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死んだら思い出が美化されちゃうから…「いろいろあった」両親を許した理由【あさのますみ×燃え殻】

ウートピ / 2021年7月5日 20時0分

だから、「恨みの気持ちをひたすら自分に刻み続ける人生よりも、両親のことを許して受け入れたほうが、自分の人生が明るくなるんじゃないか?」って思ったんです。「いろいろなことがあったけど、自分の人生のためにこの人たちを許そう」って。「あの人たちは、私が良い娘で幸せだっただろうな」という行動をしたら、私は老後を明るく生きていけるだろうと思って、自分のために許すことにしたんです。それで、両親に経済的な支援をしたり、旅行に連れて行ったり、おいしいものを食べさせたり、贈り物をしたり。絶縁を解除してから、父が亡くなるまでの間、私は“娘の鏡”のような良い娘だったと思いますよ(笑)。

それに私も、両親を許すことで気が楽になったし、父が亡くなった時に、自分が目指していた気持ちになったんですよね。「お父さん、幸せだっただろうな」という、やり切った感がありました。許した自分のことも好きになれましたし。だから、憎み続けるよりも、ずっと楽なんじゃないかなって。

燃え殻:すごいですね。

あさの:学生時代、お金が無くて水商売をやってる時は、両親はもちろん大学の友達にも言ってなくて。世界中の誰も、私がそういうことをしてるって知らない。素性がバレるのが嫌だから、お客さんにも嘘をついてるし、一日中、誰かに嘘をついてる日々だったんです。でも、逝ってしまった「君」にだけは本当のことを言ってました。周りにいる人たちみんなに嘘をついて、みんなに違う自分を見せて、自分がどこにいるか分からなくなっちゃいそうな時もあったんですけど、彼に本当のことを言うことで自分自身を見失わないで済んだんです。全部受け止めてくれたうえで、私のことをサポートしてくれて。

だから彼は、私の中では船のイカリのような存在だった。イカリが下ろされている間は、私をつなぎとめていてくれる。そして別れた後も、ずっとその記憶が残っていて。あの時、人生を見失わないで自分を保っていられたのは、彼がいてくれたから。「私の人生の恩人だ」ってずっと思っていたんだけど、それが言えなかったんですよね。定期的にご飯を食べに行ったりしてたんだけど……。私が声優になってからも、「ご両親はどうしてるの?」「お金のことは大丈夫?」って、ずっと心配してくれてたので、私にとっては本当に大事な存在だったんです。

忘れてもいいからそのままの形で覚えていたい

あさの:例えば、空が晴れたりすると、彼のお母さまが「あの子が良い天気にしてくれたのかしらね」みたいなことをおっしゃるんですけど、私にとっては、彼が“神様”みたいになっちゃう感じが寂しくて……。彼のことを忘れたくなくて一生懸命思い出したり、思い出が美化されていくのって、ある意味、彼の思い出の上にトレース紙を敷いて線をなぞっているようなもの。そのトレースを繰り返していったら、彼が全然違う人になっていくんじゃないかと思って。

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