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<WK寄稿>「割る」と「混ぜる」でみる日韓-1

Wow!Korea / 2022年10月26日 19時56分

また漬物でも日本は大根、キュウリ、ナスなど一つの素材をそれぞれに漬け込みますが、韓国ではキムチを見てもわかるように白菜や大根、キュウリという素材に唐辛子、アミの塩辛などいろんな材料をを混ぜて作ります。

このように混ぜるのが韓国人の情緒に合っているようで、その代表的料理が“ビビンバ”であり、亜流ですが日本で流行っているハムやスパム、豚肉など国籍不明のごった煮鍋「ブデチゲ」も“混ぜる”の発想で戦後生まれました。しかし日本では寿司に見られるように混ぜるよりもネタ一つ一つの素材を味わう食べ方をします。

料理だけでなく食べ方も日本のようにそれぞれきちんと人数分わける(割る)のでなく、みんなでデンジャンチゲやキムチチゲなど一緒に鍋をつつきます。もちろん、昔は取り皿もありませんでしたので、きれい好きな日本の人は不潔感をもったでしょうが、そんなことより一緒に情を分かち合いワイワイ食べるのが韓国人の情緒です。(昭和の半ば頃までは日本にもあったはずです)

食事に関して日本に有って韓国に無いものが二つあります。一つは「お茶碗」、二つ目が「一人前」。

韓国ではごはんを「お茶碗」よりも少し大きめのステンレス製の器で出します。日本では茶碗によそい少なければおかわりするようにし、ご飯を残さないのがマナーとされてますが、韓国では食べ残しても日本ほど気にしません。むしろ残したことで満腹したと解釈します。このように日本は韓国より食事の習慣にもきちんと分相応に“割る”こだわりがうかがえます。

次に「一人前」。

もちろん韓国にも「一人分」に値する「イルインブン」はありますがこの言葉は単に人数を表します。日本語の「一人前」は一人分という意味と“一人の人間として評価に値する、技量が一定水準に達した人”を表し社会が認める肯定的単語としても使ってる点です。つまり食べる時も暗に与えられた一人前を残さずきちっと平らげることを意味します。

韓国では食事をきれいに食べきることを良しとしない風習があります。食べきれないほどたくさんの料理を出して、お客が残してこそもてなした側では満足し、日本のマナーのようにお客が残さず食べきると量(誠意)が足りなかったかと不安がります。

ですから日本育ちの私は招かれた家や食堂で出された食事を常に「きれいに食べきるか、残すか」で悩みます。ハムレットではありませんが、それが問題です^^;

<蛇足>

最近韓国でも若者や女性を中心に食べ残したものをタッパーウェア等に詰めたり、店で包装してもらって持ち帰るケースが増えています。

※権鎔大(ゴン・ヨンデ)韓日気質比較研究会代表の寄稿。ソウル大学史学科卒業、同新聞大学院修了。大韓航空訓練センター勤務。アシアナ航空の日本責任者・中国責任者として勤務。「あなたは本当に『韓国』を知っている?」の著者。

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