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【個別インタビュー】”BTSとARMYが「世界一」である理由”『BTSとARMY』著者、社会学者イ・ジヘン氏

Wow!Korea / 2021年3月14日 18時15分

――ARMYの世界を探求しながら、気づいたことや驚いたことを教えてください。

実は、わたしはアイドルのファンに偏見を持っていたんです。「たんに若者が一時的にはまっているのだろう」と。でも、ファンダムのなかに入って知ったのは、年齢層が10代からミドルエイジの人までとても幅広く、国籍も様々なこと。結束力も強い。すごく真摯にBTSにアプローチしているファンが多いんです。

ファンダムのなかには、さまざまなグループがあることにも驚きました。BTSについてのコンテンツを翻訳する人たち、学者、心のケアをするグループ、チャリティー団体など。共通しているのは、BTSと一緒に成長したいと思っていることです。今自分がもっている能力を生かして連帯し、よりよいものをともに作りたいと望んでいる。BTSが歌い語るメッセージを、自分自身の物語として受け止めているんですね。

たとえば、ファンダムのなかではよく知られている、One in an ARMYという慈善団体があります。2018年に、BTSがユニセフと「LOVE MYSELF」をテーマにキャンペーンをしました。それを見たあるファンが「私たちもBTSと一緒に世の中を少しでも良くするために何かできないだろうか」とTwitterに書いたら、世界のあちこちにいるARMYが応じたんです。

中心となるメンバーには、NGOで働いたことがある人や、ライター、デザイナーなどもいます。One in an ARMYはファンダム内でも信頼されていて、昨年BTSが所属事務所のBig Hit EntertainmentとともにBlack Lives Matterを支援するため100万ドルをBLM団体のグローバル・ネットワーク財団に寄付した時には、同じ額の寄付をわずか24時間でARMYたちから集めました。毎月小さな慈善団体の運営をサポートする募金を集めていて、今年に入ってからは韓国のシングルマザーを支援するグループに寄付をしています。

――世界中のARMYが連帯する背景には、マイノリティーやジェンダーなど、現代社会が抱える問題も関係しているのでしょうか。

ARMYが世界で増えている理由はいろいろあると思いますが、おっしゃる通り現代社会の問題も要因のひとつだと思います。21世紀に入ってネットが発展し、人や物が国家間を移動するスピードも速くなりました。世界が多様性を受け入れなければならない時代が来たと同時に、アイデンティティが異なる人同士の葛藤も激しくなっています。

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