<WK寄稿>陰に陽に韓国社会に軍隊の影響が!韓国の軍隊、その4
Wow!Korea / 2023年8月22日 16時20分
現代の軍隊は一昔よりも処遇や環境が大幅に改善されましたが、その文化は今尚韓国社会に色濃く残っています。1950~1960年代の経済貧国であった韓国が急速に経済先進国になれたのも、目標に向かい勝利を勝ち取るためには手段や方法をいとわない一糸乱れぬ強引な軍隊方式が大いに役立ったに相違いありません。
この国の富国強兵の為には多少個人の主張や自由が犠牲になってもかまわないという発想がありました。パク・チョンヒ(朴正熙)大統領は‟後世、私のしたことが間違っていたら私の墓に唾を吐け”とまで言わしめ‟独裁者”と言う汚名をいとわずこの国の近代化に命をかけました。
また戦後の韓国が国際社会に誇れる‟短時間での民主主義定着”もこの権威、強圧的な軍事独裁政権の圧政に対する抵抗の過程で生まれており、この国の自由と国民の権利は暴力的な軍に対して素手で応戦し、命がけで血を流して勝ち取ったものです。
憎っくき軍事政権を倒しその偉業を成し遂げた民主化勢力(進歩主義者)の彼らすらも2~3年と言う兵役の義務と社会の底辺に脈々と流れてるこの国の軍隊文化の影響から自由ではありません。
<余談>訓練所で感じた日本と韓国に違いについて。
厳しい訓練の合間に娯楽時間があります。訓練の合間の息抜きと隊員間の親睦の時間です。普通30分~1時間ぐらいですが、主に歌ったり囃したりする単純なものです。助教が頃合いを見計らって「これから娯楽時間だ」と宣言すると隊員たちの中から6~8名が我先にと舞台(少し盛り上がった場所)に駆け上がります。
私は何が起きるのか事情が分からず一瞬キョトンとしましたが、すぐ事情が呑み込めました。彼等は自分が一番先に歌い、場の雰囲気を先導するために舞台に走っていったのだと。
1980年代のカラオケブーム以前の日本では、こういう場面では内心出て歌いたくても場を気にし様子を見て、周りにせかされ仕方なく出て行く形を取るものですが、韓国では「場の雰囲気」を気にせず「自己の欲求に忠実」に行動し、「自己の存在を周りに誇示する」のだと。同じ顔かたちしているのに国柄により自己表現方法がこんなに違うものなのかと…。了。
※権鎔大(ゴン・ヨンデ)韓日気質比較研究会代表の寄稿。ソウル大学史学科卒業、同新聞大学院修了。大韓航空訓練センター勤務。アシアナ航空の日本責任者・中国責任者として勤務。「あなたは本当に『韓国』を知っている?」の著者。
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