女性活躍の壁をなくしていくために必要なことは? 辻清人副大臣にインタビュー
Woman.excite / 2025年2月4日 16時0分
![女性活躍の壁をなくしていくために必要なことは? 辻清人副大臣にインタビュー](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/womanexcite/womanexcite_E1737699796167_0-small.jpg)
トランプ氏が大統領に復帰した米国では、多様性を重視する社会のシステムにブレーキがかかろうとしています。
そんな中、日本はまだまだ多様性を進める途中段階。その一つが、女性活躍です。リーダー層にもっと女性を増やすためには、仕事と両立できるような子育て支援策は欠かせません。
そこで、第2次石破政権で、こども政策・少子化対策・若者活躍・男女共同参画等を担当する副大臣の辻清人衆議院議員に、お話をお聞きしました。
辻清人 内閣府・こども家庭庁 副大臣
1979年9月7日東京都出身、45歳。4歳から17歳までをカナダで、25歳から32歳までをアメリカで過ごす。京都大学経済学部卒業、米コロンビア大学公共政策大学院修了。米戦略国際問題研究所(CSIS)研究員。TOKYO自民党政経塾7期生。
※辻の表記は一点しんにょう。
>>辻清人公式HP
![](https://s.eximg.jp/expub/feed/Woman_woman/2025/E1737699796167/1737703191_6.jpg)
―責任あるポストへの女性の登用率をみると、少し足踏み状態です。女性のための施策だけではなく、男性への施策も必要ではないでしょうか。
辻副大臣:女性活躍の推進には、内閣府ではもう四半世紀も取り組んでおり、男性の理解を得るための施策の必要性も以前から指摘されてきました。これにどう取り組むかというと、大きく3つあると思います。
―男性の真の理解がないと、本当に進みません。どのような「3つの方法」でしょうか。
辻副大臣:1つは、政府として数値目標を掲げて、見える化をしていくということです。もちろん政治の分野も同様です。もっといえば、男女隔てなく、色々な職業に就くということに対して、社会が受容することが必要だと思います。「管理職には男性が就くもの」という偏見がまだあるんですね。これは私の体験ですが、小学生の娘に、「社長ってどんな人」って聞くと、「男性」と言いました。「何でそうなの?」と聞いたら、読んでる本や漫画に出てくるからだと。
―社会のイメージがまだまだ固定化しているということですね。
辻副大臣:日常生活の中で、このポストにはこの性別の人が就く、という凝り固まった常識を変えていかないといけない。数を増やすこともですけれど、男女の隔てなく誰でも色々な職業に就けるという社会を作らないといけないと思っています。
![](https://s.eximg.jp/expub/feed/Woman_woman/2025/E1737699796167/1737700848_5.jpg)
―女性の登用という数を増やすだけでも、現状の多くは男性側が登用するので、男性の意識改革も必要だと思うのですが。
辻副大臣:方法の2つ目は、女性を増やすことによって、男性にとっても働きやすさにつながるなどのプラス面があるということを強調していくことだと思います。
50年前に比べても、女性の社会進出って飛躍的に増えていますよね。それによって社会にはさまざまな変化が起きていますが、日本の社会が崩れたかというと、私はそうではないと思っています。むしろ諸外国と比べてもまだまだ少ない状況なので、ライフステージによって制限されるものを撤廃することも必要ですが、男女ともにバランスよく仕事をすることによって、男性にとってもよい部分、働きやすさにつながる部分を伝え、各界のリーダーが男性の理解を促進する、これが実はすごく大事だと思うんですね。
―各企業でもエンゲージメント調査の方法を工夫して、良い部分をアピールすることは大事ですよね。男性側も、「数少ないポストを女性枠で取られてしまう」と被害者意識を持つケースもあります。
辻副大臣:8割、9割男性のところが5割女性になったら(自分たちは)どうなっちゃうんだっていう、まるで自分たちが追い払われてるような被害者的な立ち位置でこの議論をしても平行線だと思うんですね。
私も決して一方の肩を持つのではなく、いわゆる人間の生き方として、社会全体の中で、働きたい人が働きたい場所で働いて、それが国全体としてもプラスになるっていうことが当たり前であるべきだと思っているんです。エビデンスを示しながら、恐れる必要がないことを伝えていけば、身構えている男性たちとも協力していけると思っています。
―政治の分野ではどうですか。
辻副大臣:政治家の候補者として色々な女性に声をかけることも必要ですが、圧倒的に男性比率が高い現職の議員にも、理解を促進していただく働きかけをしないといけないと思うんです。双方が何か気まずい感じになると、女性議員も大変な状況に陥ってしまいます。
―私も企業で、執行役員以上で女性一人という状況で取締役をやっていましたが、そんな感じでした。常に、会社にとって「異物」でしかないような…。
辻副大臣:意図せず目立ってしまうんですよね、紅一点と言われながらやるっていうと。細川さんも苦労されましたか。
―強くないので、精神的にボロボロになりました(笑)。
辻副大臣:本当にお疲れ様です。あとは、方法の3つ目になりますが、やはり教育だと思います。誰もが、自分のしたいことを見つけて、そのしたいことを行っていくという人生ですね。
健康寿命という観点からいくと、生きている間に自分がインプットしてアウトプットできる期間って意外と短いんですよね。その期間に、いかに日本人として生まれた人に充実した生活を送ってもらうかっていうこと。「私はこうだからこれができない」、世の中の事情が原因で前向きになれないというようなことは、なるべく取り払いたいと思うんです。男女の問題もその中の一つだと考えています。
偉そうな言い方に聞こえるかもしれないけど、国や地域が、そういうものをなくして、世界に羽ばたいていってほしいって思っています。これは国益の観点からも、個人の観点、親の観点からも、大事なことだと思っています。男女に平等に門戸を開くことは、国の仕事でもあり、地域の仕事、教育の仕事でもあるんだと思うんですよね。
次回は、辻副大臣の考える子育て支援・こども政策についてです。
取材・文/政治ジャーナリスト 細川珠生
![](https://s.eximg.jp/expub/feed/Woman_woman/2025/E1737699796167/1737703192_7.jpg)
政治ジャーナリスト 細川珠生
聖心女子大学大学院文学研究科修了、人間科学修士(教育研究領域)。20代よりフリーランスのジャーナリストとして政治、教育、地方自治、エネルギーなどを取材。一男を育てながら、品川区教育委員会委員、千葉工業大学理事、三井住友建設(株)社外取締役などを歴任。現在は、内閣府男女共同参画会議議員、新しい地方経済・生活環境創生有識者会議委員、原子力発電環境整備機構評議員などを務める。Podcast「細川珠生の気になる珠手箱」に出演中。
(細川珠生)
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