<Wコラム>韓国がインターネット先進国になった本当の理由
Wow!Korea / 2016年6月8日 17時29分
構造改革によって増加する一方の失業者を救済するには新しい需要を掘り起こすことが急務であり、そのためにもインターネットを普及させなければならない事情があった。
1999年3月に金大中(キム・デジュン)政権は「サイバーコリア21(第2次情報化促進基本計画)を発表。単なる夢や希望を語るのではなく、具体的な数値を示して国土の隅々まで情報インフラの整備に最善を尽くすことを明らかにした。
これが功を奏した。韓国は確実にインターネット先進国に突き進んだ。
■韓国中を騒がせた事件
IT産業に詳しい関係者がこう語っている。
「韓国でインターネットが普及したのは金大中政権の情報化戦略のおかげですが、実はそれ以上にもっと重大な契機があったんです」
それは、1998年から翌年にかけて韓国中を騒がせた「オ嬢事件」だった。
人気タレントのオ嬢(韓国では実名も出てしまっている)のセックス映像が突如としてインターネット上に流れたのがことの始まりだ。元カレが交際中に意図的に撮影しておいたベッドシーンを別れた腹いせにオンラインに乗せたのである。
先のIT関係者が語る。
「それはもう凄まじい勢いで、みんなブロードバンドに入りましたよ。しかも、男性だけではなく、あまりに社会を騒がす騒動になったので、どんなものか興味をもった女性もかなり接続を開始しました。加入の手続きが追いつかず、プロバイダーすら大混乱したほどの事件でした」
儒教に基づく倫理観が根強く残る韓国では性表現の規制が厳しく、1998年当時にはテレビでキスシーンを流すことすら憚られたほどだ。
それなのに、インターネット上では表現に関する何の規制もなかった。
その後も、「オ嬢事件」に似たことが起こった。その度ごとにブロードバンドの加入が激増した。「オ嬢事件」は、インターネットへの加入を促進させた第一波だったが、第二波となったのがオンラインゲームだ。
■なんでも功罪がある
韓国では、インターネット上で楽しむオンラインゲームが非常に盛んで、小学生から大人まで夢中になった。没頭しすぎてマニアが心臓マヒで急死する事件まで起きて、あまりの加熱ぶりが社会問題になるほどだった。
オンラインゲームならネット上で大勢の見知らぬ人と同じゲームを競い合うことができる。コンピュータを相手にするようなゲームだとある程度反応が予測できるが、生身の人間が相手なので壮絶な心理戦にもちこまれることが多い。
そういう意味でオンラインゲームは、1人で何かをすることを嫌って大勢でワイワイ楽しむことが大好きな韓国人の性格にもよく合っていた。
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