生理がきっかけで学校を辞めてしまう女の子たちもいる【安田菜津紀】

ウートピ / 2019年9月18日 21時1分

「生活困窮家庭ではどうしても、安価な紙ナプキンで肌を痛めてしまったり、使い古した不衛生な布をあてていることもあるんです。キットに布ナプキンを選んだ理由は、布であれば経済的な負担も軽減できるからです。女の子たちが手に取りやすいよう、模様や色もかわいらしいものにしました」。

プラン・インターナショナルが支援し、新しい校舎へ建て替えられた学校では、男女別のトイレを作るなど、環境改善を進めています。ただ、問題を根本から解決するためには、ハード面だけではなく、ソフト面からのアプローチが不可欠となります。

次第に荒れていった父

エベリンさんの母親はとても活発な人で、地域の保健医療の活動などにも積極的に参加していました。一方、父親は、女性が自由に出歩くことをよく思わず、母親が活動の一環でもらってきた修了証などを破いて捨ててしまったこともあったそう。

「父は女の子たちが教育を受けることにも理解を示さず、次第に荒れていってしまったため、母と私たちは父と離れて暮らすようになりました」。

その間、母親はこっそりエベリンさんのお姉さんにお金を渡し、学校に通わせていたのだといいます。姉が中学校を卒業し、父親にそのことを報告しにいくと、「学校に行っていたなんて聞いていないぞ!」と喜ぶどころかお姉さんに怒りをぶつけました。

無意識に社会に定着させてきた価値観を変えていくことは、容易なことではありません。そのために女性たちは、実際の努力と結果で説得しなければなりません。それは時間も労力も、そして根気も要するでしょう。

「それでも姉は諦めず、奨学金を得て看護の道に進みました。着実に前に進む姉の姿を見て、父の態度も少しずつ変わっていきました」。

徐々にではあるものの、父親も理解を示し始め、お姉さんに背中を押されるように、エベリンさんも中学、高校と進学、そしてついに大学入学を果たしました。

未だ女性たちへの風当たりが強いコミュニティに生きながら、大学進学まで成し遂げるのは容易なことではなかったはずです。

中学校の教師になるという夢をかなえるため勉強に打ち込む傍ら、「同じような壁に苦しむ子どもたちの力になりたい」と、地域の子どもたちに、自分がプラン・インターナショナルの活動で学んだことや気づきを伝える場を築いているといいます。

これはグアテマラだけの問題ではない

こうした女性たちの前に立ちはだかる見えない壁は、グアテマラだけの問題ではありません。私がグアテマラから帰国した直後に参院選があったということもあり、改めて女性の政治参画について調べてみました。

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