「ふっくら」と「もっちり」の違いは…ご飯にまつわる120語「辞書」に、7500語から厳選し定義
読売新聞 / 2026年2月14日 10時5分
「ふっくらしている」「粒立ちがよい」――。ご飯の見た目や食感を表現する言葉はたくさんあるが、どんな状態かわかりにくいこともある。そんなご飯にまつわる表現を定義づけした「ご飯用語の辞書」を昨年、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)などが作った。消費者が好みの米を選ぶときにも役立ちそうだ。(加藤亮)
「つやがあって、粒がそろっている」「もっちり大粒でしっかりとした弾力」。ブランド米を紹介するホームページを訪れると、多種多彩な表現が並ぶ。我が家の炊飯器には「しゃっきり」「ふっくら」などのモードがあり、食感に応じて炊きわけられる。
ご飯にまつわる多様な表現に基準を設けようと、農研機構と食品原料を扱う商社「伊藤忠食糧」が研究を始めたのは2021年のこと。背景には、米の種類の多様化に加え、外食や中食の発展がある。冷凍やパックご飯、おにぎりや弁当など様々な形でご飯が食べられるようになり、米やご飯を扱う業界で、おいしさや特徴を正しく評価するニーズが高まった。
研究は32種の米の炊きたてと1時間後のほか、コンビニ弁当のご飯やパックご飯などを複数の専門家が試食し、特徴を自由記述した。専門書や炊飯器のカタログなどからも表現を抽出し、約7500語を集めた。「外観」「香り」「味・風味」「食感」に分類し、意味が重なる表現を削って、120語に絞り込んだ。昨年7月、「米飯のおいしさ評価用語体系」としてまとめ、農研機構のホームページで公開している。
例えば「ふんわり」は、粒と粒の間に空気がある状態、「弾力がある」は、かんだときに跳ね返りがあり、ご飯が元の形に戻ろうとする力が強い感じ、と定義された。
「ぽそぽそした」は乾燥して崩れたり割れたりしやすい状態と定義され、「ぼそぼそした」は類義語に分類された。「化学物質のような」など、貯蔵や流通の過程で生じた好ましくない味や香りを表す言葉も含まれている。
これまでも商品開発などにおいて、食べて品質などを見極める「官能評価」が行われてきたが、評価者によって言葉の使い方が異なる場合もあったという。同機構の早川文代さんは、「この用語を使えば、専門家でなくても一定の基準でご飯のおいしさや特徴を言い表せる」と話す。
米取引の現場でも、取引先から「やわらかい米」を求められた際、粒と粒の間に空気があるのか、それとも水分量の多い状態なのか、認識にずれが生じがちだったという。伊藤忠食糧の米穀本部長、天野敏也さんは「各企業で食味について研究をしていても、言葉の定義は異なるため、別の言語でやりとりしているような状態だった」と話す。表現の認識を取引先と共有することは、消費者に商品の特徴に合ったおいしいご飯を届けることにもつながる。
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