<Wコラム>K-POPの若手スターはどのように育てられるのか
Wow!Korea / 2016年6月6日 19時25分
また、事務所としても練習生にかかったトレーニングの費用などを考えると、なるべく取り分の多い契約を結ぼうとする。
そこで不平等な契約が出来てしまうのだ。
■表現力と誇示欲が特徴の若者たち
現在、K-POPのスターを夢見る若者たちは、それ以前の若者たちと明らかに違う感性や価値観を持っている。
最近の若者たちの世代的な特徴とは何だろうか。
特に、自己表現力と自己誇示欲の2つの点を挙げられる。
まず、以前の世代より「自己」というものを具体的な形で持っている。たとえば、先輩世代が集団の中で自己を探そうとしたとすると、今の若者はまず自己を持って社会を見ようとする。
これは少子化によって兄弟が少ないため、親の愛を独占し、周り(兄弟や友だち)と意見や感情交流する機会が少ない環境で育ったのが大きな原因だろう。
先に自己を確立した彼らはネットやモバイルを通じて、自分の意見を簡単に気軽に表現するスキルを身につけた。発達した韓国のオンライン環境は彼らに何よりも身近で便利な表現手段を与えたのだ。
オンラインでの表現は時間と場所を問わずに可能である同時に、相手を見なくても出来るという点で即興的に使える。頻繁に自分の感情と意見を表現してきた今の若者は優れた自己表現力を身につけることが可能となった。
また、大勢の対象に同時に伝達することができるオンラインの特徴は、彼らの自己誇示欲を刺激した。「人に自分を見せたい」という願望は「人より見た目が優れたい」「優れた見た目の人が羨ましい」という方向にも発達して、ルックス至上主義に走らせた。
ただし、意見と感情の交流や調節には不馴れなため、コミュニケーション能力が落ちて自己中心になりすぎるというきらいがある。そのあたりに課題が残っている。
■夢を持った若者たち
K-POPのスターの活躍によって、子供たちの夢に堂々と芸能人が入るようになったのは、韓国社会の大きな変化だ。
しかし、未だに芸能人を「タンタラ」と呼んで見くびる傾向が残っている。アイドルやK-POPのスターの活躍、文化産業の発展によって芸能人の地位は少しずつ変わっているのだが、まだ多様性を許せない韓国社会の視線は、芸能人になろうとする人にとって大きな障害となる。
国・地域・家など集団の価値が個人よりも上であると考える傾向がまだ残っている韓国社会で、少数または目立つ存在を寛容的に見る視線は少ないのが現実だ。
また、人件費が現実的な水準まで上がっていない韓国では、アルバイトだけで生活することは不可能だ。
物価は上がる一方なのに最低賃金を初め人件費は変わっていない。そのため、音楽をやりながら、アルバイトで貧しくても生活ができるというのはありえない。どの国も音楽だけで食べていけるのは一部で、多くはアルバイトなどをして生活を立てるが、韓国ではそれさえもできないのである。
そんな状況の中でも、夢を持った若者たちがK-POPの世界を次々にめざしている。彼らの熱意が実を結ぶ日が来ることを祈りたい。
文=朴敏祐(パクミヌ)+「ロコレ」編集部
(ロコレ提供)
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