<Wコラム>チャン・グンソク 本当の勝負(テバク)が始まる
Wow!Korea / 2016年5月18日 22時26分
■未来を切り開く手段
スターの人気とは、移ろいやすいものである。
おごり高ぶれば、途端に足元をすくわれ、「まだ大丈夫」と安心すれば、すでに凋落が始まっている。過去、何人ものスターが、人気という魔物に惑わされたことか。
スターの宿命とはいえ、頂点に上り詰めれば、後は下りるしかない。永遠に頂点に居続けることはできないのだ。
それを早く知れば、次の頂点をめざそうとする。スターの世界にかぎれば、過去に固執しないことが、実は未来を切り開く手段になるのかもしれない。
そういう視点で、『テバク』の制作発表会を振り返れば、あの場で見せたチャン・グンソクの姿が実に多くのことを示していた。
彼は言った。
「『美男(イケメン)』のようなものを追求する俳優にかぎっていたのではないか、という疑念がいつもありました」
「今までのものを捨てて、(『テバク』が)新しいものを身につけられる作品になるのではないか、と思います」
過去と決別して新しい自分を築くためにチャレンジする、と受け取っていいのではないか。ニコリともしなかった彼の表情からは、「作品だけを見てほしい」というメッセージが込められていたように思える。
もう一つ気になったのは、ヨ・ジングをとても称賛していたことだ。10歳下の共演者を見守ってあげたい、という気持ちになるのは自然だが、あれほど称賛するというのは意外だった。
■俳優人生の“大当たり”
もしかしたら、チャン・グンソクはヨ・ジングの中に10年前の自分を見ていたのではないか。『ファン・ジニ』に出演して子役から大人の俳優へと成長していたあの頃を思い出していたのかも…。
そうなのだ。すでに10年の歳月が流れていた。その間にチャン・グンソクはラブコメで大ヒットを飛ばして絶大な人気を得るようになった。日本では東京ドームの公演を成功させて、まさに頂点に立ったと思わせるものがあった。
しかし、その頂点にとどまり続けることはできない。この2年間、チャン・グンソクもそのことを痛感していたに違いない。
その気持ちが、今年1月末に『テバク』主演が決まったときの言葉につながったのである。あのとき、チャン・グンソクは「臥薪嘗胆」と口にした。これは「たきぎの上に寝て、にがい肝をなめる」という生活を送ることを意味している。目的を達成するために、ひたすら辛い生活に耐えるということなのだ。
この言葉を発したチャン・グンソクの心情を察する。
彼がどれほど苦悩してきたことか。生半可な苦労では「臥薪嘗胆」という言葉が出てこない。『テバク』という作品を得て、なにがなんでも次なる頂点に達してみせる、という強い決意を感じ取ることができた。
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