自分を「本能的に悲劇のドラマを好む生き物」だと思えますか?

ウートピ / 2019年3月7日 20時45分

写真

自分を「本能的に悲劇のドラマを好む生き物」だと思えますか?

2019年になっても、私たちをとりまく環境は何かと騒がしい——。それは、私たちが常に今を生きていて「これまで」と「これから」の間で葛藤を繰り返しているからなのかもしれません。

その葛藤や分岐点とどう向き合うべきか。エッセイストの河崎環さんに考察していただく連載「5分でわかる女子的社会論・私たちは、変わろうとしている」。

第6回は、話題の本『FACT FULNESS(ファクトフルネス)』(日経BP社)から、思い込みについて考えます。

私たち人間は本能的に悲劇のドラマを好む生き物なのだ

このクイズは、さまざまな国の、さまざまな分野で活躍する人々に実施してきた。医学生、教師、大学教授、著名な科学者、投資銀行のエリート、多国籍企業の役員、ジャーナリスト、活動家、そして政界のトップまで。間違いなく、高学歴で国際問題に興味がある人たちだ。しかし、このグループでさえも、大多数がほとんどの質問に間違っていた。一般人の平均スコアを下回り、とんでもなく低い点数をとったノーベル賞受賞者や医療研究者もいた。優秀な人たちでさえ、世界のことを何も知らないようだ。
何も知らないというより、みんなが同じ勘違いをしているといったほうが近いかもしれない。…(中略)…不正解の2つのうち、よりドラマチックなほうを選ぶ傾向が見られた。ほとんどの人が、世界は実際よりも怖く、暴力的で、残酷だと考えているようだ。

——「ファクトフルネス」P.16-17(日経BP社/ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド共著/上杉周作、関美和・訳)

世界100万部超の大ベストセラー待望の日本上陸!
「名作中の名作。世界を正しく見るために欠かせない一冊だ」
ビル・ゲイツ大絶賛、大卒の希望者全員にプレゼントまでした名著

この本を手にしたとき、帯にあるコメントにまず目がいきました。「10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」と副題にあるこの本は読む人に新鮮な発見をもたらすようで、内容にいたく感心した人がSNSなどで熱心に感想を書いたり、人に勧めたりという光景も散見。「そこまで話題の書籍なら」と、読んでみました。

ページをめくると、イントロダクション部分で世界や人類をめぐる事実についての12問(本書の中では地球温暖化の問いを足して13問)のクイズが冒頭で出題されます。社会や世界のことを知らないチンパンジーがバナナ目当てにランダムに正解する確率よりも、世の中を知り地球と人類の未来を憂えているはずの知識人たちの正解率の方がぐっと低いことが丁寧に、しかしインパクト十分に描かれ、そしてその理由が人間の持つ10の本能にあるのだと、誠実に説明されていました。私たちの判断を間違わせるのは、私たち自身の脳の機能だという話。本当にそう。文句なし。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング