尹大統領、「韓日中」に続き「露朝」と指称…変化した外交基調が浮き彫りに

韓国のユン・ソギョル（尹錫悦）大統領は20日（現地時間）、第78回国連総会の基調演説で北朝鮮とロシアを「ロシア―北朝鮮」の順で指称した。「朝米」を「米朝」と、「韓中日」を「韓日中」と指称したのに続き、変化した外交基調を表した。権威主義の2か国を指称する「朝露」については、われわれに直接的な安保脅威を与える北朝鮮に対しさらに距離を置くものと解釈される。

尹大統領は今回の演説で、「ロシアと北朝鮮の軍事取引はウクライナだけでなく大韓民国の安保と平和を直接的に狙った挑発になるだろう」と明らかにした。韓国の憲法上、大韓民国の領土は朝鮮半島と付属する島と明示されているだけに、通常、政府やメディアも「朝米首脳会談」、「朝中首脳会談」のように北朝鮮を先に指称した。

しかし尹錫悦政府に入り「価値外交」を重視することで、このような指称に変化を与えている。これに先立ち尹大統領は今月6日、ASEAN（東南アジア諸国連合）首脳会議を契機に開かれたASEAN＋3（韓中日）首脳会議で初めて「韓日中」の順序で言及した。尹大統領は当時、「ASEAN＋3の発展の根幹になる韓国、日本、中国の3か国の協力が活性化されるべき」と述べた。

「韓中日首脳会議」が議長国の順序により「韓日中首脳会議」と表記されるべきという原則もあるが、尹大統領の就任後、外交の優先順位に変化を与えている。大統領室の高位関係者は当時、「今政府に入り価値と自由の連帯を基礎とし、米国、日本とより緊密な協力が行われているため、そのような観点で朝米会談よりも米朝関係と呼んでおり、韓中日よりも韓日中と呼んでいる」と説明した。これに先立ち、国家安保室がことし6月に発刊した「国家安保戦略」でも日本を中国より先に表記した。

ただ、現在まで混用されているのも事実だ。尹大統領は今月12日の国務会議でASEAN・G20首脳会議の歴訪成果を説明し、「今回の歴訪期間に李強首相と岸田首相は韓中日首脳会議の再開に対する支持の意思を表明した」と述べた。

これについて尹大統領は、文脈上、中国の問題を話していたため強調しようとしたとし、「客観的に中国と日本の関係を話す際には韓日中と呼ぶものと理解しており、私もそのように整理する」と答えたと、大統領室の高位関係者は伝えた。

「朝露」と関連しても混用されている。朝露ボストチヌイ首脳会談の直後である14日に開かれた国家安保会議（NSC）常任委員会は会議の結果を発表し、「北朝鮮とロシア」と指称した。外交部（外務省に相当）では主に「露朝」と指称している。