7ドルのルノワール絵画と「裕次郎の麻雀牌」から学ぶ日米の法律格差

WooRis / 2014年1月25日 12時0分

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アメリカののみの市にて、フランス印象派の画家ルノワールの本物の絵画を、そうとは知らずに7ドルで購入した人に、アメリカメリーランド州ボルティモアの美術館への返還命令が下りてしまったというニュースがメディアを騒がせました。

似たような事例として、以前『石原裕次郎記念館』に展示されていた故石原裕次郎氏所有の麻雀牌を、兄の石原慎太郎元都知事(当時はまだ都知事になる前)が所有権を主張して騒ぎになったことがありました。

その麻雀牌は、故石原裕次郎氏が若い頃、石原慎太郎氏宅から黙って持って帰り、自分の宝物として大切にしていたそうです。麻雀牌が自宅から無くなった当時、石原慎太郎氏は傷心の思い激しく、子どもたちへの叱責も大変なものだったそうです。しかし、結果的に本来の持ち主の石原慎太郎氏には麻雀牌は戻りませんでした。

では、どうしてアメリカでは“7ドルのルノワールの絵画”は60年も行方不明だったというのに、返還命令が出てしまったのでしょうか? そこには日本とアメリカの法律の違いが関わっているのです。

■日本の民法“占有権”とはなに?

日本では民法180条に「占有権は、自己のためにする意思を持って物を所有すること」という権利があり、催促されること無く一定年数占有すると占有権が移転 します。

一定年数とは、何も知らずに自分の物と信じて占有(善意の占有者)していたのなら10年、他人の物と知っていて占有(悪意の占有者)していたら20年です。

裕次郎氏亡き後、まき子夫人は麻雀牌を夫の遺品として大切に10年以上保存していたので、善意の占有者となり、占有権はまき子夫人に移ります。そのまき子夫人が『石原裕次郎記念館』に寄贈してしまったのですから、占有権は『石原裕次郎記念館』のオーナー『石原プロモーション』に移ったわけです。

ようするに麻雀牌は『石原プロモーション』の所有物となったのです(所有権は占有権に含まれます)。

■アメリカには“占有権”はないの?

アメリカには日本の占有権に当たる法律はありません。あえて近い法律を探すとするなら”担保権”というものがあります。質屋の先取り特権のようなもので、質権で差し押さえることくらいしかできません。

そもそも“7ドルのルノワールの絵画”は、ルノワールの愛人からパリのギャラリーに買い取られ、その後1926年ルノワールの絵画の収集家が購入し、1937年 にボルティモア美術館に貸し出していたところ、1951年に盗難被害に遭ったのだそうです。それから60年間行方不明となっていたそうです。

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