鬼とオバケと幽霊の違いって? 妖怪がキャラクター化したのはいつ? 日本人の妖怪との付き合い方が面白い!【夫婦・子育ていまむかし Vol.7】
Woman.excite / 2022年10月31日 16時0分
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ウーマンエキサイトをご覧の皆さん、こんにちは。tomekkoです。
子どもがいると、けっこうオバケや妖怪の話が話題になりませんか?
「早く寝ないと鬼が来るよ〜」
「夜トイレいくの、オバケに遭いそうで怖い〜」
「幽霊が脅かしに来るんじゃない?」
鬼、オバケ、幽霊…ごちゃ混ぜになってるのは子どもだけじゃないはず。
大人もけっこうそこらへんの違いが曖昧だったりしませんか?
鬼とオバケと幽霊の違いって…?
恐らく最も古くから存在していたのが『鬼』ではないでしょうか。起源は中国で、亡くなった人の魂を鬼(キ)と呼んだようです。
日本では平安時代に『物の怪(もののけ)』と呼ばれていた怪異現象や得体の知れない姿や行動をする人、日本古来の神の中で悪神となってしまった神様の概念が混ざって『鬼(おに)』という認識になっていったようです。
…なんて子どもたちに説明していると、いつの間にか現れていたたぬ君とおこんさん。
そういえばおふたりにも人ならぬアイテムが付いていますね〜?
ま、それはともかく『鬼』が街を跋扈していたという平安時代に行ってみましょう!
京を夜な夜な練り歩く不思議なものたちの『百鬼夜行』。
物の怪や付喪神(長い年月を経た道具などに魂が宿ったもの)たちが、平安時代の人々を脅かし、これらを総称して『鬼』と呼んでいたようです。
そしてこの様子を表した『百鬼夜行図』はコミカルで思わず見ていると楽しくなってきちゃうんですが、なんとこれが描かれたのは室町時代なんですよ。
アニメ・漫画文化大国として名高い日本ならではの歴史に納得〜!
時代が進む中で、これらの中でもより人々の生活に身近な鬼たちが『妖怪』と呼ばれるようになっていったのかなぁ。
でもね、なんとなく妖怪って冒頭に挙げたように、現代では子どもをちょっと脅かすぐらいのイメージじゃないですか? でも、日本の昔話や歴史の話の中では子ども騙しではなく大人も当たり前に妖怪と向き合っているんですよね。
なんなら政治に関わる文献にも登場したり、平安時代の殿上人たちは物の怪との遭遇を理由に仕事を休むこともあったようです。
なぜ妖怪は、昔の日本人たちの生活にリアルに存在していたのかというと…。
そう、妖怪とは『暗闇=見えない/わからない』ことへの“恐怖“。人は見えないもの/わからないものが怖いので、その恐怖を乗り越えるため形を与えたのが妖怪になったようです。
木造の家の木が乾燥や湿度の変化によって軋むことで音を発する事象は「家鳴(ヤナリ)」という名で小鬼の姿の妖怪になりました。
灯の無い道を歩むと着物の袖を引っ張られるが振り返ってみると誰もいない、草木の枝のいたずらは「袖引き小僧」という黒塗りの子どもの姿に。
恐らくアルツハイマーなどの症状で徘徊していたのかも知れない、家にいつの間にかいてお茶を飲んでいる知らない人は「ぬらりひょん」。
東北地方のお金持ちの家に現れるという「座敷童子」は、もしかしたら事情により公表していない庶子を客人などがたまたま見かけて噂になったものではないかと言われています。
こういった、現代であれば科学的・医学的に理由が分かったり、光が差せば原因が判明するようなものがまだわからなかった時代は得体の知れないものに名前や姿をつけて恐怖を紛らわしていたのではないでしょうか?
でもここからが日本人の面白いところ。
恐怖を紛らわすだけでは終わらせず、妖怪をキャラクター化してエンタメとして楽しんじゃおう! という流れになっていくんです。(「ゲゲゲの鬼太郎」「妖怪ウオッチ」「アマビエ」など、現代でも妖怪は日本人にとって身近な存在ですよね。)
江戸時代に妖怪はキャラクター化する!
鳥山石燕という江戸時代中期の浮世絵師は、妖怪の絵を描いて本として発表しました。怖さよりもコミカルでちょっと可愛くも見えてくる画風が大当たりし、庶民の中で妖怪は怖がるものから楽しむものへ。
江戸時代後期には、このキャラクター性が高い妖怪を使った見せ物小屋やお化け屋敷が出現し、大人も子どもも楽しむ娯楽になったんですって! 今でもお化け屋敷は遊園地などで体験できますが、現代ではもう本物の?妖怪に出会うことはないですよね。
現代の町中では夜でも真っ暗闇の場所なんてないですよね。安全性が高まったことはとてもありがたいけれど、見えないことで高まる想像力は失われているのかも知れません。
そして昔は狐憑きと言われたりする人の奇妙な行動や、家鳴りなどの不思議な現象も科学的に解明されてきているため、怖がることもなくなってきたんですね。
今回のお話はリアリストで非現実的な話には一切興味の無い夫でもスッキリ納得できたようです。
怖いことの乗り越え方として、どこか愛らしい妖怪を作り出した…その想像力って偉大ですよね!
(tomekko)
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