「認知症は少しも恥ずかしくない」 アルツハイマーの母親を撮り続ける映画監督が語る、日本の介護の問題点

ウートピ / 2014年7月6日 14時10分

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認知症映画監督が語る日本の介護の問題

認知症になった母の日々を映し出したドキュメンタリー映画『毎日がアルツハイマー』『毎日がアルツハイマー2』。認知症のドキュメンタリーというと重い印象がありますが、この映画はユーモアと明るさがあり、その明るさの中に真実があります。『毎日がアルツハイマー』では、認知症のお母さんを中心に介護の日々を、最新作『毎日がアルツハイマー2』では、認知症の人を尊重する英国の介護ケア「パーソン・センタード・ケア」を取り上げています。その関口監督に認知症とあるべき介護について語っていただきました。

認知症の初期は95%は正常、残りの5%が記憶障害なだけ

――映画『毎日がアルツハイマー』『毎日がアルツハイマー2』は、関口監督の認知症のお母さんの姿を追っていますね。そもそもこの映画を撮ろうとしたきっかけは?

関口祐加監督(以下、関口):私は母が認知症だから映画にしようと思ったのではないのです。認知症になった母が魅力的だから撮りたい! と思ったのです。母はいわゆる良妻賢母で、とても真面目な人だったんですよ。私は父の血を継いでいるのでいい加減で(笑)、いつも母に怒られてばかりいました。でもそんな真面目な母が、認知症になって言いたいことを言うようになった。母は認知症の力で自分を出せるようになったんですね。そんな母を撮りたいと思ったのが一番の理由です。

――関口監督がお母さんの認知症に気付いたのは?

関口:2005年くらいから前兆はいくつかありました。私は当時、オーストラリアで生活していたのですが、息子宛に同じ荷物が何度も届くようになりました。また、横浜で大晦日に母と年越し蕎麦を食べに行ったら「メニューにうどんがあるのに、なぜ蕎麦しかないんだ!」と母が激怒して。そんな人前で感情を爆発させる人ではなかったので驚きました。決定的だったのは、2009年のクリスマスの日。みんなでクリスマスケーキを食べた後、母が日めくりを見て、私の息子に約束をしたクリスマスケーキを買うのを忘れたと真っ青になったんです。そのとき「自分の何かがおかしい」と母は、恐怖の目をしていたんです。その目を見た瞬間、私は日本に帰る決心をしました。

――帰国してから、お母さんの撮影を始めたのですね。

関口:いえ、違います。2009年9月の母の誕生日のシーンは、母にカメラを向けた初めての日だったんですが、その時はまだオーストラリアと日本を行ったり来たりしながら、映画を作ろうと思っていました。その気持ちが変わったのが、今お話した同じ年のクリスマスの事件だったんですね。とは言え、映画資金もなかったので、最初はYouTubeにアップして、いずれ絶対に映画にしようと考えていました。ときどき「お母さんは、認知症なのに撮影するんですか……」という方がいるんですが、逆にそういう人は認知症が「恥ずかしい」と思っているんですね。私は母の認知症を少しも恥ずかしいなんて思わない。そもそも認知症初期の脳の95%はまともで5%が記憶障害などの障害なんです。正しい知識を得ることが大事だと思います。

理想的な介護のために必要なのは認知症の人の歴史や性格を知ること

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