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<Wコラム>ドラマの主人公は財閥の御曹司ばかり…そもそも財閥って何?

Wow!Korea / 2016年6月3日 17時44分

そして次々と事業を拡大し、すべての業種を網羅しようとする。中には新聞などのマスコミまで抱える財閥も存在している。

■反発を持っている国民

実際、プロ野球を初めとしてプロスポーツのオーナー企業はほとんどが財閥で、スポーツ界に歴然たる影響力を持っている。

しかし、ひとつの事業で成功したからといって、他の事業でも成功するとは限らない。赤字の会社を抱える財閥も多いのだが、黒字の事業でその赤字分を補ってしまうため、本来なら撤退すべき会社が生き残ることになり、業界内で過当競争を引き起こす要因になっている。

韓国の財閥はいまだに銀行を所有することが認められておらず、借金の比率が高いのも特徴だ。

本来、借金は自社の資本金より少ない額に抑えるのが理想だが、1997年の経済危機のときなどは、資本金の7倍もの借金をしている財閥がいくつもあった。

当時から政府は財閥に対して、借金比率を減らしたり事業の数を整理するように求めたが、いまだに未解決の問題が多く残っている。

一方、朝鮮戦争以降、韓国経済の成長の原動力となってきた財閥に対して、一般の人たちの考え方は複雑だ。

そもそも韓国の財閥は軍事政権のもとで生まれ、成長してきた。やむを得ない事情があったとはいえ、時の政権と癒着を繰り返し、同族経営もあからさまだった。そんな財閥に対して、反発を持っている国民が多いのも事実だ。

■複雑な感情がドラマに反映されている

日本以上に学歴社会だと言われる韓国では、高学歴・高収入のエリートたちが働く財閥はステータスであり、羨望の眼差しで見つめている人も多い。

韓国の財閥は政界・芸能界・スポーツ界とのかかわりも深く、時折メディアをにぎわすのが御曹司と有名女優の結婚話だ。それこそドラマに出てきそうな数々の話に、思わず憧れを抱く人もいる。

また、ブランド好きな国民性を反映してか、財閥企業に勤める本人や家族も、そのステータスを強く意識する傾向がある。

井戸端会議で「私の主人と息子は財閥に勤めているのよ」と誇らしげに話す主婦も珍しくない。

逆に、財閥を自らの反骨精神を鍛える対象と捉える人もいる。韓国の財閥は上位10位までの売上が、GDP(国内総生産)の多くを占めてしまうなど、まさに韓国経済の屋台骨を担っている。

しかし、韓国も日本と同様に、数として圧倒的に多いのは中小企業だ。その中小企業で働く多くの人たちが、財閥の繁栄を横目で見ながらも、「負けるものか」と闘志をむきだしにして仕事に励んでいる。

韓国の人々は反感、羨望、反骨精神などが入り混じった複雑な気持ちで財閥を見ている。そして彼らの気持ちは、そのままドラマにも反映されているのだ。

文=金昌祐(キムチャンウ)+「ロコレ」編集部

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