ろくでなし子さんは有罪になるのか? “芸術とわいせつ”に関わる過去の事件集から今後の展開を探る

ウートピ / 2014年7月20日 12時0分

写真

性器アートは有罪?芸術とわいせつ事件集

女性器をモチーフにした作品で知られるアーティストのろくでなし子さんが、わいせつ電磁的記録頒布容疑で逮捕された。このことで、芸術とわいせつについての論争が盛んになっているが、法律と芸術性のせめぎ合いは半世紀以上も前から、文学や写真作品において繰り広げられている。芸術とわいせつに関わる過去の事件を振り返ってみた。

チャタレー事件(文学)

イギリスの作家D・H・ローレンスの『チャタレイ夫人の恋人』を翻訳した作家・伊藤整と、版元の小山書店社長に対して刑法第175条のわいせつ物頒布罪が問われたが、1957年、最高裁判決で有罪が確定。(参考)

判決では以下の「わいせつの三要素」が示された。

1、性欲を興奮または刺激させる
2、性的羞恥心を侵害する
3、善良な性的道義観念に反する

※なお、これは雑誌『サンデー娯楽』のわいせつ性を肯定した最高裁判所昭和26年5月10日第一小法廷判決の提示した要件を踏襲したもの。

悪徳の栄え事件(文学)

マルキ・ド・サドの『悪徳の栄え』を翻訳した作家・澁澤龍彦、出版した現代思潮社社長がわいせつの罪に問われた。1969年、最高裁判決で有罪が確定。(参考)

四畳半襖の下張事件(文学)

月刊誌『面白半分』(1972年7月号)に掲載された、永井荷風の作とされる戯作『四畳半襖の下張』が、刑法175条のわいせつ文書販売の罪に当たるとされ、編集長をしていた作家・野坂昭如と同誌発行元の社長が起訴された。1980年、最高裁判決で有罪が確定。(参考)

文書のわいせつ性の判断にあたっては、

1、当該文書の性に関する露骨で詳細な描写叙述の程度とその手法
2、右描写叙述の文書全体に占める比重
3、文書に表現された思想等と右描写叙述との関連性
4、文書の構成や展開
5、芸術性・思想性等による性的刺激の緩和の程度
これらの観点から該文書を全体としてみたときに、
6、主として、読者の好色的興味に訴えるものと認められるか否か

などの諸点を検討することが必要だとされた。

愛のコリーダ事件裁判(写真)

「阿部定事件」を題材にした大島渚監督の映画『愛のコリーダ』(1976年公開)の脚本と宣伝用写真等を掲載した同題名の書籍が発行されたが、その一部がわいせつ文書図画に当たるとして、監督と出版社社長がわいせつ物頒布罪に問われた。1982年の東京高裁で無罪が確定。

メイプルソープ裁判(写真)

1994年11月に発売されたアメリカの写真家ロバート・メイプルソープの写真集を、版元の出版社社長が、1999年10月にアメリカに商用で見本品として一旦持ち出し、国内に持ち込んだ際、「わいせつ図画」にあたるとして税関に没収された。社長は、関税定率法21条により輸入禁止とした国の処分の取り消しを求めて提訴。

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