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<Wコラム>疑惑の裏に権力移動? 韓国社会を揺さぶる沈没旅客船「セウォル号」のオーナーの死

Wow!Korea / 2014年7月29日 13時47分

そして、着用していたジャンパーこそイタリア製で100万円ほどの高価品だったものの、遺品の中に金銭類は見当たらなかったことも「他殺」の可能性を裏付けている。

当初警察の調査によれば、ユ氏は多額の逃亡資金を持って逃走中と知られていたが、現場から金目のものは発見されなかったのだ。別荘の秘密の部屋には、数億ウォン、日本円で数千万円ものの現金が残されていた。

さらには、変死体の首の骨が胴体から離れていたことにも注目が集まっている。

東国(トングク)大学警察行政学科の教授は「遺体の首は外部から相当の力によってひねられた様子を見せている。」とコメントしているなど、一部の専門家たちもユ氏の自然死や自殺の可能性を否定しているようだ。ただし、検死を担当した国立機関の解釈は少し違っていた。

変死体発見現場を担当した警察捜査員の中には、「数年間の経験からして、遺体はユ氏のものではない可能性が極めて高い。」と述べている者もいると報道されている。また、ある専門家は、「遺体発見当時、白骨が表れ、髪の毛が分離されるほど腐敗が進んでいたとされているが、わずか18日間でそのような変死体になることは通常考えられない。」と発言。

なぜここまで「捏造説」、「陰謀論」が言われているのか。そこには、いろいろな「動機」が存在していると思われているからだ。

ユ氏の会社の「セウォル号」対して、韓国政府の管理・監督がよくなかったことや、救助体制が良くなかったことだけならば、救いようがある。しかし、韓国の大衆は、政治家や政府官僚たちとユ氏を含めた財閥との癒着を、その根本的な原因だと思っているようだ。

過去、ユ氏が猟奇的な「五大洋事件」の容疑者から、10年余りの時間で財閥に成長したことに対しても、政治家や官僚の関与などが噂されている。ユ氏さえいなくなれば、そのような「疑惑」も証明できなくなるとの見方であるのだ。

その上、今回、大勢が被害者になった安山地域の問題もある。ここは、古くから工業団地になっていて、韓国経済を支えてきた労働者の町である。経済発展とともに人件費が上昇、今は韓国でもっとも外国人労働者の比率の高い地域のひとつになっている。

当然、国際結婚により豊かではない「多文化家庭」の割合も大きい。貧しい時代を体験してきた韓国国民は、今回の犠牲者の大部分を占める高校生被害者に、異常なまでの同情をする現象が起きている。

また、与党打倒に燃えている野党や、「北朝鮮寄り」または「国家転覆」で起訴され判決を待っている一部の労働運動の勢力が、この事件をきっかけとし、政府に反撃する動きを見せているので、とても複雑な展開になりつつある。

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