「正しさ」から解放されないと恋愛なんてできない…【鈴木涼美】

ウートピ / 2019年7月10日 20時59分

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恋愛、結婚、不倫、ハラスメント、フェミニズム、メンヘラ、おじさん……をテーマに、男と女の間のあれこれをつづった、鈴木涼美さんによるエッセイ『女がそんなことで喜ぶと思うなよ 〜愚男愚女愛憎世間今昔絵巻』(集英社)が6月に発売されました。

同書に登場するのは「女は30歳過ぎてからのほうが実は魅力的だよ?」と言ってくる年上おじさんや「大事なのは君の意思だから」ととことん責任を回避しようとする“イマドキ”の男子など、思わず「こういう男いるよねー」とうなずきたくなる男ばかり。

と、同時にそんな男についてああだこうだと言いながらも、結局は男のことばかり考えちゃう女の矛盾もあぶり出されています。

世の中にはびこる「男の勘違い」から世の中にあふれる「正しさ」まで、鈴木さんに3回にわたってお話を伺いました。

【前回】30歳になった途端「君のこと理解してるよ」おじさんが増えた…

「正しさ」には配慮していない

——「正しさの向こう側までいく気がない男とのセックスなんて、絶対に絶頂の向こう側にはいけない気がする」(「間違いだらけのフェミニズム」(P110)より)は刺さりまくりました。男に限らず、「正しさ」が世の中にあふれすぎているなあと思うのですが、鈴木さんはいかがですか?

鈴木涼美さん(以下、鈴木):正しさは規範として必要なのは当たり前ですよね、そうじゃなかったらカオスに生きることになるし、それはそれでものすごい大変です。ただ、正しいことを言っていると安心する、というのは人としては浅はかかな。

正しさだって時代や国によって多様で、絶対なんてあり得ないのだから、常に自分の思う正しさを疑って、なおかつ正しいことが分かっているのにどうしてそれを守れないのか、というところから人間を理解しようとしないと、何も見えない気がします。

私はあまり正しさには興味がないし、人間はそんなに正しい生き物だとは思ってない。だから、正しさになるべく配慮しないで書いてますね。

この本や連載に限らず『「AV女優」の社会学』(2013年、青土社)を書いた時もそうですね。ああいう本って、ほとんどが女性救済やフェミニストの立場からしか書かれてなかった。あるいは単純な下世話な興味か。

でも私にとって必要だったのは「正しい意見」ではなくて、正しくない私たちの言葉や正しくない私たちの生きる意味だった。あの本を書く時に「フェミニストの運動は確かに重要であるが」って一文入れておかないと、後から怒られるよなー、と思いながらもあまり入れなかったです。

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