出産の痛みは経験すべき? 産科医に聞く、海外で8割の母親が選択する「無痛分娩」が日本で一般的でない理由

ウートピ / 2014年5月13日 19時30分

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日本で「無痛分娩」が一般的でない理由

「鼻からスイカ」「バットで腰を何度も強打」などなど、出産の痛みは様々な表現で例えられる。ちなみに、痛みをランクで示した「マクギル疼痛質問表」のスコアによると、急性痛に分類される分娩痛は、同じく急性痛の骨折を20とすると初産の場合、2倍の40となり指の切断を少し下回るくらいの痛みに位置づけられるようだ。

相当な痛みであることに間違いはないが、どんなものかは実際に経験してみないことには分かるはずもない。出来ることなら痛い思いはしたくない、というのはほとんどの人が考えを同じにするところだろう。ちなみに、アメリカやイギリス、フランスなどの先進国では無痛分娩の割合が多い国で80%。また、痛みを軽減させる出産方法も時代とともに進化している。

とはいえ、出産経験者からは、「出産の痛みに耐えて生むからこそ、我が子を可愛いく感じるもの」という声も聞かれる。果たして出産の痛みを経験する必要は本当にあるのだろうか。そこで、日本で42年以上にわたり無痛分娩を施行している、東京衛生病院の原澄子先生にお話を伺った。

欧米では麻酔を使った無痛分娩は150年以上前から

――東京衛生病院で無痛分娩を始められたきっかけは何だったのでしょうか?

原澄子先生(以下、原):東京衛生病院は1929年に設立されたのですが、キリスト教の宣教師の方が始められたということもあって、早くから欧米の医療を取り入れていました。麻酔による無痛分娩は1847年に世界で初めて実施され、イギリスでは1853年にビクトリア女王が麻酔による出産を経験したことから、ヨーロッパに広まったとされる歴史の古い方法です。その後、吸入麻酔から安全性の高い硬膜外麻酔が主流となり、アメリカでは経腟分娩(帝王切開ではなく腟を経由する分娩)の8割が無痛分娩となりました。そのため、当院で無痛分娩を実施するというのは、自然な流れだったのだと思います。

――日本の江戸時代に外国では無痛分娩が始まっていたのですね。麻酔を使った無痛分娩には色々な方法があると思いますが、東京衛生病院では「硬膜外麻酔」を採用されています。

:現在、外国でも日本でも無痛分娩の主流は硬膜外麻酔だと思います。外科手術で使われるようなガスによる笑気麻酔や静脈麻酔剤を使用する方法もありますが、眠くなったり一時的なものだったりと、長時間の出産には向きません。硬膜外麻酔は腰から硬膜外腔に向かってに針を刺し、麻酔薬を注入するという方法ですが、これだと意識もはっきりした状態で分娩ができます。それなりに太い針を刺し麻酔薬を注入するチューブを入れますが、局部麻酔をしてから実施しますので、陣痛が続くことを考えたら比にならないくらいの痛みです。

無痛分娩は赤ちゃんへの影響はないと考えられている

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