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自分も他人も分かりやすい枠に閉じ込めたくない…伊藤万理華を少年役に抜擢した理由

ウートピ / 2021年10月12日 20時3分

特に、今の時代はアイデンティティに名前をつけて、他の人のことも決めたがる風潮が強いと感じています。「私は異性愛者で、あの人は同性愛者だ」とか。そしてそれを表明してやっと周りに理解されて、「自分」が成立する。でも、そんなの明日になったら分からないと思って。もしかしたら明日、衝撃的な出会いがあって、自分の新しい一面に気づいたりするかもしれない。勝手に予測して、決められた枠に無理に自分や他人を押し込めて、安心するのはどうなんだろう? という気持ちも込めて、ああいう配役にしました。

——作中で印象的な「分からない」というキーワードともつながりますね。

枝:そうですね、分からなくてもいいと思うし、分からないから歩み寄ってみればいいのだと思います。決めつけたり、分からないことを許せないのは、自分の首を絞めることにもなるんじゃないかって。いつまでたっても、自分のことだって100%分かるのは難しいと思っています。

いっぱい練習して「普通」の服を着るようになった

——アキが「自分は普通でいられるだろうか」と問う場面があります。とても印象的なシーンでしたが、あのシーンに込めたものがあれば教えてください。

枝:小学校に入った時に、「常識」に触れてびっくりしてしまったんですよね。ほんの些細(ささい)なことでも、みんなができることができないと浮いてしまう、と思って焦りました。だからいっぱい練習して「普通」という名の服を着るようになりました。そうすると周りになじめてホッとする。

最初はみんな裸の時期があって、その中で誰かに怒られたり、傷ついたり傷つけられたりしながら、自分を守るために服を着ていくのだと思います。きっと10代の頃って「普通」という名の服をどのように着こなすのか、この服はダサいのかかっこいいのかとか、葛藤する時期だと思います。

私自身も、脚本書いているときは極力、「普通」や常識を纏(まと)わないようにしていますが、現場の打ち合わせをするとなると、「普通」もできないとなんですよね。慌てて、まともな人を演じますが、世にある「普通」のパターンがあまりにも少ないんじゃないかなとも思います。だから、窮屈に感じたり、着ていられない人もいますよね。

人には人の地獄がある

——もう1人の登場人物、キイタは人気者ですが、隠れた暗い一面もありますね。

枝:今の時代は特に、SNSの発達もあって、人の表面ばかりにスポットライトが当たりがちです。私もですが、投稿をする本人も自覚があるので、裏側は見せませんよね。そして、ついつい見ている側としては、表だけを信じてしまいがちだと思います。

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