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<Wコラム>ペ・ヨンジュン 過去への旅路~「四月の雪」に主演

Wow!Korea / 2016年6月2日 17時30分

このとき、日本のファンのことを「寂しくて索漠としているからでは……」と言っているが、この部分にショックを受けた人がいたことも事実だ。

しかし、ペ・ヨンジュンは決して日本のファンだけを「寂しいから」と決めつけたわけではない。それは、続いて発した言葉によっても明らかだ。

■ファンとの連帯感

記者からさらに「国際的なスターになって、とてつもない愛を受けているというのに、それでも寂しいのですか」と質問されて、ペ・ヨンジュンはこう答えている。

「たくさんの愛を受けていますが……(沈黙)。正直言って寂しいですね。あまりにたくさんのものを背負わなければならない気がします。その寂しさを楽しんだり消し去ってしまったりしたいけれど、なかなか難しいようです」

寂しさを隠さないペ・ヨンジュンは、日本のファンとの間に連帯感を強く持っていたのではないだろうか。日本のファンの中に自分と同じ心情を見つけ、そうした共通点によって心の絆を築こうとしたのでは……。ペ・ヨンジュンの発言からは、そういう気持ちがくみ取れる。

この時期、ペ・ヨンジュンは迫りくる重圧と必死に闘っていた。その中で、ホ・ジノ監督との映画作りに踏み出そうとしていた。

「積極的に活動したい」と宣言したペ・ヨンジュンは、写真展や映画のイベントに出席し、2004年11月下旬には2度目の公式来日を果たした。そのとき、ファンの転倒事故というアクシデントもあったが、誠実な謝罪会見を開いて深謝している。

2005年になると、『四月の雪』(韓国でのタイトルは『外出』)の制作に没頭し、厳寒の中で深夜まで及ぶ過酷な撮影日程をこなしていった。

■頭を下げて感謝の挨拶

交通事故で重体に陥った妻を看病する中で知った不倫という事実……。愛の裏切りを突きつけられた主人公インスは、同じような境遇にさらされた人妻のソヨンと危険な愛に入っていく。

物語は説明的な描写を極力省略して、主人公たちの内面の変化を感性的に表す手法によって進行していった。ペ・ヨンジュンにとっても、今までの俳優人生で経験したことがない困難に苦しめられた。

1つは、撮影現場でシナリオを簡単に変えてしまうホ・ジノ監督の演出である。事前からある程度は覚悟していたものの、実際に目の当たりにしたホ・ジノ監督のスタイルは、想像以上のものだった。

準備段階で完璧にセリフを覚えてから撮影に臨んでも、それが急に変更されては、俳優もたまったものではない。ペ・ヨンジュンも戸惑いが大きかっただろうが、それでも彼はホ・ジノ監督のスタイルを尊重し、最後まで協調的な気持ちを失わなかった。それが、自分の演技にきっとプラスになると信じたからである。

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