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玖麗さやか「天才的」アイドル性だけじゃない負けん気の強さ「尊敬される存在になりたい」

よろず~ニュース / 2024年6月9日 11時30分

玖麗さやか「天才的」アイドル性だけじゃない負けん気の強さ「尊敬される存在になりたい」

AZMの厳しい攻めに苦しむ玖麗さやか=スターダム24年6・2後楽園ホール大会 ⓒSTARDOM

 スターダムの新人・玖麗さやか(くらら・さやか=23)に、ひときわ大きな声援が向けられている。所属ユニットのコズミック・エンジェルズ(コズエン)を率いる中野たむは「天才的なアイドル性を持っている。中野たむの後継者になるのは、玖麗だと思っている」と高く評価する。

 2日の後楽園ホール大会では安納サオリ、中野たむ、なつぽい、水森由菜、さくらあやと組み、上谷沙弥&AZM&レディ・C&天咲光由&妃南&スターライト・キッド組と対戦。21分18秒、AZMにダイビングフットスタンプからの片エビ固めで3カウントを奪われたものの見せ場を作った。AZMのアームロックに苦しんだ場面。自然発生した大声援に後押しされてエスケープすると、大きな拍手に包まれた。たむは「玖麗は格闘技の経験がないし、(コズエンでは)一人だけ芸能活動の経験がないのに、アイドル性を一番持っている。誰もが応援したくなっちゃうんですよね」と、その魅力を説明した。

 玖麗は2000年6月20日生まれ、愛知県豊橋市出身。美術系の高校を卒業し、上京後も油絵を描き続けていたが、友人に誘われ22年9月にスターダムの大会を生観戦。初めて知ったプロレスに感激した。1週間後の10月1日に武蔵野の森総合スポーツプラザ大会のチケットを購入し、5★STAR GP決勝で中野たむとジュリアの死闘を目撃し「観客でいる場合じゃない」と入門を決意し、その日のうちに新人オーディションに申し込んだ。昨年12月25日にデビュー、今年2月にコズエン入りを直訴し、見習い期間を経て4月に正式加入をつかんだ。

 「コズエンに入ったことは、自分にとってすごくプラスだと思っています。失礼かもしれませんが、先輩たちは『見た目だけで弱いんでしょ』と見られていた過去があった。今の自分も普通の女の子みたいで弱い、と言われてしまう。最初はそれに甘んじていた自分がいましたが、今は悔しい、見返したい気持ちが強い。自分ではそこまで分からないんですけど、弱々しいだけだった顔つきが、ボコボコにされても顔が死んでいない、と言われるようになりました。精神的に耐える力、心が折れそうになっても、もうひと踏ん張り頑張る力がついてきたように思います」

 デビューからしばらくは、ロープを使ったスワン式の技を仕掛ける際、「失敗したらどうしよう」「失敗したら、この動きをしよう」などと考えていたという。「今は失敗しないから大丈夫、と思えるようになりました。自信がつきました」と成長を実感。肉体面でも筋肉量の増加を感じている。

 デビュー戦からスピアーを持ち技として大切にしてきた。タックルの形で体当たりするシンプルな技だが、WWE殿堂入りしたゴールドバーグのように、必殺技へと昇華させる名レスラーも少なくない。「私は体も大きくないし、まだ大きな相手を投げ切ることは難しい。関節技もうまく使いこなせるか分からない。でも得意技が欲しい、と考えた時、スピアーがあったらどんな相手にでも、自分のペースに持ち込む技にできるのでは、と考えました」。自身の現在地を冷静に見つめ、工夫している。

 中野たむ、水森由菜らコズエンでの個別練習で技を磨く日々。「スピアーの仕掛け方、バリエーションも教わっています。たむさんはすごい存在で、私のために時間を割いてくれることはあまりないと思っていたんですけど、試合後も『ここが良かったよ』とか『ここはちょっと直した方が良かったね』とか『もっとこうしたらいいよ』というのを毎回すごく丁寧に言ってくれます。試合前も『大丈夫だよ、できるよ』と言ってくれて、私が『これができないです』と相談すると『何日に練習するから来て』という感じで、率先して教えてくれます。すごくありがたいです」と感謝を口にした。

 デビューから半年。これらの経験を重ね、自覚が芽生えた。9カ月先にデビューし、一緒にコズエン入りしさくらあやとはタッグ戦線での台頭を目指している。「お互いの胸の内をさらけ出して、コズエンに入るために競いあった仲。同期だけどライバル」と意識する一方で、「自分と似てるところもある。全然違うところもある。それも含めてすごくいいタッグになれそうだなとは思います。仲良しこよしでは全くなくて、戦うことがあれば絶対に負けたくない相手でも、今は一緒に同じ目標に向かって頑張りたいです」と前を向いた。

 たむは「もちろん技術面、体力面はまだまだ」と前置きしつつ「課題はない、と言ってもいいくらい」と、そのアイドル性を評価する。だからこそ「怖いのはケガ。決して体は強くないので、長期欠場にはならないように、私たちも気をつけています。欠場は精神的にもこたえますから」と、コズエンのリーダーとして気を引き締めた。

 憧れで始まったレスラー人生。玖麗は新たなステージに目を向ける。「最初は100%が憧れ、興味という感じでしたけど、今はツラいことも結構あるし、体も痛いし、巡業も大変だし、その大変さが分かってきました。最初の憧れの気持ちは、(先輩への)尊敬の気持ちに代わってきました。自分も尊敬される存在になりたいです」。6・21東京・ニューピアホール大会「NEW BLOOD13」ではさくらと組み、NEW BLOODタッグ王者の羽南&飯田沙耶組に挑む。成長速度を緩めるつもりはない。

(よろず~ニュース・山本 鋼平)

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