<Wコラム>韓国地上波のトークショーが視聴率低迷にあえぐ理由とは?
Wow!Korea / 2014年11月16日 11時32分
長年韓国の放送業界を牛耳ってきた地上波3社(KBS、MBC、SBS)の視聴率低下が続いている。
人気バラエティー番組やトップスターが出演するドラマでも視聴率一桁の番組が珍しくなくなってきたのだ。
中でも、トークショー形式のバラエティーは特に苦戦しており、5%前後が当たり前になりつつある。もはや人気司会者たちのネームバリューと番組の人気は無関係のものになっている。
昨年は、韓国「2大MC」の一人であるカン・ホドンが6年以上も続けてきたお笑い系のトークショー「膝打ち導師」(MBC)が幕を閉じており、最近は、韓国最強の毒舌系MC、キム・グラとK-POPスターのイ・ヒョリが司会を担当した「マジックアイ」(SBS)もわずか4か月で番組終了に追い込まれた。
また、先日始まった「国民的司会者」ユ・ジェソクの新しいトークショー「僕は男だ」(KBS)も、4%台の視聴率で状況は変わらない。
さらには、キム・グラやユン・ジョンシン、「SUPER JUNIOR」のキュヒョンらが司会を務めるMBCの人気トークショー「ラジオスター」でさえ5%~7%台が続いており、お笑い系の大御所イ・ギョンギュが進行する「ヒーリング・キャンプ」も5%~6%レベルだ。
これで、現在韓国の地上波で放送されているトークショー系の番組はすべて1桁視聴率ということになる。
一方で、総合編成チャンネル(ケーブルや衛星テレビ局)のトークショーが勢力を強めており、地上波並の成長率をマークする番組も出演している。
最近話題の「非首脳会談」(JTBC)や「アグンイ」(MBN)などが健闘中だ。
とくに、「非首脳会談」の場合は、外国人青年たちによる論争番組で、2000年前後に日本で放送されていた「ここがヘンだよ日本人」を彷彿させるようなユニークな設定が視聴者の共感を呼んでいる。
毎回5%以上の視聴率を叩き出しながら圧倒的な存在感を発揮しており、日本人代表として出演しているTAKUYA(多国籍アイドルグループ「CROSS GENE」のメンバー)の人気も上昇中だ。
2011年末、地上波に似たような仕組みを持つ総合編成チャンネル(ケーブルや衛星テレビ局)が一気に4社も開局したことで、長年君臨し続けてきた地上波の牙城がついに崩れ落ちてしまった訳だがその他にも視聴率の低迷にはいつくか理由がある。
まずは、WEBやSNS媒体や動画配信サイトの普及が考えられる。
昔は、トークショーでしか見られないスターの素顔などが視聴者の好奇心を刺激していたが、今ではわざわざテレビを見なくてもWEBやSNSで情報を得て、好きな芸能人の日常を簡単にチェックできてしまうからだ。
そして、放送メディアを取り巻く外部的な環境の変化も地上波番組にとっては悪材料となっている。インターネットテレビ(動画配信サービス)やIP放送、ダウンロードサイトの普及などによって、従来の視聴率集計には反映されないケースが増えたからだ。
今、世界のテレビ業界では「Twitter指標」などが話題を集めており、視聴率のパラダイム・シフトが起きようとしている。
しかし、まだまだ地上波各社の視聴率が番組の人気を図る絶対的な指標となっていて、地上波の創作力なしでは、品質の良い動画の制作も難しい。
いずれにせよ、韓国のテレビ放送業界においては、地上波とケーブルや衛星テレビがせめぎ合う過渡期が当面は続きそうだ。
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