猫も人間に近くなってくる。友人・太田メグさん(@megmilk5628)宅の猫、コムタンは特に人間のことをわかりすぎていてすごいなと思います。歳を重ねた犬猫の良さも伝えていきたいですね」
■動物と一生幸せに暮らすために、考えたいこと
家時間が増えたことで、動物と暮らしたいと思っている人や新しく家族を迎える人も増えているといいますが、動物と暮らす前に考えなくてはいけないことがある、と坂本さんはいいます。
「家にいる時間が増えたし、仕事の仕方もシフトしていった人が多いので、より動物と安心して暮らせる環境を整えた方も多いのではないかなと思います。世の中で何が起きていようとも、動物はただ自分の与えられた環境で最大限の幸せを味わって、存在しているだけで愛をくれるもの。大事にすればいいことしかないと思いますね。
ただ環境が整っていなかったり、ライフスタイルに合わなかったり、その場の勢いや一生幸せにする覚悟がない状態で飼いはじめる人がもしいるなら、それは考え直してほしいと思います。簡単に飼えるようになることがいいことだとは思わないですね」
一生動物と暮らすためには、いろいろなシチュエーションを想像して、準備をすることが必要だと坂本さん。
「自分が将来結婚して家族が増えるかどうか、どこに住むかなど、もちろんプラン通りにはいかないことだらけだとは思いますが、頭の中でシミュレーションしていろいろな想定はしなくてはいけないと思います。
また、自分だけではなんとかならないこと、例えば病気になってしまったときに誰か助けてくれる人はいるかどうか、預け先はあるかなど、他の人の手を借りる用意もしておかなくてはいけない。
病気になった時やいざという時のための貯金など、そういう準備も必要かなと思います。
動物のことだけではなく、例えば感染症などの病気で自分自身がもしも寝込んでしまったら、きっと周りの人に買い出しを頼まなくてはいけなかったり、精神的にも肉体的にも人の手が必要になる。子育てをしていてもそうなんですが、とにかく人に助けてもらう、コミュニティを作ることがすごく大事。動物を飼う上でも、それは大切だなと思います」
■動物の病気とも向き合い、看取るということ
また、動物の病気や看取ることについても、最近考えさせられたことがあったのだとか。
「ミュージシャンの猫沢エミさん(@necozawaemi)と仲良くさせていただいているんですが、愛猫イオちゃんは初めて会ったときから通じ合うような気持ちがする不思議な猫で。イオちゃんが私とエミさんの縁を繋いでくれたような気がします。
イオちゃんの病気が発覚して、治療をどこまでするかエミさんが病院を回って悩まれていたとき、ふいに遊びにいって幸せな午後のひとときを過ごしました。ちょうどその日にエミさんが治療に関する大事な決断を心の中でされたようで、私もその日のイオちゃんが忘れられなかったんです。
そこからはエミさんのインスタグラムで、皆さんと同じように経緯を追って毎日拝見していたのですが、イオちゃんが亡くなった日に“今日かもしれない”という予感があって連絡をしたら、やっぱりその日だったので、個人的な音楽葬のような気持ちで歌を歌って送り出したんです。
そのときに即興的に作ったのが、今回のアルバムに入っている『for IO』という曲です。
家族である猫の死ととことん向き合う友人の心の動きから、何が真実の幸せなのか、を考えさせられました。とても純粋な “愛のかたち” を見せてもらったと思います。
その“愛のかたち”が今の自分にとって信じていきたいものだったり、自分もこうであったらいいなとか、死に直面したときに自分のエゴを捨てて、その子のことを思った選択ができるかというところで、エミさんにはすごく学ばせていただきました」
■「いぬねこなかまフェス」で伝えたいこと
坂本さんが初回から参加して8回目となる「いぬねこなかまフェス」ですが、伝えたいことはずっと変わらないのだとか。
「犬や猫を迎えたいときは保護犬、保護猫。そして飼いたいけれど飼えない人はできることをする。いろいろな方法があって、楽しいんだよということを伝えたいですね。
もちろん日本は法律で大きく遅れているところもあり、法改正のことや厳しい現実を伝える必要はありますが、まずは興味を持ってもらいたい。真面目に伝える部分と楽しく伝える部分のバランスはすごく難しいですが、ミグノンのイベントはそこは絶妙だなと思います。
やっぱり『かわいそう』というだけではなかなか心は動かないし、行動しようと思えない。見たくない現実もあると思うんですよね。ミグノンの代表・友森玲子さんはいつも『動物愛護活動は趣味です』っていうんですが、私も動機として楽しいからやっているという姿勢は崩さずに続けていきたいなと思っています」
最後に「いぬねこ うちのこ。」読者の方へメッセージをいただきました。
「いぬねこなかまフェス」はいろいろな表現方法で、動物への愛を放出させるようなイベントで、個性豊かな面々が揃って出演します。
ダイバーシティという言葉も浸透してきましたが、表現方法もさまざまだし、犬猫、動物の愛し方もさまざま。それぞれの方法でいいんだなと思えるようなイベントだと思います。
去年に引き続きオンラインということで、いままでは遠方で会場に訪れることができなかった方たちにも見ていただけるし、アーカイブ(見逃し配信)視聴権も付いているので、自分の好きなタイミングで好きなところから、繰り返しご覧いただけます。たくさんの方に見ていただいて、より広く伝わるといいなと思っています。
お子さんと一緒に、大切なところを何度も見たり、楽しんでもらえたらうれしいです!
~動物愛護週間をオンラインで盛り上げよう~
いぬとねこの接し方や関わり方、動物を飼う際の正しい知識を楽しく知ってもらおうと、2014年にスタートした「いぬねこなかまフェス」。
昨年に引き続き、今年もオンライン開催。犬猫の正しい飼い方や、コロナ禍における動物との向き合い方など専門家を交えたトークイベント、坂本美雨さんをはじめ動物好きの豪華ゲストによるライブパフォーマンスを行います。
akiko/浅田美代子/黒猫同盟(コイズミキョウコ、上田ケンジ)/坂本美雨/鈴木杏/スティーヴ エトウ/清水ミチコ/椿鬼奴/冨樫春生/友森昭一/町田康/水越美奈/矢野顕子(VTR出演)/平野レミ(VTR出演)/友森玲子(主催者)ほか
チケットの売上収益は、ミグノンプランで保護している動物たちの医療費やシェルターの家賃、フードや用品代などに利用されます。
開催日:2021年9月21日(火)19:30~22:00(予定)
参加費:3,000円(税込)
※「アーカイブ(見逃し配信)視聴権」付
いぬねこなかまフェス
チケット販売ページ
(赤木真弓)
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