<Wコラム>『テバク』歴史解説! 登場人物の本当の姿
Wow!Korea / 2016年5月4日 1時3分
『テバク』第4話が描いているのは、おそらく1713年の時期だと思われる。淑嬪(スクピン)・崔(チェ)氏が産んだ永寿君(ヨンスグン/『テバク』ではテギルになる)が生まれたのが1693年で、その20年後という設定になっているからである。
■史実にはない「粛宗と李麟佐の対面」
1713年が舞台になっている『テバク』第4話。この1713年というのは、史実ではどんな時期になっていただろうか。特に、『テバク』に登場する実在の人物がどう過ごしていたかを見てみよう。
チェ・ミンスが演じている19代王・粛宗(スクチョン)は、1713年というと52歳になっていたが、まだまだ元気だった。当時は仁元(イヌォン)王后が正室だが、この王妃は『テバク』には出てきていない。
ちなみに、粛宗が世を去るのは1720年で、1713年から7年後だった。
チョン・グァンリョルが扮している李麟佐(イ・インジャ)は、1713年に何歳になっていたかは不明である。生年の記録が残っていないからだ。
彼は1728年に反乱を起こして世に知られるが、歴史上に出てくるのは1721年以降である。それ以前の動向はよくわかっていない。
『テバク』第4話では、李麟佐が粛宗と碁を打つ場面が出てくるが、2人の対峙は見応えがあった。やはり、ベテラン俳優は演技に凄味がある。もちろん、史実で粛宗と李麟佐が対面することなどありえないのだが…。
一方、粛宗に寵愛された淑嬪・崔氏はどのように暮らしていたのだろうか。
■酒と賭博が大好きな王子
張禧嬪(チャン・ヒビン)が1701年に死罪になったあと、粛宗は新しい正室に仁元王后を迎えたが、側室だった淑嬪・崔氏は王宮から外に出されてしまった。このように、淑嬪・崔氏が冷遇されるようになったのは、粛宗が不信感を抱いたからである。当時、淑嬪・崔氏には他の男性との付き合いを匂わす噂があった。それが粛宗の怒りを買った理由に違いない。
王宮の外で暮らすようになった淑嬪・崔氏。彼女の息子ヨニングンは、のちの1724年に即位した21代王・英祖(ヨンジョ)である。
しかし、淑嬪・崔氏は息子が王になったことを知らなかった。1718年に亡くなったからである。享年48歳だった。
生前は、息子の教育に大変熱心だったようだ。『テバク』第4話でも、淑嬪・崔氏がヨニングンの頬をひっぱたく場面が出てくるが、実際にも躾のためにそういうことがあったかもしれない。
叱られていたヨニングンは、1694年の生まれなので、1713年というと19歳になっていた。『テバク』では酒と賭博が大好きなように描かれているが、もちろん、史実ではそういうことはありえない。王の後継者ではなかったが、王子として相応の格式で育てられていたのだ。
なお、チャン・グンソクが演じるテギルは実在の人物ではないが、「実はわずか2か月で早世した永寿君だった」と設定しているのが『テバク』の核心である。まったくありえないことだが、「万が一、そういうことがあったらどうだろうか」と考えるのが韓国時代劇の面白いところだ。
実在の人物と架空の人物がまじりあって、ストーリーがダイナミックに展開すれば、視聴者も見ていて楽しいだろう。
文=康熙奉〔カンヒボン〕
(ロコレ提供)
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