1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. アジア・韓流

<Wコラム>日韓ではドラマ制作がこんなにも違う

Wow!Korea / 2016年5月30日 19時37分

しかし、実際に撮影スタッフの過労死という事故が発生した後も、こうした問題に対して具体的な対策が講じられることはなかった。

そんな韓国がお手本としたのが日本だった。

それはどういうことなのか。

KBSカメラマンの過労死が発生してから4年後の2009年4月のことである。

韓国の政府系のコンテンツ振興院が、日韓のドラマの編成方法や視聴状況、制作環境などを比較する報告書を出した。

この報告書の目的は、日本との比較を通じて、韓国のドラマ産業をより発展させるための方策を考えることだった。

しかし、報告書の大部分は、日韓のドラマ制作環境の比較に割かれた。韓国のドラマ産業をより発展させるためには、韓国も日本のような制作環境に近づけることが、何よりも重要だという結論に至ったからだ。

ドラマの制作環境に影響を与える要因は複数あるが、日韓で大きく異なるのが放送時間の長さとCMの数だ。

■放送慣習の改善は可能なのか

日本の場合、ドラマの放送は週1回で、1話あたりの放送時間は46分。ほとんどのドラマが全10話ほどで構成されている。

一方、韓国ドラマは週2回の放送が主流で、2話合計の放送時間は140分。ドラマの長さも16話から24話というのが一般的だ。ワンクールで放送されるドラマの合計時間は、多いときで韓国は日本の5倍にも及ぶ。

加えて、韓国ではテレビ番組の途中でCMを入れることができないため、広告収入も日本に比べて格段に少なくなり、番組制作に掛けられる予算も限られてしまう。しかもその予算の多くが、主役スターの報酬に使われてしまうのだ。

その結果、ひとつの作品を完成するまでに多くの労働力を必要とするにもかかわらず、予算などの制約から投入できるスタッフの数は限られてしまう。

そうした状況が、過酷な労働環境を生み出している。

報告書ではドラマの放送回数や放送時間を短縮し、番組の途中でもCMを入れるべきだと提言しているが、一度固定されてしまった放送慣習を変えるのは容易ではない。

いまだに、韓国でドラマが日本のように事前制作されることは非常に少ない。放送日ギリギリまで撮影や編集が続けられることが多いのだ。

その背景には、前述した放送時間の長さがあるのは事実だが、影響力の強い一部のスターのスケジュールに撮影日程を合わせなければいけないという事情もある。

もし韓国でも日本のようにドラマの事前制作が主流になれば、労働環境も大きく改善されるのだが……。

文=金昌祐(キム・チャンウ)+「ロコレ」編集部

(ロコレ提供)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください