科学の世界は男性優位? 女性のからだを表紙に使ったサイエンス誌に米国下院議員が抗議

ウートピ / 2014年8月4日 10時30分

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表紙に女性のからだ…科学誌に抗議殺到

昨年、女性型ロボットが家事をしているイラストを表紙にした『人工知能』という学会誌に女性蔑視との批判が相次いだことは記憶に新しい。(参考記事:女性型ロボットがお掃除 「人工知能」表紙イラストが”女性蔑視”と話題に)

当時この問題をツイッターで拡散したとされるスプニツ子さんは「日本の性差別」の問題の大きさを指摘していたが、今度はアメリカ科学振興協会がやらかした。同協会が発行している『サイエンス』誌の表紙が、科学の世界から女性やマイノリティを排除するようなメッセージを持っていると批判を受けているのだ。

科学の「男の子集団」と、顔を消された女性たち

問題の表紙は、ジャカルタでセックスワーカーとして働く3人の女性たちの写真である。3人ともタイトなドレスを着て、ハイヒールを履いている。また、手前の2人の顔はトリミングされ、奥の女性の顔は学会誌タイトル『Science』の「S」で一部隠されている。米国下院議員ジャッキー・スピアーはこれを「首から上のない、性的に強調された有色人種女性の利用」であるとし、同協会に抗議の手紙を書いた。

体だけ、あるいは女性性だけに注目され、同じ人間として扱われないという経験は、多くの女性にとって珍しいものではない。コンビニの雑誌売り場や電車の吊り広告から、歴史的な絵画にいたるまで、「女は見られる側、男は見る側」という刷り込みは私たちの生活に深く根付いている。女性のライフスタイルが多様化した今でもミスコンを開催したがる男子大学生は後を絶たないし、「男はナチュラルメイクの方が好きだよ」と要らないアドバイスをしてくる男がうようよいる。

今年「私を見ているときのあなたの顔を見て」という歌詞のBGMが流れるインドの動画が話題を呼んだ(参考記事:女性の身体をジロジロ見ていた男性が、急に目を逸らしたワケは? 「不快な視線」を啓発する動画広告が話題に)が、女性を見る男性が鏡に映る自分の顔を見て目をそらすのは、単に自分の表情がまぬけだからではない。鏡に自分の顔が映った瞬間、「女は見られる側、男は見る側」という非対称な男女関係が崩れ、自分自身もまた人に見られているということに直面させられるからだ。

『サイエンス』誌の表紙に写った3人のセックスワーカーは、読者に見られる体だけを残され、読者に向けて見返す目線を奪われている。女とは、見られる身体、目線の対象であり、見る主体ではないという女性蔑視的な考え方にぴったり合致している。更に今回はジャカルタのセックスワーカーという、これまた西洋の白人にとってはエキゾチックな珍しい観察対象とされがちな人々であることから、人種差別的な考え方とも親和性が高い。

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