「中絶について、今こそ真剣に議論されるべき」 胎児クリニック東京院長が語る、「新型出生前診断」の課題

ウートピ / 2014年7月16日 18時0分

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中絶は、今こそ真剣に議論されるべき

前編に続いて、後編では「新型出生前診断」についての詳しい話を「胎児クリニック東京」の中村靖院長に伺った。

>>【前編】「全ての異常が検査で分かるわけではない」 胎児クリニック東京院長に聞く、日本の「出生前診断」の現状

新型出生前診断は日本医学会などが定める基準を満たした施設のみ

――現在、新型出生前診断の臨床研究がスタートしています。こちらの検査では、どれくらいの精度で胎児異常を判別できるのでしょうか? また、検出率についてはいかがでしょうか?

中村:3種類のトリソミーについての検出率は高いです。ただし、検出率が高いからといって、陽性一致率も高いとはいえません。このふたつは別の指標ですので、胎児異常を判別させる検査として「精度が高い」という考え方には注意が必要です。

――胎児クリニック東京では、新型出生前診断を導入されているのでしょうか?

中村:当クリニックでも導入したいと思っているのですが、日本医学会などが定めている施設基準を満たしていないため、現状導入することができません。

――実施できる施設は大きな大学病院など非常に限定的ですね。費用も20万円を自費で支払うということで、希望すれば誰でも検査ができる状態ではない印象です。

中村:個人的には希望する人がもっとスムーズに検査を受けられるようにしていくべきだと思います。現在は、どちらかというと検査をできるだけ規制しようという考え方が主流である状況のように感じています。また、妊娠女性と接する医師にもいろいろな考えの人がおられ、自身の倫理観や価値観から出生前検査・診断を否定的にとらえておられる方も少なからず存在しています。そのため、出生前検査・診断の相談自体がしにくいと感じておられる妊娠女性も多いようです。

出生前診断や胎児の異常について情報提供が十分に行われていない

――子供を産む当事者の立場に寄り添っていない気がしますね。新型出生前診断で異常が確定したケースのうち、9割以上が中絶を選択したというデータが出ています。また、最近は確定診断(絨毛検査または羊水検査)を受ける前に、中絶の決断に至ったケースが報道されています。このことについてはどう思われますか?

中村:検査を受ける方にはそれぞれの事情がおありでしょうから、母体保護法のもと人工妊娠中絶が容認されているかぎりは、中絶の選択をされることは理解できることだと思います。そして、その選択は批判的にとらえるべきではないのではないでしょうか。ただし、もしその選択が無理解に基づく結果であるならば、それは悲しいことだと感じます。

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