壊れていく母を子ども目線で描いた「母のうつ病闘病記」に読者からも体験談が届く
Woman.excite / 2022年3月11日 22時0分
![壊れていく母を子ども目線で描いた「母のうつ病闘病記」に読者からも体験談が届く](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/womanexcite/womanexcite_E1643331680249_0-small.jpg)
家族が心の病におかされ、幸せな日常が一変する様子を描いた笹川めめみさん作『母とうつと私』。壊れていく母親の姿を娘目線で描いた壮絶な内容は、読者から大きな反響を集めました。
小さなボタンのかけ違いから始まった母の異変。当たり前と思いがちな家族の幸せについてあらためて考えさせられる作品です。
■家族の運命を変えたあの日の記憶
このお話は冒頭から母親が暴れる衝撃的なシーンから始まります。
当時小学5年生だった作者のめめみさんは、いつも通り習い事を終えて、弟と帰宅。すると彼らの目に飛び込んできたのは、いつもとは違う、衝撃的な母の姿でした。
まるで悪魔に取り憑かれたように、おぞましい言葉を叫びながら暴れる母。めめみさんは恐ろしさを感じると同時に、すべてが失われていく絶望感に襲われます。
優しくて、いつも愛してくれる両親。お金にも不自由しない豊かな暮らし。
当たり前だと思っていた幸せが、ガラガラと音を立てて崩れていくのでした。
■誰も気づかなかった母のSOS
冒頭の事件を起こす以前から、すでに異常行動を繰り返していた母。異常に氷ばかりを食べる「氷食症」を発症し、その数は多い日には1日100個以上に及ぶこともあったそう。
「氷食症」は貧血やストレスが原因で起こるとされるもの。しかし母が最初出したSOSに家族の誰もが気づくことなく、症状はますます悪化の一途をたどるのでした。
氷食症を発症した母はその後、右肩の激痛で眠れなくなったり、手がこわばり自由に動かせなくなったり、さまざまな不調が一気に押し寄せます。
そこで友人に心療内科を紹介してもらい病院を受診するも…。処方された抗不安薬によって起き上がることさえままならないようになります。
■大騒動を起こした母、ついに精神病院へ
冒頭の事件の後も、母親はある妄想にとりつかれ、大騒動を引き起こします。病院から逃走を図り、ついに捕らえられた母は精神病院に入院することになるのですが…。
その姿を目撃した子どもたちには、一体何が起きているのかさえもわからない状況。深い悲しみに襲われながらも、めめみさんは「お母さんは大丈夫」と自らを奮い立たせます。
一方、母親はガラス張りの監察室に入れられ、それでも抵抗を繰り返します。
暴れた末、注射によって意識を失った母は、目を覚ますと、漠然とした不安に襲われるのでした。
「このまま私は一体どうなってしまうのだろう」
絶望感を抱えたまま、母の入院生活は始まってゆくのでした。
その後、入院生活の様子や残された家族の日常など、母親と家族がいかにしてうつ病を乗り越えていくのかが克明に描かれていきます。
■家族の心の病と向き合った読者の声
今回読者の方々からも、家族の心の病についてのさまざまな実体験が寄せられました。
・昨年、受験生だった子どもが統合失調症になりました。 毎日が地獄のようにとても辛かったです。
・夫がうつ病で何度も休職を繰り返してました。公務員なので、なんとか休業中も生活できたけど、生活を維持するために影で借金をしていて、ショックでした。
・精神疾患は本当にに家族が大変なのはわかります。子供時代は世界が狭くこの生活が当たり前だと思ってわからないけど、大人になりいろいろわかってくると、自分が普通の家庭ではなかった事に気がつく。
・息子が中3の受験期に起立性調節障害をきっかけに部活・勉強に対し挫折することが次々と重なり、睡眠障害、不登校、最終的にはネット依存(ゲーム障害)に至った。優しく明るい息子が暴言暴力を、また学年上位の成績で勉強好きだった子が、全く勉強をしなくなった。部屋に閉じこもり、話も交わさず、食事もまともにとらず、体重も減少…。(途中省略)ある新聞の記事の医師の話が息子の症状に当てはまり、嫌がる息子を無理やり連れていき診てもらった。入院をし、回復も見られたが学校へ行けず通院。しかし、病院、学校、身内の助けにより、学校に行けるようになった。 進学校であったが、勉強は全くせず学校生活を楽しむ息子に口は出さなかった。 高校3年の夏、急に「弁護士になりたいから法学部にいく」と猛勉強始めました。そして、今年の春から一人暮らしを始め大学の法学部で頑張っています。(途中省略)まさに私の息子も「悪魔に取り憑かれた様な」状態だった。 夢なら覚めてほしい、これが現実なら誰か助けて、最悪の事態を考えるまで追い込まれていたので、苦しみが凄くわかった。周りの家族も最初の頃は、がんばろう! と思っていたが、長く続くと疲弊し、少しづつ気持ちが壊れていくのが見えた。息子の場合もうつ病から始まったものだと思うので、この家族も、辛かっただろう。寄り添う家族の苦しみは果てしないものだと、共感した。
思わぬ家族の心の病により、崩れていく平穏な暮らし。しかし、うつ病を患った当事者は家族が知らない場所で思い悩み、病に至るケースも少なくありません。本作では、母親がうつ病を発症した他人事とは思えない経緯についても描かれています。
なぜ母親は心の病になったのか、そしてその病をどのように乗り越えていったのか、最後に巻き起こるどんでん返しの展開にも注目です。
気になる物語の結末は、ウーマンエキサイトに掲載されています。
(ウーマンエキサイト編集部)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「父も母も鬱病」担任教員に容姿や成績の悪さを揶揄され不登校の小3女子…40年後に"ワンオペ両親介護"の不遇
プレジデントオンライン / 2024年7月13日 10時15分
-
「母さんといることが限界だ」と涙の訴え…定年退職した父が“夫婦別居”を望んだ「切実な理由」
Finasee / 2024年7月12日 13時0分
-
「とどめ刺したのは社労士の兄」脳と心臓がやられた親4人、不登校の息子、自分も大借金…40代女性の壮絶戦記
プレジデントオンライン / 2024年6月22日 10時16分
-
【漫画】子供2人が体調を崩し、夫は激務 持病をもつ母のワンオペ育児に「共感しかない」【作者インタビュー】
マグミクス / 2024年6月20日 21時5分
-
母の日のカーネーションを見るだけでつらくなる…男にはわからない「毒母」をもった娘の苦悩
プレジデントオンライン / 2024年6月19日 7時15分
ランキング
-
1なぜ?「N-BOX」新型登場でも10%以上の販売減 好敵「スペーシア」と異なる商品力の改め方
東洋経済オンライン / 2024年7月17日 9時30分
-
2ドラマ「西園寺さん」ヒットの予感しかない3理由 「逃げ恥」「家政夫ナギサさん」に続く良作となるか
東洋経済オンライン / 2024年7月16日 20時0分
-
3第171回芥川賞は朝比奈秋さんと松永K三蔵さんがダブル受賞
産経ニュース / 2024年7月17日 18時4分
-
4「ユニクロ・GU・COSのTシャツ」全部買ってわかった“本当にコスパが高い傑作アイテム”
日刊SPA! / 2024年7月17日 18時37分
-
5イケアのモバイルバッテリーに“発火恐れ” 製造不良で一部自主回収…… 海外では事故も発生
ねとらぼ / 2024年7月17日 20時10分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)