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<WK寄稿>同じ苦労を共有する喜び!韓国の軍隊、その3

Wow!Korea / 2023年7月26日 14時51分

“クリックが何ですか”と聞けば済む話ですが、韓国人ならみんな当たり前のように知ってる事を自分だけが知らないと“あいつは何者だ?”、“在日だとしたら何故ここにいる(在日には兵役の義務がない)?”など特別な目で見られる(列外)ので黙ってるしかありませんでした。

本物の韓国人になろうと入隊したのに、身元がばれて自分たちとは違う人種だと距離を置かれ、特別視されたら、たとえ訓練生活が楽になったとしても在日としての心の隙間を埋めることは出来ません。日韓のはざまでどっちつかずの人生を清算するためにこの国に来たのですから、辛くとも逃げるわけにはいきません。

書類上はコリアンですが中身は韓国人としての実感がないだけでなく、本国の人と何も言わずとも心の底で分かち合え、一体感を味わうために入隊したのに、“あいつは我々と違うんだ”と別格扱いされるのだけは避けたかったのです。

射撃の点数が合格点には満たない者には厳しい罰が課せられ合格者が休憩している姿を横目に、“ヌンㇺルェ/オンドック(涙の丘)”を肘や腕を使わず這い上がらなければなりません。

普通、敵の玉を避け鉄条網の下を肘や足を使って這う”ほふく前進”でも大変ですが、腕やひじを使わず胸と足だけで坂をのぼるのは不可能に近い罰です。“涙の丘”とよく言ったものです。

最初は必死で胸と足だけで登ろうとしますが、一向に進みません。這っても這ってもほんの少し進んだか進んでないか…。本当に時間内に到達できるのか暗澹たる思いで這い自然に涙がこぼれました。ですが私だけでなく他の同僚たちも必死にもがいている姿が励みになり、折れる気持ちを思いとどまらせました。

助教の目を盗んでは(また助教も一部見て見ぬふりしていたかも)腕や肘を使い距離を縮め、やっとのことで頂上に到達しました。涙を流し弱気になったことが嘘のように、みんな抱き合ってお互いの苦労をねぎらいあい達成感にひたりました。

生まれて初めて”現地人”(韓国では外人と区別して自身をこう呼ぶ場合も)と辛さを共有する喜びと一体感を味わいました。常に境界人として疎外感を感じ続けてきた‟在日”の私にとって今まで感じたことのない同類意識を感じ、韓国人に溶け込めた喜びを噛みしめた瞬間でした。

<教訓>辛さを絶えしのげば、その先には“喜悦”がある。

<続く>

※権鎔大(ゴン・ヨンデ)韓日気質比較研究会代表の寄稿。ソウル大学史学科卒業、同新聞大学院修了。大韓航空訓練センター勤務。アシアナ航空の日本責任者・中国責任者として勤務。「あなたは本当に『韓国』を知っている?」の著者。

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