「出来の悪い係長だった」村木厚子さんが“仕事の階段”を上がって見えたこと

ウートピ / 2018年9月19日 21時1分

それが原体験としてあるので、大変なこともあるんだけれど、「まあそこそこでいいかな」とか「サボったほうが得」と思っていると人相が悪くなるんじゃないかという、ある種の”恐怖感”のようなものがあるんです。

単純にラクなほうが楽しそうに見えるかというとそうでもない。不思議なことにラクをしよう、サボろうと思っている人のほうが顔が楽しそうじゃなかったんです。

「出来の悪い係長だった」

——なるほど。確かに上司や先輩を思い浮かべると一生懸命やっている人は見ていても気持ちがいいというか、素敵だなあって思います。一方で、ニュースを見ていると「管理職になりたがらない女性が多い」と聞きます。管理職になっても仕事と家庭の両立のしわ寄せが一気に女性にくるからだと思うのですが、村木さんはどう思いますか?

村木:難しいですよね、「背負う」って。「背負う」ってすごく難しいし、管理職になったら「あれもやらなきゃ」「これもやらなきゃ」というストレスも増えるかもしれないし、大変だから躊躇(ちゅうちょ)する気持ちもすごくよくわかります。

でもね、ちょうど男女雇用機会均等法*ができたころ、民間企業の女性たちと勉強会を開いていたんですが、そのときに先輩にあたる女性が言っていたのが「30代は子育てとの両立で大変ね。40代は責任も重くなって、胸突き八丁。50代は、会社の中でこんなに自分の意見が通っていいのか怖いくらい。60代、定年後は天国よ」と言っていたんです。それが私は心の支えで、大変だけれど、その先に結構よいことが待っているらしいって思って、励みになったんです。

*1985年成立、翌86年施行。採用や配置・昇進定年・解雇などで企業が男女で異なる取り扱いすることを禁じている

——実際どうでしたか? その通りでしたか?

村木:そうですね。ちょっときれいごとに聞こえるかもしれませんが、私、出来の悪い係員だったの。その次に、出来の悪い係長だったんだけど、出来の悪い係長になったときに「今だったらよい係員になれるのにな」って思った。課長補佐になったときもフーフー言っていたんですが、「今だったらよい係長になれるのにな」って思ったんですよ。

だから、負荷がかかってもうひとつ上の仕事をやることで、出来の悪い係長だったはずが、いつの間にか悠々やれる自分になっているというのがあって。こういうものなんだって思いました。

いつもちょっと負荷がかかることをやらされて、いつも苦労しているように思ったけれど、ちょっとずつ成長しているんだと思ったんです。それで成長しているということが、途中からひとつの支えになりました。権限を持ったり、もっと上になったりすると「あとはよろしく」って言って帰れる。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング