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<Wコラム>ペ・ヨンジュン 過去への旅路~大ケガを乗り越えて

Wow!Korea / 2016年5月17日 17時43分

言う「『初恋』を終えて本当に虚ろですが、チャヌは記憶の中に埋めておいて、明日に向かって走らなければなりません」と……。

この記事の通り、明日に向かって意欲満々だったペ・ヨンジュンだが、運悪く大きなケガをしてしまう。

それは、1997年7月18日の出来事だった。

いつも通っている武術ジムでトレーニングをしたあと、ペ・ヨンジュンは急に宙返りがしたくなった。ジャンプして空中で一回転すると、周囲から拍手が起きるほど称賛されたのだが……。

「もう一回」の声に後押しされて、再び宙返りしたときに、着地に失敗して右足を負傷してしまった。

■読書に夢中になる

自分の運動神経への過信があったのかもしれない。それが、あだになった。

精密検査の結果、右足首の骨折で全治3か月の重傷と診断された。

右足には大きなギブスが付けられ、身動きできない生活が始まった。

「初恋」終了後、ペ・ヨンジュンは体力トレーニングを強化して、せっかく引き締まった肉体に仕上げたのに、それも台なしになってしまった。それでも、寝込みながら木刀を振る、というのが、いかにもペ・ヨンジュンらしい。歩けないが、腕は自由になるというわけだ。

しかし、それも限界がある。ペ・ヨンジュンは観念して、ビデオ鑑賞と読書にほとんどの時間をさくようになった。

「それまでは体作りに力を注いでいましたが、ケガでむしろ余裕を見つけました。これまで見られなかった映画、読めなかった本を今こそ楽しんでいます。それに比べると、からだが動けないのは大したことではありません」

それまでのペ・ヨンジュンの人生は、前を向いてひたすら突っ走るものだった。並外れた向上心を持つ彼は、休む間もなく動くことで何かを得ようと思っていた。

けれど、ケガによってベッド生活を余儀なくされ、少し考えが変わってきた。何よりも、映画や本によって得られる教養が、彼に新しい世界を示してくれた。特に、古代エジプトのファラオの一代記を描いた書籍を読んだときは、歴史の奥深さに感動を覚えたほどだった。

■演技の向上に必要なこと

もともと、ペ・ヨンジュンは知性派の俳優として知られていた。たとえば、ある新聞ではこう論評されている。

「ペ・ヨンジュンを代表する魅力は、知性美である。優雅な容姿とシャープなイメージをトレードマークにしている。そして柔らかい。笑うときに弧線を描く目もとほど、調和しているものはないだろう。CM関係者たちも驚くくらい、魅力的な微笑みをもっている。そうした知性美や柔らかさの他にも、男性美であふれている。180センチ、76キロの堂々たる体格は、『私のからだは脂肪だけではありませんよ』という本人のジョークのように、ボリュームのある筋肉で覆われている。見るからに顔と体はまったく一致しないが、そんなアンバランスさがむしろ彼の魅力をさらに際立たせている」

知性美と男性美・・この二つともペ・ヨンジュンの魅力だと論じている。そういう指摘が的を得ているのは確かだが、ペ・ヨンジュンはケガの療養中に数多くの本を読破する中で、一層教養を高める必要性を感じた。演技に深みをもたらすのが、知性であり教養であると実感したからである。

<演技の向上に必要なことはすべてやり遂げたい>

そういう信念を持ち、以降のペ・ヨンジュンは時事雑誌から詩集まで幅広く読みこなす読書家になった。

その原点はやはり、ケガの間に身につけた読書習慣である。

文=康熙奉(カンヒボン)

(提供ロコレ)

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