「自分の運命を面白がらなきゃ」樹木希林の娘に生まれて…【内田也哉子】

ウートピ / 2019年9月16日 12時15分

——そうだったのですね。

内田:子育てをしていて思うのですが、親子の関係、家族の関係って一人ひとり違うものだし、違っていいんですよね。「こうでなければいけない」というのは、本当はないはずで。いつの間にか「こうしなければ」と自分自身でルールを作り出している部分もあると思うので、それに気付けば楽になれるのかなと思います。

「樹木希林の娘」として生まれたことがやっとメリットになった

——本の中で、樹木希林さんと内田裕也さんの娘として生まれたことについて「だったら、どうやってこの境遇を面白がるか。そうするうちに『これが私の個性のひとつだ』というところに落ち着きました」と答えてらっしゃいました。そんなふうに思い至ったきっかけは、やはりご両親が亡くなられたことですか?

内田:私の場合は、親が有名人であることはほとんどデメリットでしかなかったんです。小さいときから、親のことを揶揄(やゆ)されたり、親のせいでいじめられたりしていたので。私自身も、親の存在が大きすぎて、生まれてからずっと「自分」よりも、「親」を基準にして生きてきました。

でも、今こうして母のことについて語ることを通していろんな人と出会えて、学べているという意味では、「樹木希林の娘」として生まれたことは、やっとメリットになったんだなと思います。「こうなったらもう開き直るしかないな」と。

たとえ、「誰々の子」「誰々の奥さん」だったとしても、そういう星の下に生まれてきてしまったのは、自分の運命だし、母の言葉を借りるとするならば「それを面白がらなきゃ」ということですからね。両親が亡くなった今、ようやく吹っ切れたというか「ここからは一人で行きなさい」と言われている気がします。

もちろん、何か聞けばどんな質問にもスパーンと自分の意見を返してくれた母がもういないというのは不安です。不安ですが、母が教えてくれたことや言葉のストックは自分の中にあるわけだから、それをキープしたまま、自分なりの価値観を探っていければいいなあと思っています。だから、今は何というか、清々(すがすが)しさと切なさと、両方の気持ちがある感じですね。

——樹木さんがおっしゃっていたように、内田さんは今の自分を面白がれていますか?

内田:そうですね。ちょうど、この夏は2カ月間ロンドンにいたんです。向こうにいる間にこちらの編集者さんといろいろやりとりをしながらこの本が生まれました。編集者さんやこの本に関わってくれた人たちと意見を交換したり、話をしたりしていく中で、新たな考えも広がっていくし、こうして本についてお話をすることで考えも整理されます。

母が亡くなって、父が亡くなって、今、初めて自分の心の整理ができているんだなと思いますし、それは本当に「有り難い」ことなんだと思います。

■最初から読む
【第1回】「母は他人への共感で生きた人」母・希林さんから受け取ったバトン
【第2回】「まずは自分の人生を面白がってみる」大人が子どもたちにできること

(聞き手:ウートピ編集部・堀池沙知子、撮影:宇高尚弘、撮影協力:EDGEof)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング