<Wコラム>韓国時代劇が10倍面白くなる「実録! 朝鮮王朝物語」~朝鮮王朝の初代王〔その3〕
Wow!Korea / 2016年5月9日 21時46分
李成桂の怒りはおさまらなかったが、芳遠は必死にその場をおさめた。
こうして、後継ぎの座を巡って王子たちが殺しあった「第一次王子の乱」は、多くの血を流して幕を閉じた。
この事件に最もショックを受けたのは太祖であり、彼は王位を退いた。代わって王位についたのは次男の芳果だった。芳遠もいきなり自分が王になるのは時期尚早と考え、とりあえず一歩下がったのである。
■巨星が落ちるとき
芳果は2代王の定宗(チョンジョン)となったが、実権は芳遠が手中に収めていた。臣下たちも、芳遠が実質的な権力を握っていることを知っていた。
また、定宗には子供がいなかったために、次に王になるのは芳遠だと誰もが思っていた。しかし、王朝にはさらなる混乱が待っていた。4男の芳幹も王位を狙っていたのだ。
「芳遠が生きている限り、オレが王位につくのは難しい。あいつさえどうにかできれば、次の王位はオレのものだ」
芳幹は芳遠を討つ時期を狙い、力を蓄えていった。芳遠も抜け目がない。彼もまた、戦の支度を進めていた。
ついに2人の王子の争いが始まった。
しかし、高麗の時代から実力があった芳遠にかなうはずがなかった。戦いに敗れた芳幹は島流しにされた。これが「第二次王子の乱」とである。
こうなると、次に身の危険を感じたのは定宗だ。
「このまま王位についていたら、いずれ芳遠に殺されてしまう…」
そう悟った定宗は1400年に芳遠に王位を譲り隠居した。こうして、芳遠は3代王の太宗(テジョン)になった。
念願の王になった芳遠は、民心を安定させることに力を尽くし、民はそれを讃えた。そんな太宗だが、心残りがひとつだけあった。太祖が太宗の即位を認めず、王の証である玉璽(ぎょくじ)を持って故郷の咸興(ハムン)にこもっていたのだ。
「ようやく、王位についたというのに、玉璽がなければ完ぺきな王とは言えぬ。父上は、そんなにも私の即位を邪魔するのか」
太宗は太祖がいる咸興に向かって、定期的に使者を送り続けた。送られた使者はことごとく太祖に殺され、誰ひとり戻ることはなかった。
そんな日々が続くと太祖は自身のわがままのために、罪のない使者たちの命を奪ったことを後悔し始めた。王になるきっかけを作ってくれた無学大師(ムハクテサ)の説得を受け、都に戻る決心をした。
そして、太祖は太宗に玉璽を渡して完全に隠居した。世を去ったのは1408年。朝鮮王朝を作り上げた巨星の最後はとても穏やかなものだった。
文=慎虎俊(シン・ホジュン)
(ロコレ提供)
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